2017.10.30
話がヘタな営業は雑談のコツがわかってない│とっかかりにするキーワードを覚えておこう
何から切り出すか、勝負は商談の前から決まっています(写真:xiangtao / PIXTA)
営業、交渉力などの研修講師として5000人以上を指導してきた大岩俊之氏による連載「入社1年目の営業」。エンターテインメントコンテンツのポータルサイト「アルファポリス」とのコラボにより一部をお届けする。
雑談は、場を作るコミュニケーションツール
アルファポリスビジネス(運営:アルファポリス)の提供記事です
こんにちは。ロールジョブの大岩俊之です。営業マンは商談の際、何か世間話や雑談をしてから本題に入ることが多いはずです。みなさんは、雑談などを効果的に使用しているでしょうか?
私も営業マン時代は、かなり雑談をしていましたし、他のトップセールスの方を研究しても、営業でトップクラスの方は皆さん話題が豊富で、旬の話題を必ず取り入れていました。できる営業マンは、常に話題の引き出しが多く、商談の場を和ませるのが上手だという傾向が顕著でした。
雑談は、場を作るコミュニケーションツールなのです。
私が普段行っている企業研修や講演でも、最初は受講者が遠慮をしていたり、警戒していることもあり、そのまま、すぐに講座を進めてもなかなか上手くいきません。それは、講師との関係が構築できておらず、受講者が聞く姿勢になっていないからです。また、講師の言うことを素直に聞いてもらえるための空気づくりとしても、講演前の雑談というのは、実は非常に大切なことなのです。私は講座が始まったら、私が受講生に興味を持たれそうな話しをしたり、受講者に動いてもらったり、しゃべってもらったりして、場の空気を温めてから研修や講演をスタートします。
それと同じように、営業の打合せや商談をする時も、打ち合せの場の空気を作る必要があります。そんな時に使えるのが「雑談」なのです。雑談と言うと、おしゃべりで、無駄な会話、私語のように捉える人もいますが、決してそうではありません。スムーズに商談を進めるために、必要なスキルなのです。
日頃、何度もお会いしているお客さまであれば、お互いのことを分かっているので、会話に困ることはさほどありません。しかし、初対面の人には、何を話したらいいか迷ったり、困ったりすることが多いはずです。そんなとき、雑談に使いやすいテーマを分かっていれば、初対面の人であっても雑談に困ることはないでしょう。
では、どのようなテーマが雑談に向いているのでしょうか?
覚えておきたい『木戸に立てかけし衣食住』
私の営業研修でも講座中に伝え、受講生に覚えてもらっている用語があります。
木戸に立てかけし衣食住(きどにたてかけしいしょくじゅう)。
すぐに使える雑談の頭文字を取り、語呂合わせにしたものです。具体的にどのような話しをすればよいか、説明していきます。
木(季節の話)
季節の話題は、いつでも、どんなときでも使えます。夏になれば、「暑いですね~」、冬になれば、「寒いですね~」という話しができます。春は桜の話、温かくて過ごしやすくなったという話、秋は涼しくなったり、紅葉の話しなどができるでしょう。その季節に合った話題を選びます。
戸(道楽・趣味の話)
昔は、マージャン、パチンコ、ゴルフやプロ野球の話が定番でした。最近では、時代の変化とともに、道楽や趣味も変わってきており、ボルダリング、加圧トレーニングなどやスマホアプリなどの話も話題にあがるようになってきました。サムライジャパンやサッカーのワールドカップやオリンピックの話などは、かなり使えます。多くの人が興味を持つ話題なので、営業マンは、あまり興味がなくても、絶対に押さえておいた方がいいです。
に(ニュースの話)
日々、いろいろなニュースがテレビや新聞で報道されています。なるべく、その時話題になっているテーマを出すといいでしょう。みんなが知っている世間を騒がせているニュースはテッパンです。ニュースの話はその時々によって話題が変わるので、非常に使いやすい話題といえます。社会人としての常識ですが、新聞やテレビのニュースは必ず見ておきましょう。
立(旅の話)
旅行が好きな人は、やはり多いものです。社会人になると仕事で忙しく、なかなか旅行に行けない人もいるかもしれません。家族ができたりすると、遠出も難しくなってきます。ですが、決して遠くでなくてもいいので、普段からなるべく、どこかに出かけておくと、話題に困ることはなくなります。旅はリフレッシュでき、ストレス解消にもなるので、みなさん、話題のスポットや行き先には興味があるのです。
天気や家族の話は鉄板
て(天気の話)
天気は毎日変わるので、話題としては長続きしませんが、話題としては、即効性があります。雨が続いたとき、晴れが続いた時などが、話題に出しやすいです。私の場合も、梅雨や夏の暑い日などは、いつも話題に出ていた記憶があります。
か(家族の話)
家族の話も鉄板です。お客さまが結婚したばかり、子供が生まれたばかりの時は、特に喜ばれます。幼稚園や小学校の入学、卒業などもテーマにしやすい一つです。自分に家族がいなくても、お客さまに家族がいれば、ぜひ話題に出しましょう。ただし、逆にお客さまに家族がいない時は嫌がられることがあるので、相手によって使い分ける必要があります。
け(健康の話)
20代であれば、あまり健康を気にしていないかもしれませんが、30代で少しずつ気になり出し、40代、50代となっていくうちに、かなり健康が気になるようになってきます。自分が普段行っている健康法などの話があると、相手も興味を持ってくれます。痩せた、太ったという話や、ダイエットの話も、相手との距離を縮めやすい話題の一つです。ただし、相手が女性の場合は、気をつけましょう。この場合は、女性をほめるスタンスを忘れないことも、営業マンとしてのエチケットです。
し(仕事の話)
仕事の話は、お互いがビジネスマンであるため、ネタにしやすい話題です。「残業がどれくらいあるのか?」「最近、仕事が忙しいか?」「最近の業績はどうか」など、話題にするテーマはたくさんあります。お互いの仕事の大変さなども共感し合うことができると、とても仲が深まります。
衣(ファッションの話)
ファッションは、女性や若い男性を相手に話すといいでしょう。残念ながら、男性で、結婚した後、だんだん歳を重ねてくると、ファッションに疎くなってくる人が多いので、話題にしにくいこともあります。営業であれば、多少のオシャレにも気を使うようにしましょう。
会社近くの美味しいお店はチェック
食(食べ物の話)
食べ物の話は、話題が尽きないです。お客さまの会社の近くで、有名な美味しいお店があれば、一度は必ず食事しておきましょう。慣れてきたら、直接、お客さまに聞いてみるのもありです。私は、お客さま会社の近くで美味しいお店は、徹底的に調べ、必ず行っていました。お客さまの好きな食べ物も把握しておきましょう。
住(住まいの話)
引っ越したとき、マンションや自宅を購入したときなどに、話題にしやすいテーマです。お客さまが転勤して赴任したばかりの時、自分が転勤して赴任したばかりの時なども話題にしやすいでしょう。お互いの地元の話なども盛り上がったりします。お客さまにいろいろ聞くことで、お互いのことを深く知ることができます。
このように、雑談にしやすい話題というものがあります。「何を話そうかな~」と考える前に、「木戸に立てかけし衣食住」の言葉を思い出し、この中から、何かを話題に出すと、雑談がスムーズになり、雰囲気が作りやすくなります。
そのためには、営業マンのみなさんも、普段から、ニュースや流行の話題などには、アンテナを立てておく必要があります。ぜひ、日頃から意識してみて下さい。
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提供元:話がヘタな営業は雑談のコツがわかってない│東洋経済オンライン