2017.09.01
もう疲れない!自宅「もてなしの達人」の秘密│100回やって見いだした「3品だけメニュー」
「おもてなし」と意気込みすぎて、ヘトヘトになっていませんか?
自宅に人を招いてのホームパーティが近年人気ですが、いざ開催が近づくと憂鬱になる、という人は少なくないかもしれません。メニューに迷ったり、作りすぎておカネがかかってしまったり、気掛かりは多いものです。
でも料理研究家の城川朝さんは、100回以上自宅でおもてなしをしてきた経験から、「お料理は3品だけで十分」と言います。ホストもゲストも力まずに楽しめるやり方を、著書『ラクしておいしい あつまりごはん』から紹介していただきます。
『ラクしておいしい あつまりごはん』 ※外部サイトに遷移します
日本人がホームパーティを楽しめない理由
友人や同僚に「遊びに来てね」と誘っておいて、いざ予定が決まると気が重くなったことはありませんか? 肩に力が入って、ホストに楽しむ余裕がないというケースは多いかもしれません。
アメリカ滞在が長かった筆者は、100回以上自宅で「おもてなし」をしてきました。何品もごちそうを作り、テーブルセッティングまで全力を尽くして、最後はヘトヘトになっていました。
結婚した2人の娘たちも、よく友人家族とホームパーティをしています。小さな子がいるから自宅が楽だそうですが、いつもメニューと段取りはあれこれ迷うとか。人を招くことに不慣れだと、おカネをかけすぎたり、慣れない料理で失敗したりしがちです。「料理のレパートリーも少ないし、前日から準備なんてとてもできない!」と焦ってしまったり。
でも、安心してください。長年の経験から思うのは、もっとホームパーティのお料理は簡単・気楽でいいということです。それに気づけば、人を招くことが断然楽しくなります。
まず、「おもてなし」と意気込みすぎず、普段の料理感覚でいいと考えてみましょう。そしてお料理は“3品だけ“に。主菜1品+副菜2品の3品のメニューです。
買い出しは当日の朝から。余裕があれば作りおいてもいいけれど、無理は禁物。当日に材料を買って作るメリットは、「すべての食材が鮮度抜群」であること。シンプルなサラダなどは、最高においしく作れます。
所要時間は1~2時間。同時進行しないメニューにして、料理に不慣れでもゆっくりあわてずに3品作れるといいですね。ちょっとしたコツで、リーズナブルで味や食感のバランスがよい組み合わせにもできます。
もっと具体的にコツをご説明しましょう。
① 料理は自分が作れそうなものを
作り慣れていないものは緊張するので、作ったことがある料理に近いメニューを選べば、ゲストと会話をする余裕が生まれます。
② 品数多めより、1品の量を多めに
何品も作るのは時間がかかるし、ゲストにも気を使わせます。余ったら翌日食べればいい。アメリカでは“left over”といって、ごちそうの残りを食べるのも、家族の楽しみのひとつです。
③ 市販品を上手に活用する
こだわって「炒めタマネギ」や「イタリアンドレッシング」を手作りしても、簡単には家庭で味を再現できません。おいしくて便利な市販品は上手に使って、手間暇を惜しみましょう。
④ 大げさなしつらえはしない
清潔で気持ちがいい空間なら、飾りはなくて大丈夫。余裕があれば、玄関やトイレなどに季節の花を飾るくらいで十分です。
メニューを選ぶポイントは?
最初にメイン料理を決めます
「女友達同士」「男性が多い日」「シニアを招く日」「子どもが多い日」など、当日のメンバーを思い浮かべて、得意料理か相手が好きそうなものを選びます。
副菜は主菜と差がある味つけに
辛い、酸っぱいなど、主菜と異なる味つけに。歯ごたえのある主菜にはソフトな口当たりなど、食感も強弱をつけます。酒好きが多いならつまみ、ガッツリ食べるならご飯ものもオススメです。
デザートは作りません
なくてもいいけれど、近所のおいしいケーキを買っておくとスマート。手みやげでスイーツが重なることもあるので、親しいゲストなら、「おみやげはケーキをお願い」と頼んでもいいでしょう。
最後に具体的な3品メニューをご紹介します。今回は男性が多いときのイメージです。
腹ぺこ男性も大満足のスピードメニュー
ガッツリ系の王道、ステーキセット。肉は切り分けて盛りつけるとボリュームたっぷりに見えて、食べやすくなります。赤ワインソースは意外にさっぱり味。熱々のフレンチフライとガーリックライスを添え、ワインやビールがどんどん進む献立です。
副菜
・ガーリックライス
・フレンチフライ
主菜
・ステーキ 赤ワインソース
■ガーリックライス
材料(4人分)
米 2合(360ml)
ニンニク(薄い輪切り)2かけ
タマネギ(みじん切り)1/2個
マッシュルーム(石づきを除いて薄切り)1パック
塩、こしょう 各少々
固形スープの素 1個
サラダ油 大さじ1
(作り方)
1 米はといでざるに上げ、30分おく。
2 フライパンにサラダ油とにんにくを入れて弱火にかけ、きつね色になったら取り出す(ニンニクチップはステーキに使用)。
3 フライパンに残った油で、タマネギとマッシュルームを炒め、しんなりしたら軽く塩、こしょうして冷ましておく。
4 炊飯器に米を入れ、2合より控えめに水加減する。刻んだスープの素を混ぜ、3をのせて炊く。炊けたら、さっくりと混ぜる。
■フレンチフライ
材料(4人分)
ジャガイモ 4個
塩、こしょう 各少々
揚げ油 適量
(作り方)
1 ジャガイモは皮をむいて、1.5cm角の棒状に切る。水に5分ほどさらし、水を替えて同様にさらし、でんぷんをしっかり落とす。水けをきり、キッチンぺーパーで水けをしっかりふく。
2 揚げ油を170℃に熱し、1の半量を入れ、ときどき混ぜて5分ほど揚げる。竹串がすっと通るようになったら引き上げ、油をきってすぐに塩、こしょうをふる。残りも同様に揚げる。
肉は切り分けて盛り付ける
■ステーキ 赤ワインソース
材料(4人分)
牛肉ステーキ用 3枚(600g)
塩、粗びき黒こしょう 各少々
赤ワイン 大さじ5
A しょうゆ 大さじ1、はちみつ 小さじ1
バター 大さじ2
サラダ油 大さじ11/2
クレソン 適量
(作り方)
1 牛肉は室温に戻し、焼く直前に塩、こしょうをふる。フライパンを熱し、サラダ油を入れてなじませ、牛肉を並べて強火で焼く。焼き色がついたら裏返し、同様に焼いて取り出しておく。
2 肉汁が残ったフライパンに赤ワインを加え、強火でアルコール分を飛ばし、Aを混ぜ、バターを加えて溶かす。
3 1の牛肉を3cm幅のそぎ切りにし、2のソースをかける。器に「フレンチフライ」「ガーリックライス」とともに盛り、ニンニクチップを散らし、クレソンを添える。
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提供元:もう疲れない!自宅「もてなしの達人」の秘密│東洋経済オンライン