2017.08.28

女上司に悩む男は「雑談」を相当軽視している│結果のみの「報・連・相」で女性は納得しません


女性上司とのコミュニケーションが苦手だと感じている男性は多いもの。いったい、どうすれば円滑にやりとりできるのでしょう(写真:xiangtao / PIXTA)

女性上司とのコミュニケーションが苦手だと感じている男性は多いもの。いったい、どうすれば円滑にやりとりできるのでしょう(写真:xiangtao / PIXTA)

こんにちは。はたらく女性のかていきょうしのタブタカヒロです。

女性の上司って、やりづらい。

と、思っているオトコって結構多いと思います。日本企業で女性管理職が増えてきたのと同時に、女性管理職の下で働くのが苦手なオトコたちが職場で目立つようになりました。外資系企業で働いている場合、女性管理職は至って普通の存在。でも、オトコ文化が根強い日本企業では、まだまだ女性が管理職になることに特別感が漂います。まるでプロ野球選手が海を渡ってメジャーリーガーになるくらいの扱いです。

女性上司とうまくやれる男とやれない男の違い

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古き良き時代を引きずるオトコは、オトコ同士とは違う、女性上司とのコミュニケーションに戸惑いがち。そのままドツボにハマる男性社員をよく見かけます。

一方、女性上司と上手に仕事ができるオトコ社員もいます。両者を比較すると、原因は上司とのコミュニケーションの仕方にあるようです。まるで違う種目か!?と思わせる程のコミュニケーションの違いを一言で表すと・・・、

・女性上司とうまくいかないオトコ:キャッチボール型コミュニケーション

・女性上司と上手に仕事できるオトコ:ダンス型コミュニケーション

会話って言葉のキャッチボールだろ?とオトコは思いたいところ。かくいうボクも、外資系企業で働き、上司が女性の期間が長かったにもかかわらず、かつてはキャッチボール型。女性上司とのコミュニケーションがうまくいかない暗黒時代を経験しました。キャッチボール型とダンス型の違いは、以下の3つの場面で明らかになります。

1. ホウレンソウ
2. 回答
3. ピンチ

まずはホウレンソウ。報告・連絡・相談の場面です。オトコ同士だと、ホウレンソウで伝える内容は、

報告:「こうしました」
連絡:「こういうことが起きました」
相談:「どうしたら良いでしょうか」

全て、結果や結論です。オトコはゴールから逆算する傾向にあり、結論や結果を伝えて意思決定を仰ぎます。相手のグローブめがけてビシッと結果と結論を投げ込む、まさにキャッチボール型コミュニケーションです。男性上司に対しては、ビシッと結論を述べるホウレンソウがハマるのですが、女性上司の場合にそれをやると、ドツボにハマってしまいます。

オトコ部下:(上司の指示の翌日)「こうしました」
オンナ上司:「なんでそうしたの?」

オトコ部下:(上司への報告の翌日)「こういうことが起きました」
オンナ上司:「だから、なんでそういうことが起きたの?」

オトコ部下:(上司への連絡の翌日)「どうしたら良いでしょうか?」
オンナ上司:「だから、それだけじゃ判断できないんだけど?」

女性は「腑に落ちる」ことを重視する

女性は「腑に落ちる」ことでコミュニケーションが前進します。腑に落ちないまま結論だけ押し付けられると、ドラマやCMでよく見る女性社員の「分からないけど分かりました」(全然納得してないけど、ハイハイ言われた通りにやれってコトですね)状態に陥ってしまいます。腑に落ちるために過程(プロセス)を確認したい。だから自分が何か伝えた後に音沙汰なく、結果や結論だけ伝えられても全く腑に落ちません。

したがって、女性上司に対するコミュニケーションは、間を空けないのがキホン。雑談でも良いので、お互いに会話をし続ける、ペアで間断なく踊り続ける「ダンス型」コミュニケーションが適しています。

たとえば、

「さっきの話、○○さんに電話をして、打合せをセットしました。イヤそうな声でしたけど(笑)」
「○○部の○○さんがウチの動きを気にしてるって噂が。ちょっと同じ部の同期に聞いてみます」
「今、集計中なんですが、一部気になる箇所があって。ココって間違いですよね?」

と、途中過程を逐一共有すると「あ、こういうコトが起きてるのネ」と全体をストーリーとしてすぅっと理解してくれます。女性上司が期待するのは、ホウレンソウより雑談、結果より過程のようです。

二つ目は「回答」。女性上司の質問に対する回答です。キャッチボール型コミュニケーション男は、以下のような悲惨な禅問答になりがちです。

オンナ上司:「ココは、どうするの?」
オトコ部下:「(ソコ、ポイントじゃないんだけど)大丈夫です。問題ないです」
オンナ上司:「なんで?あとコッチはどうなの?」
オトコ部下:「(なんて細かい!本筋からますます離れるんだけど!とり あえず理屈つけて)・・・カクカクシカジカ。そこはポイントではないです」
オンナ上司:「・・・だから、なんで?じゃあソレは!?アレは!?」
オトコ部下:「・・・。出直します」

オトコのキャッチボール型コミュニケーションは、フォーシームの直球ばりにちゃんとした回答をしたい。自分がゴールと考える「正しい」方向に引き込む回答に尽力します。女性は細やかで色んなことに気が効くので、オトコは「細かい!」「そこモンダイじゃない!」と心の中で叫びつつ「大丈夫です」とツレない回答。それがオンナはカチンときて、色んな穴を指摘していき、次第にオトコは色々とボロが出てしまうという構図です。

上司が気になるのには、何かしら理由があるはず。自分の伝えたい本筋とは違っても、相手の反応に合わせるのが、ダンス型コミュニケーションです。例えば、

「ココは○○の検討をして、○○さんへの確認まで済んでいますが、気になる所がありますか?」
「コッチは、実は最初から検討の対象外にしています。一応確認した方が良いですかね?でもそこまで詳しく確認しなくても良いかなって思いますが・・・」

と、経緯も踏まえて上司の質問に答える。対する上司の反応は、「あ、OK、だったら良いよ」かもしれないし「やっぱり、もう少し調べようよ!」かもしれませんが、いずれにしても二人の仕事は大きく前進します。

あえて「弱み」を見せるとかえって上手くいく

最後は「ピンチ」。先ほどの「回答」の会話シーンで女性上司から詰められた状態です。キャッチボール型のオトコの場合、あぁもぉ!会話のキャッチボールにならん!と逆ギレしたり、女性上司と話すのを避けてしまいます。女性上司との仕事でドツボにハマる男性社員の典型的な結末です。

ダンス型の場合、ピンチの際の対応法には別の選択肢があります。必殺「ロープ・ブレイク」、弱みを見せる対応です。オトコは女性に強くて頼れる自分をアピールしたくなりますが、人間というものは、相手が知らないこと、出来ないこと――弱さを認めた時に親近感を抱くもの。特に女性上司は「あなたが困ってること=私にできること、ある?」と聞いて親近感を感じたい。

「実は、この領域は詳しくないので意味が分からないんです」
「今、急ぎのタスクを抱えていて、コッチの対応は来週になってしまいます」

と、素直に困っている自分、弱い自分を見せると、親身に相談にのってくれたりサポートをしてくれます。時には相手に自分を委ねるのが、ダンス型コミュニケーションのコツです。

オトコは黙ってキャッチボール型コミュニケーションよりも、日々のプロセスを雑談する、意外な質問にもこたえる、時には弱みも見せる・・・。そんなダンス型のコミュニケーションは、仕事に限らずオンナとオトコのコミュニケーションの基本なのかもしれません。

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タブ タカヒロ : はたらく女性のかていきょうし

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提供元:女上司に悩む男は「雑談」を相当軽視している│東洋経済オンライン

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