2017.07.07
「優秀なのに嫌われる人」の話し方、5大共通点│「上から目線、すぐ否定・・・」あなたは大丈夫?
優秀なのに嫌われる人の話し方とは?(写真 : EKAKI / PIXTA)
みなさん、こんにちは! アナウンサーの魚住りえです。
このたび、東洋経済新報社より『たった1分で会話が弾み、印象まで良くなる聞く力の教科書』を出版いたしました。
前著『たった1日で声まで良くなる話し方の教科書』は本当に多くの方に手に取っていただき、おかげさまで15万部を超えるベストセラーとなりました。みなさまに深くお礼を申し上げます。
第2弾となる今回は、コミュニケーションをとるうえで、「話し方」以上に大切な「聞き方」について書きました。早速、5万部を超えるヒットとなり、多くのみなさまに読んでいただけていることを、心からうれしく思います。
どうすれば人に好かれ、会話が盛り上がる「聞く力」「会話力」が身に付くのか。本記事では「『優秀なのに嫌われる人』の話し方」5つの共通点を紹介します。
『たった1分で会話が弾み、印象まで良くなる聞く力の教科書』 ※外部サイトへ遷移します
「頭のいい人=聞き上手」にならない現実
「頭のいい人」と聞けば、どんなことでも完璧なイメージがありそうですが、優秀な人なのに、なぜか人に好かれない、コミュニケーション能力が低いことはありませんか?
「話の端々に何かと自慢が入る」とか「上から目線」などが嫌われる原因になっていることもありますが、意外にも「聞き方」が嫌われる理由となっていることもあるのです。
『たった1分で会話が弾み、印象まで良くなる聞く力の教科書』は、早くも5万部のベストセラーになっている
『たった1分で会話が弾み、印象まで良くなる聞く力の教科書』(クリックすると、アマゾンのサイトにジャンプします)
実は、「話の聞けない人」が「頭のいい人」に多く見られます。もしかすると、頭のいい人ほど人の話が聞けないと言ったほうがいいかもしれません。
それは、「頭のいい人」だからこそやりがちな「ダメな聞き方」をしているからです。
ここでは、「頭がいいのに嫌われる人」がやりがちな「ダメな話し方&聞き方」を5つ紹介します
まず、頭のいい人によくありがちなのが、相手の話を「最後まで」聞かずに、自分の意見を言ってしまうことです。
頭の回転が速いのはわかるけど…
【1】相手の話を「最後まで」聞かずに、「自分の意見」を言い始める
A:「最近、苦手でしょうがなかった高校の数学を、思い切って学び直しているんだ。そうしたら微分積分が……」
B:「ははぁ、そこでつまずいたんでしょう。だいたい、微積でわからなくなるパターンが多いんだよね」
頭のいい人は頭の回転が速いので、半分ぐらいまで話を聞いた時点で結末までわかってしまうことがよくあります。
しかし、相手の話を最後まで聞かないのは、早合点や誤解につながってしまうことも少なくありません。
Aさんも「微分積分でつまずいた」のではなく、「実際に勉強してみたら、微分積分が仕事に役立つことに気づいた」ことを言いたかったのかもしれません。
人の話を最後まで聞けないと自分が損をしてしまうかもしれないので、どんな話でも相手の話は最後まで聞き、それから自分の意見を言う習慣を身に付けるようにしましょう。
【2】「上から目線」で相手にアドバイス、説教する
A:「親の介護が始まったのだけど、これがなかなかつらくてさ……」
B:「ああ、介護ね。俺も経験があるのだけど、ひとりで背負い込まないことだね。兄弟で分担したり、サービスを利用したりして、負担を軽くしないと行き詰まっちゃうよ」
介護問題に悩むAさんに、Bさんは自分の経験からアドバイスをしていますが、Aさんは内心、Bさんの「アドバイス」にムッとしています。
Aさんは、兄弟が海外にいて頼れない状況であること、Aさんの親御さんが介護サービスの利用を極端に嫌がることでかなり悩んでいたからです。
Bさんは親切心から言っているのでしょうが、Aさんの心境を酌まずに「上から目線」でアドバイスをしても、Aさんは不愉快になるだけで、逆効果です。
Aさんは、Bさんにちょっとした愚痴を聞いてほしいだけかもしれません。でも、頭のいい人ほど、こういう「上から目線」でアドバイスをしてしまいがちです。
こんなとき、何よりも大事なことは、「そうか、自分も経験があるから気持ちがわかるよ」というように「相手に共感してあげる」ことです。
アドバイスを求められた場合は、つねに相手の事情を斟酌(しんしゃく)しながら、「自分の場合はこうだった」というように、「同じ目線」を心掛けるといいと思います。
次によくありがちなのは、先読みをしすぎて自分で一方的に話をまとめてしまうことです。
自分の意見は「話を最後まで聞いたあと」で
【3】何でも「先読みをして」話をまとめてしまう
A:「この間、不動産屋さんと話したんだけど、これからは首都圏のマンション価格は下がるって……」
B:「ああ、これからは下がる一方でしょう。ただ、コンパクトシティ化が進むと二極分解していくから、人気の物件は値下がりしないと思うけどね」
頭のいい人は、話の途中でその先が読めてしまうので、結末がわかると「自分の話」に持っていこうとします。
そのため、相手の話が終わらないうちに、「はいはい、それはこういうことね」「これは、○○ということでしょ?」と、話の結論を自分で一方的にまとめてしまいがちです。
話の理解が早いことや自分の意見を言うことは悪いことではありません。しかし、相手にしてみれば自分の話を持っていかれてしまうので、言いたいことも全部言うことができず、モヤモヤしてしまいます。
その結果、相手の「話をしたい」という気持ちをそいでしまうことになり、その後の会話が続かなくなってしまうことにもなりかねません。
【4】意味もなく「難解な用語」に言い換える
それから、相手の言葉を難解な用語やカタカナに言い換えてしまうのも、頭のいい人がやりがちなダメな聞き方です。
A:「このポイントを超えると急に消費が高まるんだ」
B:「うん、ここが『閾値』ってことだね」
A:「相乗効果が得られるよね」
B:「ああ、『シナジー』ね」
その用語でなければ話が成立しないとか、ほかの言葉では誤解を招くという状況であれば仕方がないのですが、そうでなければ、わざわざ難しい言葉に言い換えるのは感じがよくありませんね。
また、相手の言葉を「おうむ返し」にしない工夫をするために行っている人もいるかもしれませんが、場合によっては必要以上に「賢さ」をアピールしているような印象にもなりますので、気をつけましょう。
そして頭のいい人に多いいちばんのNGは、相手の話を「否定する」、相手の話に「共感しない」ことです。
何を言っても「でも」「いや」は不愉快
【5】「何かと相手を否定」する、相手の話に「共感」しない
A:「先週末に、話題の『○○(映画)』を観たけど、面白かったよ!」
B:「でも、前評判の割には中身が薄かったよな」
A:「そうかな。ストーリーもよかったと思うけど」
B:「いや、話の展開がすぐに読めたよ」
頭のいい人ほど、相手の話に対して「否定する」ことが多いように思います。
Aさんは、映画が楽しかったことを伝えたいのですが、Bさんは受け入れられないので、どんな言葉に対しても「否定」してしまっています。
これでは会話も弾まないし、不愉快な気持ちになってしまいますね。
もちろん、相手の意見にすべて同意する必要はありません。違う意見をもつこと自体は何も悪くありません。
ただ、自分と違う意見でも、相手を「否定」するか、相手に寄り添って「共感」して聞いてあげるかで、会話の楽しさはまるで違ってきます。
自分を「否定」されると、「話をしたい気持ち」は失せてしまいますし、自分に「共感」しながら聞いてもらえると、話をするのが楽しくなります。
話を「否定する」のではなく「共感する」ことが、話をしていて楽しい人の共通点だと私は思います。
【「優秀なのに嫌われる人」、よくある5大NG】
・相手の話を「最後まで」聞かずに、「自分の意見」を言い始める
・「上から目線」で相手にアドバイス、説教する
・何でも「先読みをして」話をまとめてしまう
・意味もなく「難解な用語」に言い換える
・「何かと相手を否定」する、相手の話に「共感」しない
頭のいい人に限って、相手の言いたいことが整理されていなかったり、論点がハッキリしていなかったりすると、聞きながらすぐにイライラしてしまいます。そして、それは話している側に、おのずと伝わります。
でも、日常会話は「コミュニケーションの場」でもあるので、必ずしも「理路整然とした立派な会話」になってなくてもいいわけです。そうであれば、「相手の話を聞こう」とする姿勢をもったほうが絶対にトクですよね。
その意味で、頭のいい人が「聞く力」を身に付けたら最強だと思います!
魚住 りえ :アナウンサー
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提供元:「優秀なのに嫌われる人」の話し方、5大共通点│東洋経済オンライン