2024.10.28
国がすすめる健康づくり対策とは?~健康日本21(第三次)を優しく解説 第8回
第8回 歯と口腔の健康について
健康状態を改善するための個人の行動目標として、栄養・食生活、身体活動・運動、休養・睡眠、飲酒、喫煙について説明してきました。今回は歯と口腔の健康についてです。
この連載について――――――――――――
2024年から始まっている「健康日本21(第三次)」について、身体活動ガイドラインの策定にも関わられていらっしゃる筑波大学体育系 教授の中田由夫先生に解説していただきます。
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歯と口腔の健康は全身の健康にも!
歯と口腔の健康は、国民が健康で質の高い生活を営む上で重要な役割を果たしているだけでなく、全身の健康にも関係していることが指摘されています。
健康日本21(第三次)で第一の目標として挙げられている「歯周病を有する者の減少」については、歯の喪失をもたらす主な原因疾患であるとともに、糖尿病や循環器疾患等の全身疾患との関連性が報告されています。
歯周炎が顕在化し始めるのは40歳以降と言われており、40歳以上における歯周炎を有する者の割合は現状57.2%で、40%まで下げることを目標にしています。
歯周炎の減少のほか、咀嚼良好者の割合増加も目標に
第二の目標は、「よく噛んで食べることができる者の増加」が挙げられています。咀嚼機能は主観的な健康観や運動機能と関連することが報告されており、高齢者における咀嚼機能の低下は、摂取できる食品群に大きな影響を与えます。
このため、50歳以上における咀嚼良好者の割合を、現状の71.0%から80%に上げることを目標にしています。
そのためには定期検診を!
さらに、定期的な歯科検診による継続的な口腔管理が、歯・口腔の健康状態に大きく寄与することから、「歯科検診の受診者の増加」を第三の目標とし、現状値の52.9%を95%まで上げることを目標にしています。
全ての国民にとって健康で質の高い生活を営む基盤となるのが歯と口腔の健康です。「健口」という言葉もありますので、いくつになっても口の機能が健常な状態を保ちたいですね。
記事提供:株式会社Wellmira
『世界中の誰もが、自然に健康になれる社会を創る』をミッションとし、「テクノロジー・エビデンス・専門家ネットワークを活用し毎日の健康を自然にサポートできる社会システムの構築」を目指しています。
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