2024.10.17
秋の食材「上手に」冷凍保存するちょっとしたコツ|しいたけ・さつまいも・生ざけ…どう冷凍する?
しいたけは冷凍すると、うまみがアップする。軸も捨てずに冷凍する(出所:『ニチレイフーズの広報さんに教わる 食材の冷凍、これが正解です!』)
ようやく涼しくなり「食欲の秋」がやってきました。秋の食材も市場に出回るが、つい買いすぎてしまう人や、まとめて購入し後ほど調理に使いたい場合は冷凍するのがおすすめです。
そこで「2024年度 第11回料理レシピ本大賞 in Japan」料理部門で入賞を果たした書籍『ニチレイフーズの広報さんに教わる 食材の冷凍、これが正解です!』(ニチレイフーズ監修)から一部を抜粋・再編集し、秋の食材の冷凍方法を深掘りします。
(編集部注)保存期間は目安です。まな板や包丁など調理器具の衛生状態や、食材の状態、冷凍庫・冷蔵庫の開け閉めの頻度等、ご家庭の保存状態や季節などにより変わる場合がありますのでご注意ください。
きのこの冷凍方法をチェック
ワザ①まいたけは裂いて冷凍する!
(出所:『ニチレイフーズの広報さんに教わる 食材の冷凍、これが正解です!』)
冷凍まいたけの風味を損なわないためには、「新鮮なうちに」「洗わずに」冷凍することがポイントです。食べやすい大きさに手で裂いて、そのまま冷凍用保存袋に入れ、空気を抜くようにして口を閉じ、冷凍庫へ。
天ぷらや鍋に使う場合は大きめに、汁物や炊き込みごはんに使う場合はやや小さめに裂くとよいでしょう。保存は約3週間。
また自然解凍では水分が出て、味や食感が損なわれがちです。必ず凍ったまま加熱調理しましょう。
ワザ②しいたけの軸は捨てない!
(出所:『ニチレイフーズの広報さんに教わる 食材の冷凍、これが正解です!』)
しいたけは冷凍により旨みがアップするうえ、食感も変わらず、調理の際も味が染み込みやすくなります。
洗うと風味が落ちるので、気になる汚れがあったらペーパータオルで拭いて落としましょう。石づき(軸の下の硬い部分)・軸・かさに切り分け、石づきは取り除きます。
しいたけのかさは丸ごと冷凍用保存袋へ。軸はまとめてラップで包み、かさと一緒に冷凍用保存袋に入れて冷凍しましょう。保存は約1カ月。
しいたけの軸は、歯ごたえがあるため捨ててしまいがちですが、実は旨みも豊富。少量では料理に使いにくいため、しいたけのかさだけ使って軸が余ったら、その都度冷凍用保存袋に入れ、使いやすい量( 6~10個程度)がたまるまでストックするとよいでしょう。
この場合はラップで包まなくても大丈夫。冷凍で約2カ月保存可能です。
料理に使う時は必ず加熱を。凍ったままカットして使用可能なので、スープ・炊き込みごはん・野菜炒め・かき揚げなどの具にも使えます。軸を丸ごとトースターでこんがり焼き、しょうゆをかけて食べるのもおすすめです。
さつまいもは冷凍で煮崩れ・変色防止に
ワザ③さつまいもは生のままカット冷凍
(出所:『ニチレイフーズの広報さんに教わる 食材の冷凍、これが正解です!』)
さつまいもは常温保存だと芽が出たり、冷蔵保存だと黒いブツブツが出たり、意外と保存が難しいのが悩みです。
そのため、劣化する前に切って冷凍するのがおすすめ。まず、たわしなどを使って泥をきれいに落とし、水気を拭き取ってスティック状、いちょう切り、輪切りにします。
切断面が多いスティック状といちょう切りは少量ずつラップで包み、輪切りはそのまま、それぞれ冷凍用保存袋に入れて平らになるように広げ、冷凍庫へ入れましょう。保存は約1カ月。
輪切りは煮物に、いちょう切りはごはんや味噌汁に、スティック状は芋けんぴや大学芋に、それぞれ凍ったまま調理するのがおすすめです。
ワザ④かぼちゃは帰宅後すぐ種とわたを取り除いて冷凍
(出所:『ニチレイフーズの広報さんに教わる 食材の冷凍、これが正解です!』)
かぼちゃは種とワタが傷みやすいので、買ったら即、取り除いておくのが鉄則。日持ちも3~4日程度と短めなので、すぐ使わない場合は冷凍しましょう。
種とワタをスプーンなどでくり抜いた後、余分な水気を拭き取って小さめの角切りや薄いくし形切りに切ります。1回分ずつ小分けにしてぴったりとラップで包み、冷凍用保存袋へ入れましょう。保存は約2週間。
調理する前に事前解凍すると、解凍中に変色が生じるうえ、味や食感が損なわれてしまいます。凍ったまま加熱調理して、食感、味、色の変化を軽減しましょう。
里芋の"面倒臭い"皮むきを解消する
ワザ⑤里芋はラップで包んで冷凍したら皮むきが楽チン
(出所:『ニチレイフーズの広報さんに教わる 食材の冷凍、これが正解です!』)
里芋は毛の流れに逆らうようにして繊維と泥を取り除きながら流水で洗い、水気をしっかりと拭き取ります。
その後、1個ずつラップで包み、冷凍用保存袋に入れて冷凍庫へ。里芋が小さい場合は、2~3個まとめてラップで包んでもOKです。
解凍時はラップで包んだまま電子レンジ(500W)で1個あたり約90秒加熱。上下を返して再度約90秒加熱(時間は目安)。冷めないうちにペーパータオルで包みながら手で皮をむきます。
旬の生ざけも冷凍でおいしくいただく
ワザ⑥生ざけは酒と塩で臭みを抑える
生ざけは早めに下処理することで冷凍後もドリップが出にくく、生臭さを抑えられます。バットにのせて酒と塩を全体にふり( 1切れに対して酒小さじ1、塩ひとつまみが目安)、10分程度置くと、さけの身から水分が出てきます。
生ざけは酒と塩で臭みを抑えましょう(出所:『ニチレイフーズの広報さんに教わる 食材の冷凍、これが正解です!』)
表面に出てきた水分をしっかり拭き取り、1切れずつラップでぴったりと包み、冷凍用保存袋へ。金属製のバットにのせて急速冷凍。
解凍は、冷蔵庫に約1時間30分置いて半解凍するか、電子レンジ(200W)で1切れ(90~100g)あたり約1分加熱して半解凍し、加熱調理。半解凍で加熱する場合は、生のときより火加減を弱くして加熱時間を長くする。
マンネリになりがちな、さけのレシピも下味冷凍でバリエーション豊かになります。必ず「塩ざけ」ではなく「生ざけ」を使用してください。
さけのムニエル
1:生ざけ2切れに酒小さじ2、塩2つまみをふって10分置き、水分をペーパータオルで拭き取ります。
2:塩・粗びき黒こしょう各少々を表面にふりかけ、1切れずつラップで包みます。冷凍用保存袋に入れ、金属製のバットにのせて急速冷凍。3~4週間保存可能。
(出所:『ニチレイフーズの広報さんに教わる 食材の冷凍、これが正解です!』)
3:解凍/調理は、まず冷蔵庫に約1時間30分置いて半解凍するか、電子レンジ(200W)で1切れ(90~100g)あたり約1分加熱し半解凍。
4:水分を拭き取り、さけ2切れの表面に小麦粉大さじ1をまぶします。
(出所:『ニチレイフーズの広報さんに教わる 食材の冷凍、これが正解です!』)
5:フライパンにバター大さじ1を熱し、さけの両面を中火でこんがりと焼きます。仕上げにレモンやバター(1切れにつき大さじ1程度)を添えます。
生ざけの下味冷凍でメーンの一品を
さけの照り焼き
1:生ざけ2切れに酒小さじ2、塩2つまみをふって10分置き、水分を拭き取ります。
2:冷凍用保存袋に「1」とめんつゆ( 2倍濃縮)大さじ3を入れ、袋の空気をできるだけ抜きます。金属製のバットに平らになるように袋をのせ、急速冷凍。3~4週間保存可能です。
(出所:『ニチレイフーズの広報さんに教わる 食材の冷凍、これが正解です!』)
3:解凍/調理の際は、まず冷蔵庫に約1時間30分置いて半解凍するか、電子レンジ(200W)で1切れ(90~100g)あたり約1分30秒加熱して半解凍にし、さけのみ取り出します。
(出所:『ニチレイフーズの広報さんに教わる 食材の冷凍、これが正解です!』)
4:フライパンにごま油大さじ1を熱し、さけの両面を中火でこんがりと焼きます。「3」の袋に残った漬け汁に砂糖小さじ2を混ぜてさけに回しかけるようにしてフライパンへ。スプーンなどで漬け汁をさけの身に絡めながら加熱し照りを出しましょう。
『ニチレイフーズの広報さんに教わる 食材の冷凍、これが正解です!』(KADOKAWA)
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提供元:秋の食材「上手に」冷凍保存するちょっとしたコツ│東洋経済オンライン