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2024.09.24

4000種を知るお米のプロが伝授「注目の品種12選」|オススメなのは山形県「つや姫」だけじゃない!


近年、食材を生かすようなお米も脚光を浴びるようになりました。このようなニーズの変化もあり、これまでさまざまな特徴を持つお米の品種が開発されています(写真:sasaki106/PIXTA)

近年、食材を生かすようなお米も脚光を浴びるようになりました。このようなニーズの変化もあり、これまでさまざまな特徴を持つお米の品種が開発されています(写真:sasaki106/PIXTA)

お米はかつて、政治や経済と密接に関係し、お米を巡って争いやもめ事が起きていました。第二次世界大戦中には、「米穀配給通帳」というお米の配給を受けるための通帳が配られ、これがなければお米を手に入れられないだけでなく、身分証明書の機能も果たしていました。
時代は進み、2024年の今、米不足によりお米の値段が上がり、家計を圧迫しています。そんな状況から、日々のニュースを気にしながら見る方も少なくないでしょう。今も昔も、お米は私たちになくてはならない存在です。しかし、お米について知らないことがたくさんあります。
今こそ知っておきたい「お米の教養」について、4000種以上のお米を食べてきた「おこめ鑑定士」である芦垣裕氏による新著『米ビジネス』より一部抜粋、再構成し、3回にわたってお届けします。
初回の記事では、「押さえておきたい品種」について解説します。

消費者のニーズに合わせて改良

かつて日本人は、お米といえばもっぱら白飯で食べることが習慣化しており、「白飯だけで満足できること」が求められていました。しかし、近年では食材も豊富になり、食材を生かすようなお米も脚光を浴びるようになりました。

このようなニーズの変化もあり、これまでさまざまな特徴を持つお米の品種が開発されています。そこで、お米アドバイザーである私が、ぜひとも押さえておきたい新品種をご紹介します。

4000種以上のお米を食べた私が独断で作成した、「お米食感チャート(記事の最後で紹介)」も参考にしながら、ぜひお気に入りのお米を探索してみてください。

①つや姫

山形県で誕生した「つや姫」は、白飯で食べていただきたいお米として真っ先に挙がるお米です。

お米の粒がキレイで大きく、炊き上がりはその名の通りツヤツヤ。食感も良く、柔らかすぎず粘りすぎずで、現代人にマッチした仕上がりになっています。食べていて飽きず、誰もが美味しいと感じられるはずです。

さらに「つや姫」は、どんな食材にも合う万能タイプのお米になっています。コシヒカリと比べると粘り・柔らかさ・甘味が足りない感じもありますが、逆にさまざまな用途で使いやすいため、普段遣い用として大変扱いやすく、家に常備したいお米です。

最近では山形ブランドのつや姫がメディアで多く取り上げられるので、「つや姫」といえば山形産と思っている方も多いかもしれませんが、今では東北から九州まで広い地域で作られています。

ではなぜ、「つや姫」は全国的に作られるようになったのか。

その理由には、近年の温暖化が進むなかで、夏の高温にも強い特徴を持っていることが挙げられます。「つや姫」は作物としての実力も素晴らしいものなのです。

新潟、福島、秋田の新品種

②新之助

近年、新潟県が力を入れているブランド米が「新之助」です。

コクと甘味とうま味があり、適度な粘りと粒に弾力があるのが特徴的なお米です。夏の暑さにも強く、粒の形のきれいなお米です。

③福、笑い

福島県が開発した新品種で、これから福島県を代表するブランド米になると期待されるのが「福、笑い」です。

大粒で強い甘味とうま味があり、食欲を誘う香りがあります。食感は柔らかく、粘りのあるお米です。

④サキホコレ

秋田県の新品種で、「あきたこまち」に代わるブランド米として注目されているのが「サキホコレ」です。

夏の暑さに強くて現代の気候にもマッチしており、白くてツヤがあり、粒が大きくてふっくらした粒立ちをしています。弾力と粘りが心地良く、甘味の強いお米です。

⑤いちほまれ

「いちほまれ」は、福井県で開発されたこだわりの新品種です。

粒が大きめで絹のような白さとツヤがあり、粒感と粘りのバランスが良く、やわらかい甘味が口の中に広がるお米です。

⑥星空舞

鳥取県の新品種として注目されているのが「星空舞」です。

夏の暑さにも強く、炊き上がりが星のようにキラキラ光ります。粘りも強くて粒感もしっかりあり、食感のバランスがとても良いです。甘味やうま味も強く、冷めても美味しさが持続するお米です。

⑦ひめの凛

みかんのイメージが強い愛媛県でもおいしいお米の新品種が誕生しており、その代表格が「ひめの凛」です。

夏の暑さに強く、収穫量の多いお米で、透明感とツヤのある大粒のご飯になります。華やかな香りとしっかりした噛みごたえがあり、柔らかな甘味が口の中に広がります。

富山、九州方面、関東以西の新品種

⑧富富富

富山県が15年かけて育てた新品種で、「ふふふ」と読みます。

夏の暑さと病気に強く、粒が揃っていて艶やかなお米です。炊いただけで、おいしそうな甘い香りが漂います。うま味も強く、粘りと柔らかさのバランスがとても良いお米です。

⑨なつほのか

主に九州方面の複数の県で作られている美味しい品種の1つに「なつほのか」があります。

なつほのかは、長崎県や大分県、鹿児島県で生産されています。夏の暑さに強く、優しい香りがして、ツヤのある綺麗な炊き上がりになります。優しい甘味とバランスの取れた食感を兼ね備えた万能品種で、いろいろな料理を引き立たせます。

⑩きぬむすめ

関東以西で作られている美味しい品種の1つが「きぬむすめ」です。

「キヌヒカリ」の娘で、夏の暑さにも強く、炊き上がりは白くて艶やかで、甘い香りが漂います。甘味も強く、心地よい柔らかさと粘りがあり、冷めてもおいしいお米です。

⑪にこまる

「にこまる」は、九州農研センターで育成され、関東以西で作られている品種です。夏の暑さに強く、ツヤのある炊き上がりで粘りがあり、やさしい甘味とうま味が特徴的です。

お米コンクールで数々の賞を受賞

⑫いのちの壱

お米のコンクールでも数々の金賞や大賞を受賞しているお米で、岐阜県下呂市の今井隆さんが発見して育成した品種です。「龍の瞳」というブランド名でも売られています。

製造する際には化学肥料を使わず、農薬も極力使わないお米にこだわっています。

粒が大きいのが特徴で、柔らかくも弾力があり、粘りも強いです。甘い香りと甘味、うま味も強いとてもおいしいお米です。一度、食べるとやみつきになる方も多いです。

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いかがでしょうか。

一度にたくさんのお米を食べるのは難しいと思いますので、まずは1つからでも新しい品種にチャレンジいただくことから始めてみてください。

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『米ビジネス』(クロスメディア・パブリッシング) クリックすると、アマゾンのサイトにジャンプします

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平気で「おにぎり」を買う人が知らない残念な真実

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提供元:4000種を知るお米のプロが伝授「注目の品種12選」│東洋経済オンライン

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