2024.06.25
常備すると便利「冷凍ブロッコリー」美味レシピ2選|水っぽさをなくすコツは「凍ったまま、一気に加熱」
今回は冷凍ブロッコリーを使ったレシピ2品を伝授します(以下、写真はすべて筆者撮影)
料理の腕を上げるために、まず作れるようになっておきたいのが、飽きのこない定番料理です。料理初心者でも無理なくおいしく作れる方法を、作家で料理家でもある樋口直哉さんが紹介する『樋口直哉の「シン・定番ごはん」』。今回は冷凍ブロッコリーを使った「ソテー」と「ウフマヨ」です。
『樋口直哉の「シン・定番ごはん」』 ※外部サイトに遷移します
冷凍野菜をおいしく食べるコツ
前回、冷凍そら豆を使った料理(『コンビニの冷凍野菜で簡単・絶品イタリアン作る技』参照)をご紹介しましたが、今回は冷凍ブロッコリーを使った副菜をご紹介します。冷凍野菜のメリットを日本冷凍食品協会のWebページから一部抜粋すると
『コンビニの冷凍野菜で簡単・絶品イタリアン作る技』 ※外部サイトに遷移します
(1)-18℃以下に保たれているため衛生的で、おいしさが長持ちする
(2)保存が利き、買い置きができる
(3)急速凍結で食品の細胞を壊さず、栄養もそのまま
といったところ。注目したいのは③の「細胞を壊さず」という部分。凍結によって細胞が壊れる理由は水が凍ることで大きくなるから。その細胞の損傷を抑えるために発達したのが急速凍結という技術です。
急速凍結とは最大氷結晶生成温度帯、その名前の通り氷結晶が大きくなる温度帯を早く通過させる=急速に凍結させることで、食品細胞へのダメージを最小限に抑えたもの。この技術の登場により冷凍野菜の品質は飛躍的に向上しました。
前回、生鮮野菜と冷凍野菜は別の食材と述べましたが、あいかわらず冷凍野菜には「水っぽくてやわらかい」仕上がりになりがち、というイメージがあります。
その理由としては保管温度が高かったり、スーパーで買ってから家に帰るまでのあいだに一度溶けかかってしまっていたり……といろいろ考えられますが、一番大きい要因は「解凍方法および調理工程」にあります。冷凍野菜をおいしく食べられるかどうかはわれわれ次第、というわけです。
ブロッコリーのソテーの材料(1〜2人分)
冷凍ブロッコリー 140g
キャノーラ油 大さじ1
にんにく 1片
赤唐辛子 1/2本
エクストラバージンオリーブオイル 小さじ1
塩 ひとつまみ
冷凍ブロッコリーは事前に加熱されているので、自然解凍でも食べること自体は可能ですが、緩慢解凍にともなって氷結晶が大きくなり、細胞が壊れるため、水っぽくなりがち。そのため、おすすめしません。
レシピににんにく1片とある場合の目安量は5g程度です
では、レンジ解凍はどうでしょうか。電子レンジは凍った食品を加熱するのは苦手。加熱時間がかかるので、やはり適切ではありません。
おすすめの調理法は凍ったまま、一気に加熱すること。今回は蓋ができる鍋で油を使って加熱しましょう。余計な水分が飛び、味が濃縮します。
蓋ができるフライパンか鍋に、キャノーラ油と皮を剥いて潰したにんにくを入れ、中火にかけます。泡が出てきたら弱火に落とし、うっすらと色づくまで加熱を続けましょう。オリーブオイルを使ってもいいのですが、今回はコストを考慮し、キャノーラ油を使用しています。
焦げないように注意
ここで植物性の油について復習しておきましょう。植物油は一価不飽和脂肪酸であるオレイン酸、オメガ6系の多価不飽和脂肪酸であるリノール酸、オメガ3系の多価不飽和脂肪酸であるα-リノレン酸で構成され、主にそのバランスで性質が決まります。オリーブオイルが加熱に適している、とされるのは酸化に強いオレイン酸が76%を占めているからです。
一方、オリーブオイルにはコストが高いという側面もあります。そこで代用として挙げられるのがキャノーラ油です。
キャノーラ油は一般的なサラダ油の主原料の一つですが、オレイン酸の割合が65%と比較的高く、加熱に強いからです。ただし、キャノーラ油にはオリーブオイルの香りはありません。ここでは仕上げにエクストラバージンオリーブオイルを振りかけることでそれを補っています。
にんにくが色づいてきたら赤唐辛子、凍ったままの冷凍ブロッコリーを一気に投入します。
一気に加えると鍋の表面温度が下がるので油ハネも防げます
蓋をして4分加熱します。
蓋がなければ皿でも代用できます
4分経ったら蓋を開け、火加減を中火に戻して、ブロッコリーを裏返しながら1〜2分ほど加熱します。にんにくは焦げやすいのでブロッコリーのうえに避難させましょう。好みですがほんのりと焦げ目をつけてもおいしいです。火が通ったら塩ひとつまみで味付けします。
赤唐辛子は好みで増やしても
お皿に盛り付けて、エクストラバージンオリーブオイルをふりかけます。
熱々でも、常温でもおいしい料理です
軽く冷やした白ワインがあう前菜です。仕上げに粉チーズを振ってもいいでしょう。
出来上がり。ブロッコリーに歯ごたえが残っています
昔、冷凍ブロッコリーは加熱するとクタクタになってしまうのでフォークで潰したり、ホワイトソースやチーズとあわせてグラタンにする、というのが定番でしたが、最近はぐっとおいしくなりました。付け合わせやもう一品というときに冷凍庫に常備しておけばすぐにつくれる料理なので覚えておくと便利です。
ゆで卵とマヨネーズでフランス料理にアレンジ
ブロッコリーのソテーのアレンジに「ブロッコリーのウフマヨ」はいかがでしょう。ウフマヨとはゆで卵にマヨネーズをかけたフランス料理の前菜。そこにブロッコリーのソテーを付け合わせます。
ブロッコリーのウフマヨの材料(2人分)
卵 2個
ブロッコリーのソテー 全量
マヨネーズ 大さじ2
牛乳 大さじ1
ゆで卵をつくります。底に穴か、ヒビを入れた卵を熱湯に入れ、弱火で6分ボイルします。
冷水にとって冷まし、殻を剥きます。マヨネーズを牛乳で溶いて、ゆるめておきます。
水にとって冷ますと殻が剥きやすくなります
マヨネーズソースも準備しておきましょう
お皿にブロッコリーのソテーを敷き、卵をのせます。
にんにくは好みで外してください
マヨネーズソースをたっぷりとかけたら出来上がり。
黒こしょうやピンクペッパー、山椒などを振るとアクセントがつきます
マヨネーズと卵、マヨネーズとブロッコリーの相性はいわずもがな。ウフマヨ自体はシンプルな前菜で、卵も冷凍ブロッコリーも原価自体は低い食材ですが、2つをあわせることで豪華さがでます。
マヨネーズに刻んだアンチョビを混ぜるとさらにリッチな味わいになります
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提供元:常備すると便利「冷凍ブロッコリー」美味レシピ2選|東洋経済オンライン