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2024.06.06

モヤモヤした気分を劇的に変える「和の習慣」6つ|仏教から学ぶリフレッシュ法・ストレス対処法


自分に起きる問題は、たいていの場合、なんとかなります。なんとかなるか、ならないかは、気の持ちようで決まる、ということです(写真:Fast&Slow/PIXTA)

自分に起きる問題は、たいていの場合、なんとかなります。なんとかなるか、ならないかは、気の持ちようで決まる、ということです(写真:Fast&Slow/PIXTA)

怒り、焦り、嫉妬、不安、後悔……マイナス感情というのは、自然と湧いてくるものであり、それを止めることはできない。けれどもその感情をいつまでも「引きずる」のはよくない――。

新著『仕事も人間関係もうまくいく引きずらない力』では、禅僧であり、世界的な庭園デザイナーであり、ベストセラー作家でもある枡野俊明さんが、禅には、「引きずらない力」を磨き、日々を明るく、たくましく生きるためのヒントがたくさんある、と説きます。

本稿では、同書から一部を抜粋してお届けします。

『仕事も人間関係もうまくいく引きずらない力』 クリックすると、アマゾンのサイトにジャンプします

何か大変な問題が起きたときは

楽観的にゆく――「まぁ、どうにかなるさ」と考える

何か大変な問題が起きたとき、悩んだり、心配したり、いくらジタバタしてもムダです。なんとかならないものはなりません。

しかし自分に起きる問題は、たいていの場合、なんとかなります。

矛盾するようですが、なんとかなるか、ならないかは、気の持ちようで決まる、ということです。では具体的に、どのように気持ちを持っていけばいいのか。

まず「なんとかしよう」という思考をストップさせます。それにより、「どうしてこうなったんだ」とクヨクヨしたり、なんとかせねばとあわてたり騒いだりするジタバタも止まります。

そうして心が落ち着いたら、前を向いて大きな声でいいましょう。「なんとかなるさ」――と。

あとはクリアになった頭で、少しでも事態がよくなるよう、できる限りのことをするのみ。努力を続けていれば、やがて起死回生の機は熟します。

仏教流にいえばそれは、「努力という因が、チャンスという縁を結ぶ」ということです。何があっても楽観的に前を向いて努力すれば、必ずチャンスをつかめます。

物欲は際限なくふくらむ

欲を“厚着”すればするほど、心は寒くなる

物欲というのは、放っておいたら際限なくふくらみます。決して満足せず「もっと、もっと」と新しい物を欲しがるのです。お釈迦さまもこういっています。

「執着の強い人は、ヒマラヤの山を黄金で埋めても、まだ満足しない」

たしかに物欲で“着ぶくれ”しているような人は相当数います。けれどもどこまで“欲の厚着”をしても満たされないとは、なんと心が貧しいことでしょう。

同じくお釈迦さまは、ご臨終を迎える最後の教えとされる『遺教経(ゆききょうぎょう)』という長いお経のなかで、こう書かれています。

「知足の人は地上に臥(ふ)すといえども、なお安楽なりとす。不知足(ふちそく)の者は、天堂に処すといえども、また意にかなわず。不知足の者は富めりといえどもしかも貧しし」

つまり、「いまのままで十分だと思っている人は、暮らしぶりがどうであろうとも心は豊かである。一方、どこまでも満足できない人は、どんなにぜいたくな暮らしをしていても心は貧しい」ということです。

「知足」に幸福感を見いだしたとき、すっきりとした心で生きる日常が手に入ります。

「ほどほど」を心がける――現代人は何事も「やりすぎ」ている

仏教は「中道の精神」を重んじます。「何事も極端に偏ってはいけない。ちょうど真ん中くらいのところを意識しなさい」と説いています。

翻って現代人はどうでしょうか。働きすぎ、食べすぎ、買い物しすぎ……何かにつけて「やりすぎる」傾向があると見受けます。

たとえば働きすぎがたたって、体調を崩したり、心の病になったりする人が増えています。また食べすぎ、飲みすぎがたたって生活習慣病を招く人がなんと多いことか。

そんなふうに心身の健康を損なわないためには、「もう少しがんばれるけど……」と物足りなく思うくらいで、がんばるのをやめるのがちょうどいい。

心身の不調を感じている人はとくに、何かの「やりすぎ」を疑ってみてください。それで「少し偏っている」と感じたら、自分自身に、「ほどほどに。ほどほどに」と声をかけましょう。

そうして「やりすぎ」を抑えながら、「ほどほど」の感覚がつかめれば、心身に負担をかけてがんばりすぎることがなくなります。

休憩時間には自然に身を置こう

四季を感じる――自然がストレスを“無毒化”してくれる

人間は古来、自然の摂理に沿って生きています。人間もまた自然の一部だからです。

けれども文明の発展とともに自然が破壊されてきたことで、とくに都会の現代人は多くが自然と切り離された人工的な世界に暮らしています。それが1つの大きなストレスになって、心身の不調を引き起こしているように思えてなりません。

私たちはみんな“自然児”であることを再認識しましょう。そして休憩時間や休日には、四六時中空調のきいた部屋を飛び出し、自然に身を置くよう努めましょう。

都会であっても、一歩外に出れば、自然が息づいています。確実に春夏秋冬がくり返されています。

冬は寒さを、夏は暑さを、秋は涼しさを、春は温もりを体で感じることができます。移ろう四季を映す草木や花々に心が癒やされます。みるみる生気が漲ってくることでしょう。

自然には、私たち人間が日常的にため込んでいるストレスを吸収し、“無毒化”してくれる作用がある。オン・オフを切り替える機能がある。日々、自分のお寺を含むさまざまな庭で長い時間を過ごす私は、そう実感しています。

坐禅を組んでみる――心身の最高のリフレッシュ法

私たち禅僧は日常的に坐禅をしています。坐禅は心を落ち着けたり、精神を鍛えたりすることができる最善の修行。だからこそ一般の人にも、坐禅習慣を持つことをおすすめしたいのです。

坐禅は「調身(ちょうしん)・調息(ちょうそく)・調心(ちょうしん)」といって、姿勢と呼吸と心を整えることを重視しています。

「調身」とは、横から見て背骨がS字を描き、尾てい骨と頭のてっぺんが一直線になるよう、姿勢を正して座ること。また「調息」とは、1分間に3~4回程度のゆっくりとした呼吸をすること。

この「調身」「調息」がうまくできれば「調心」、心が自然と整います。できれば坐禅会などに参加し、正しいやり方を覚えてください。

そうして朝晩2回、10分でいいから、坐禅の時間を持つといい。朝は心身の緊張がほぐれて自然と“活動モード”に入れます。夜は悩みや不安が消えてぐっすり眠れます。

また仕事に行き詰まったり、少し疲れたりしたときなども随時、1人になれる場所を見つけて、坐禅をしてみてください。心身がリフレッシュされ、オン・オフのいい切り替えになります。もちろん仕事効率も上がります。

今日1日を無事に過ごすために

朝晩、手を合わせる――自分と向き合う時間を持ちたい

坐禅と合わせて朝晩の習慣にしていただきたいことがあります。それは仏壇などの前で「手を合わせる」ことです。

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私は朝一番にお湯をわかし、香り高いお茶を入れて、「今日一番のお茶ですよ」とお供えします。そして仏さまに手を合わせ、心のなかでこんなふうにお話しします。

「今日も無事、朝目覚めることができました。ありがとうございます。今日はこういう予定があって、こんなことをしようと思っています。がんばります。どうか1日を無事に過ごせるようにお守りください」

こういうひとときを持つと、心が整理され、今日1日に向かう元気が出てきます。

また夜寝る前も、同じように、「おかげさまで無事に1日を終えることができました。見守ってくださり、ありがとうございました」などと話します。

いまは仏壇のない家庭も多いかと思いますが、部屋の一角に仏像や故人の写真を飾るなどして、仏さまと心の交流をする空間を設けてはいかがでしょうか。朝晩手を合わせるこの習慣を持つことにより、心健やかに1日を過ごせます。

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【あわせて読みたい】※外部サイトに遷移します

仕事や人間関係で「引きずらない」ための"思考法"

「メンタルが安定しない人」が言いがちな言葉4つ

「自己肯定感が低い人」が見落としている視点

提供元:モヤモヤした気分を劇的に変える「和の習慣」6つ|東洋経済オンライン

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