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2024.05.17

「バナナの食べ方ひとつ」で"疲れた脳"は回復する|動作を「ゆっくり」にすると、人間関係も変わる


自分で自分を肯定し、他人を思いやる心の余裕を生むための、簡単なワークをご紹介します(イラスト:『「心の勢い」の作り方』より)

自分で自分を肯定し、他人を思いやる心の余裕を生むための、簡単なワークをご紹介します(イラスト:『「心の勢い」の作り方』より)

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「先延ばし」は多くの人にとって悩みの種です。

「とにかく1分だけやる」「作業をできるだけ小さく分けてやる」「ご褒美を用意する」

「先延ばし」を克服する本や、コツは世の中にあふれていますが、そのコツさえ実行するのを先延ばしにしてしまう!
そんな方が多いのではないでしょうか。

そんな「ずぼら」だけど、変わろうとしている「マジメ」な人のために、禅という新たな視点から行動する技術をまとめたのが新刊『クヨクヨしない すぐやる人になる 「心の勢い」の作り方』です。

著者である禅僧・精神科医の川野泰周氏と経営コンサルタントの恩田勲氏によると、マインドフルネスのルーツである禅には、「心を落ち着かせる」要素だけではなく、「心を勢いづける」モメンタムの要素も多く含まれていると言います。

「締め切り前のレポート執筆」「転職」「結婚」など、心に勢いがあるとき、人は超行動的になります。そんな「心の勢い=モメンタム」を意図的に作り出す方法を紹介いたします。

以下では、「自慈心」について解説します。

『クヨクヨしない すぐやる人になる 「心の勢い」の作り方』 ※外部サイトに遷移します

マインドフルネスで人間関係まで改善する

「瞑想をするようになって、人間関係が改善した」

「人と衝突することが少なくなった」

そんな声まで、よく聞きます。ここまで挙げてきたように、瞑想の効果はさまざまです。

集中力を取り戻し、創造力を高め、仕事力がアップする。

要するに、すぐ行動できる準備が整う。

これがどうして、人間関係を改善するのでしょうか?

ここには「自慈心(じじしん)」が関わっています。

自慈心とは、マインドフルネスによって養われる 「ありのままの自分を肯定し、慈しむ」 という心のありようで、欧米では「セルフ・コンパッション」と呼ばれます。

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『クヨクヨしない すぐやる人になる 「心の勢い」の作り方』 クリックすると、アマゾンのサイトにジャンプします

近年では心理学的な研究も進められ、セルフ・コンパッションが高い人はさまざまな疾病のリスクが低いこと、そして「幸せである」という感覚が増大することが明らかになっています。

自慈心を理解するため、もう一度、瞑想についておさらいしましょう。

集中するだけが瞑想ではない

瞑想は「今、この瞬間」の感覚に意識を向けることから始めます。

これにより、マインドワンダリングは止まり、私たちの行動を妨げるネガティブな想念もリセットできる。

自然に、心がポジティブになる。

ここまではおわかりいただけたと思います。

しかし、マインドフルネスには、その先があります。

私も会員として所属する日本マインドフルネス学会は、マインドフルネスを次のように定義しています。

「今、この瞬間の体験に意図的に意識を向け、評価をせずに、とらわれのない状態で、ただ観ること」

ところで、マインドフルネスの瞑想には、「1つの感覚に注意を集中させる瞑想」の他に、「注意の範囲を自在に広げて、あるがままに観察する瞑想」 もあります。

脳科学的にいえば、前者は、これまで解説してきた「1点に意識を集中させる」瞑想です。

頭のモヤモヤを「止める」瞑想であり、集中瞑想(フォーカスト・アテンション)とも呼ばれます。

後者は、「注意を自分の周囲へとひろげていく」瞑想です。

これは「観察する」瞑想(オープン・モニタリング)ともいわれます。
もとは仏教瞑想の世界でこの2つが区別されてきた背景を有しています。

ブッダが実践した瞑想修行を、そのままの形で伝承してきたとされる上座部仏教(タイやミャンマー、ラオス、スリランカなど南方系の伝統仏教)の世界では、前者をサマタ瞑想、後者をヴィパッサナー瞑想と呼んでいます。

2つは別物といいながら、しかし連続性があります。

意識を集中させる瞑想を生活のなかで習慣的に実践してゆけば、脳はフォーカスト・アテンションからオープン・モニタリングへと切り替わり、自然と意識が外の世界に向かうようになるからです。

呼吸瞑想をしていてもそうです。

「今、この瞬間」の呼吸に意識を向けると、心が静かになります。

そのまま続けていると、「足の裏がかゆいな」とか「外を車が走っているな」とか「あのメール、早く返信しないとな」などと、さまざまな雑念が湧いてくるでしょう。

これはサマタ瞑想中に雑念が生じた状態です。

自分の心をコントロールしてはいけない、観察する(イラスト:『「心の勢い」の作り方』より)

自分の心をコントロールしてはいけない、観察する(イラスト:『「心の勢い」の作り方』より)

はじめのうちは、基本的にそうした雑念に対しては、「呼吸に注意を戻す」ことで対処するのがサマタ瞑想です。

ところが、こうした瞑想を日常的に取り入れてゆくなかで、あるときふと 「今、呼吸を感じながらも、外の世界のいろいろな物事を同時に認識できているな」 という状態が惹起されることがあるのです。

コントロールすることを手放す

サマタ瞑想から、ヴィパッサナー瞑想に切り替わった瞬間と考えられます。

ただしこうした変化は、ただサマタ瞑想だけを延々と続けるスタイルではなかなか得られないと考えます。

例えば、人里離れた山中でひたすら瞑想を続ける仙人のように、外的環境との接点を断って自らの瞑想に没入するだけでは、どこまでもサマタ瞑想のままなのではないでしょうか。

しかし、禅の修行はそうではありません。

確かに坐禅をしているときにはサマタ瞑想の状態が想定されますが、禅の暮らしにおいてはすべての生活行為を修行として扱います。

仲間たちと励まし合いながら日々暮らし、作務に打ち込んだり、市中に出て托鉢をしたりと、社会との関わりが少なからず生まれる。

そうした暮らしの中で禅の実践を続けることによって、次第にヴィパッサナー瞑想の状態に切り替わることを助けているのではないかと、私は考察しています。

そしてヴィパッサナー瞑想を続けた先に待っているのは、「自慈心」に満ちた心のありかたです。

雑念は「消さないといけない」訳ではない

雑念というと「消さないといけないもの」というイメージがありますが、本来の瞑想は、雑念をそのまま受け入れ、「雑念が浮かんでいるな」と感じるだけでよしとします。

呼吸も、普段通りの呼吸を「観察」するだけにし、コントロールしません。

まさしく 「評価や価値判断をせずに、ただ観る」 のです。

言い換えれば、あらゆる執着、こだわりから解放されて、ありのままの自分を、ただ受け入れること。

これが「ありのままの自分を受け入れる」「ありのままの自分を肯定し、慈しむ」心のありようを養います。

自慈心こそ、あらゆる人間関係の基礎となるものだということだけ、覚えてくださったら嬉しく思います。

自分を肯定する力=自慈心があれば心が静かになる(イラスト:『「心の勢い」の作り方』より)

自分を肯定する力=自慈心があれば心が静かになる(イラスト:『「心の勢い」の作り方』より)

自慈心がないままに他人に関わると、どうしても他人と自分を比較してしまい、卑屈になったり、他人を攻撃したり、他人の評価を気にしたりします。

でも自慈心があれば、自分で自分を肯定でき、他人を思いやる心の余裕も生まれます。

自慈心は、人を優しくするのです。

そんなマインドフルな状態になり、心の余裕を生むための簡単なワークを紹介します。

ナイフとフォークでバナナを食べる

普段何気なくしている所作を、心を込めて丁寧に行うことで、マインドフルな状態に近づいていきます。

では、「心を込めて丁寧に」とは、具体的にどういうことでしょう。

さまざまな考え方がありますが、1番簡単なのは「ゆっくり時間をかける」ということだと思います。

例えば、亀になったつもりで、1つずつの動きを極端に遅くしてみるのです。

指先にまで意識が行き渡り、「今、この瞬間」に身体がどのように動いているのか、感じることができます。

あるいは、いつもはお箸で食べているものを、あえてナイフとフォークをつかう、というのはいかがでしょう。

例えば、バナナといったら普段はまるかじりです。

心を込める間もなく、一瞬で食べ終わってしまうことでしょう。

しかし、ナイフとフォークを渡されたら、そうはいきません。

「どうやって皮を剥いたらいい?」

「フォークで口まで持っていきやすいサイズは?」

などと考えながら食べていると、誰もが丁寧に、スローにならざるをえない、というわけです。

実は、かつて私が通った小学校では、バナナはかぶりつかずに、ナイフとフォークで食べる決まりがありました。

今思えば、マインドフルな食事法を知らないうちに実践していたのかもしれません。

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【あわせて読みたい】※外部サイトに遷移します

日本人に多い「腸を汚すフルーツの食べ方」4大NG

平気で「食パン」を買う人が知らない超残念な真実

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提供元:「バナナの食べ方ひとつ」で"疲れた脳"は回復する|東洋経済オンライン

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