2024.04.08
「わかってるけど動けない」超損する"3大NG"思考|「氷1つ」で脳を整える"考えすぎ"防ぐ簡単コツ
心に勢いがあるとき、人は超行動的になります。そんな「心の勢い=モメンタム」を意図的に作り出す方法を紹介いたします(イラスト:坂木浩子)
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「先延ばし」は多くの人にとって悩みの種です。
「とにかく1分だけやる」「作業をできるだけ小さく分けてやる」「ご褒美を用意する」
「先延ばし」を克服する本や、コツは世の中にあふれていますが、そのコツさえ実行するのを先延ばしにしてしまう!
そんな方が多いのではないでしょうか。
そんな「ずぼら」だけど、変わろうとしている「マジメ」な人のために、禅という新たな視点から行動する技術をまとめたのが新刊『クヨクヨしない すぐやる人になる 「心の勢い」の作り方』です。
著者である禅僧・精神科医の川野泰周氏と経営コンサルタントの恩田勲氏によると、マインドフルネスのルーツである禅には、「心を落ち着かせる」要素だけではなく、「心を勢いづける」モメンタムの要素も多く含まれていると言います。
「締め切り前のレポート執筆」「転職」「結婚」など、心に勢いがあるとき、人は超行動的になります。そんな「心の勢い=モメンタム」を意図的に作り出す方法を紹介いたします。
以下では、「動けない人の思考」について解説します。
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「動けない人」の脳に隠れているもの
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「朝、起きたけどベッドから出られない」
「しなくてはいけない電話をまだかけられていない」
「提出しなくてはいけない書類を出せていない」
そんな自分にイライラしながら、それでも動けないときがあります。
「やらなきゃいけない」けど「やりたくない」。
そんな「動けない」状況にいるとき、私たちの頭はどのような状態になっているのでしょうか。
記事の最後に「行動できない人」のためのワークも紹介しますので、ぜひお読みください。
今回は「動けない」人が陥っている典型的な3つの考え方をご紹介します。
行動できない人が陥りがちな3大思考
パターン(1)「だるい、面倒くさい、気乗りしない」→ 脳が疲れている
強烈なストレスにさらされている現代人は、身体だけでなく「脳」も疲れています。
身体の疲れは、1〜2日休暇をとり、リラックスを努めれば回復するかもしれませんが、頭はスッキリしないままです。
「なんだか仕事が手につかない、集中できない」
「朝からだるい、やる気が出ない」
「夏までにダイエット! でも、明日からでいいか……」
どれも、脳の疲れのせいである可能性があります。
パターン(2)「でも」「だって」「どうせ」→ ネガティブな想念が邪魔をする
仮に、「やりたいこと」や、「やらなくてはいけないこと」が目の前にあっても、まっすぐ行動に移せるとは限りません。
「でも……だって……どうせ……」と言い訳をして、行動を先延ばしにした経験は誰しもあるでしょう。
立派な夢や目標が胸にあっても、「はじめの一歩」を踏み出せないまま、何年も過ぎてしまうことだってあります。
そのとき、行動の邪魔をしているのは、
「どうせうまくいかない、失敗する」
「こんなお願いして、断られるに決まってる」
「人と違うことをしたら、目をつけられる、批判される」
といった、ネガティブな想念なのではないでしょうか。
ビジネスの世界では、まだ何もやっていないのに心配や不安など否定的な幻想を抱いてしまうことを、「ネガティブファンタジー(否定的幻想)」 と呼んだりします。
「もっとポジティブにならなくては」と意識してみたところで、気持ちが切り替わるものではありません。
むしろ、考えたくないものほど考えるようにできているのが、人間の脳です。
ネガティブな想念を消そう消そうと努力しても、ますます不安になっていくのが「心のルール」 なのです。
他人の目には「性格がこじれている」人のようにも見えるかもしれません。
未来のことを必要以上に案じ、過去の失敗には引きずられ、目の前の事実をありのままに捉えることができない。
これでは、本来楽しいことも心から楽しめないでしょう。
パターン(3)「失敗したらどうしよう……」 →自信を持てない
生まれついての自信家に見える人もいるかもしれませんが、多くの場合、その自信は幼い頃から積み重ねた小さな成功体験に裏付けられています。
例えば、親に褒められながら育つと「自分はできるんだ」という、健全な自己肯定感が育ちますし、うまくいかないことがあっても「そういうこともあるさ」と楽観していられます。
同様に、「失敗するかも……」といったネガティブな想念にも裏付けがあります。
一度の大失敗で自己肯定感を失う人もいますが、影響が大きいのはやはり幼い頃から積み重ねてきた経験です。
親の指示に従わないと叱られた、努力したのに先生に褒めてもらえなかった、挑戦しようとしたのに同級生からバカにされた。
そんな経験を積み重ねた人が行動をためらうのも、無理はありません。
何かしようとするたびに、「また失敗したらどうしよう」とビクビク。
あるいは「行動しても何も変わらない」「成功すれば疎まれ、失敗すれば非難される」などなど、行動しない理由ばかりが頭をよぎります。
脳の考えすぎをどう止めるか?
どのパターンもネガティブなことを考えすぎてしまい、行動するのにブレーキがかかってしまっている状態です。
では、この「考えすぎ」な状態をどうしたらいいのでしょうか。
カギとなるのは「注意容量を奪う」ことです。
人間の心は「考えてはいけないと意識するほど、かえって考えてしまう」性質を持っています。
「ネガティブなことを考えてはいけないから、考えないようにしよう」と思っても難しいのはそのためです。
考えまいとするほど、考えてしまうのが人間の定め。
ただ、人間が何かに向けていられる注意の量には限りがあります。
ならば注意容量を使い切ってしまえばいい。
そこでマインドフルネスです。
マインドフルネスによって「今、この瞬間」に意識を向け、注意容量を使い切れば、他のことは何も考えずにすみます。
何か行動しようとして、ネガティブな思考が出たらマインドフルネス瞑想を行ってください。
ネガティブな思考がグンと減り、行動しやすくなることに気がつくと思います。
脳のブレーキを外すユニークなワーク
「いつでもどこでも」実践できる瞑想として、どなたにもおすすめできるのが、呼吸瞑想です。
なんとなく疲れたな、何かしようにも気が乗らないなというときに、試してみてください。
ここではイスに座った状態で行う呼吸瞑想を紹介します。
マインドフルネス呼吸
(1) 両足を少し開き、イスに座ります。頭の上から1本の糸で吊られているようなイメージで、背筋を伸ばします。
(2) 3回ほど大きく深呼吸します。新鮮な空気を胸いっぱいに吸い込み、自然に吐き出します。
(3) ここから先は意図的に呼吸をコントロールせず、自然な呼吸に任せて、ただ鼻を出入りする空気の流れを観察します。
呼吸をコントロールしようとせず、ありのままの呼吸を感じる(イラスト:『「心の勢い」の作り方』より)
瞑想のポイントは 「観察」 です。「深く息を吸おう、長く吐こう」などと細かく考える必要はありません。
呼吸をコントロールしようとせず、ありのままの呼吸をただ感じること。スースーと鼻を出入りする空気に意識を向けるのが手軽です。
文字通り 「一息いれる」だけで、脳の疲れがとれるのを実感できる人もいると思います。もちろん、気持ちよいと感じられるなら、5分、10分と続けるのも、OKです。
またもう一つ、変わり種の瞑想として、手のひらサウナもおすすめです。
「氷を1つ」使って心を整える
小さく整う「手のひらサウナ」
一般的なサウナも「身も心も整う」と人気です。
サウナで身体を温めてから、水風呂で冷やすと、モヤモヤしていた脳がスッキリ。実にマインドフルです。
サウナに出かける時間すらない、という人には、こんなワークをおすすめします。
(1)氷を一つ、手のひらに乗せ、ぎゅっと握ります。
(2) あまりの冷たさに手が痛くなってきますが、できるだけ頑張ります。
(3) 「もう限界」というところで氷を離し、濡れた手をふいてから、胸に手をあててください。
(4) 胸は冷たいのですが、手はぽかぽかと温かくなっていきます。 手の温かさと、胸の冷たさに、意識を向けましょう。
サウナに出かける時間がないという人にオススメのワーク(イラスト:『「心の勢い」の作り方』より)
原理としては「サウナ→水風呂」とまったく同じです。極端な熱さ、冷たさに意識を向けることで注意容量を消費し、頭のモヤモヤを止めることができます。
名付けて、「手のひらサウナ」です。
『クヨクヨしない すぐやる人になる 「心の勢い」の作り方』では、脳を整え、行動力を上げるワークを多数紹介しています。併せて、試してみてください。
もちろん、時間と気持ちに余裕がある方は、ホンモノのサウナへどうぞ。
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提供元:「わかってるけど動けない」超損する"3大NG"思考|東洋経済オンライン