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2024.03.10

【医師監修】目がかすむのは糖尿病網膜症が原因かも?~症状や治療まで解説~


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当記事は、内科認定医・糖尿病専門医 古賀 萌奈美先生にご監修いただきました。 ※外部サイトに遷移します

執筆はライター 松原知香(管理栄養士)が担当しました。 ※外部サイトに遷移します

*シンクヘルスブログ監修・執筆者情報一覧はこちらをご覧ください ※外部サイトに遷移します

『最近目がかすんで物が見えにくい』
『目に白いモヤがかかったように見える』

このようないわゆる「目のかすみ」の原因はさまざまですが、その1つに糖尿病性網膜症が隠れている可能性もあります。放置すると失明につながるため、早期に治療を開始することが重要です。

そこで今回は、目のかすみと糖尿病網膜症について、症状や治療法をわかりやすく解説します。

とくに糖尿病と診断されてから10年以上など、長く糖尿病に罹患している方は要注意なので、ぜひ最後までご覧ください。

糖尿病網膜症とは

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糖尿病網膜症は糖尿病における合併症の1つです。高血糖の影響で、目の網膜にある細い血管がダメージを受けることで発症します。

糖尿病の合併症には網膜症の他に神経障害・腎症があり、これらは糖尿病の三大合併症といわれています。

糖尿病網膜症になる方は、糖尿病と診断されてから10年以上など長く糖尿病に罹患されている場合が多いです。

参考記事:【医師監修】糖尿病の合併症についてまとめました〜発症の順番や予防法も紹介〜 ※外部サイトに遷移します

初期症状はほとんどない

糖尿病網膜症の初期は症状がほとんどないため、網膜症になっていると気づきにくいのです。

網膜症に限らず、合併症の症状は糖尿病の病状がかなり進行してからあらわれることが多いため、気づいた時には手術など大がかりな治療が必要となるケースも少なくありません。

進行の段階と症状

糖尿病網膜症の進行は3段階に分類できます。それぞれの段階であらわれる特徴や症状とあわせて、下記の表にまとめました。

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(※)飛蚊症とは、黒いゴミのような物が見える状態

目のかすみは「前増殖網膜症」から

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目の前が霧がかったように見える「目のかすみ」は、糖尿病網膜症の第二段階である前増殖網膜症からあらわれます。

しかし症状には個人差があるため、前増殖網膜症の段階まで進んでいても、目のかすみなどの症状がない方もいらっしゃいます。

放置すると失明の可能性も

糖尿病網膜症に気づかず病状が進行してしまうと、最悪の場合失明する可能性があります。

しかも、日本における失明の原因として第3位に糖尿病性網膜症があげられるように、決して珍しいケースではないのです。

病状の進行を止めて失明を避けるためにも、1年に1回は定期的な眼科検診が必要となります。

検査と治療

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糖尿病網膜症は眼底検査を行い、病状の確認を行います。眼底とは目の奥のことで、暗い部屋で片目ずつ光を当てて撮影し、網膜や血管、視神経の状態を調べる検査方法です。

また、治療は血糖管理・レーザー治療・手術などですが、先ほどご紹介した糖尿病網膜症の進行段階によって、優先する治療法が異なります。

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単純網膜症の段階では、糖尿病治療の基本である血糖管理が中心です。さらに、場合によっては網膜の血管を広げる薬を服用し、血管の詰まりをおさえます。

一方、前増殖網膜症や増殖網膜症のように病状が進行している場合は、新生血管の出現が始まっているのでレーザー治療や手術を優先的に検討します。

良好な血糖管理で進行は止められる

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単純網膜症のように初期の段階で治療を開始すれば、血糖管理によって進行を止められる可能性もあるのです。

もちろん、病状が進行しても基本となる血糖管理は続ける必要があります。

定期的な眼科受診で早期発見

症状の有無に限らず、糖尿病と診断されたら定期的に眼科を受診するとよいでしょう。

冒頭でもお伝えした通り、糖尿病網膜症の初期は自覚症状がないため、気づいた時には病状が進行しています。

早期に発見して治療を開始することで、重症化の予防につながるのです。

まとめ

糖尿病に長く罹患している方が目のかすみを感じた場合は、糖尿病の合併症である糖尿病網膜症の可能性があります。

糖尿病網膜症には単純網膜症・前増殖網膜症・増殖網膜症の3段階があり、早期に発見し治療を開始できれば、進行を止められます。

しかし初期には目のかすみといった自覚症状がほとんどないため、自分で気づくことは難しいでしょう。定期的に眼科を受診することで、無症状でも早期に発見できますし、必要な治療を受けることもできますよ。

糖尿病の方が目のかすみを感じた際は、放置せず早めに眼科を受診しましょう。

参考記事 ※外部サイトに遷移します

厚生労働省 糖尿病網膜症 | e-ヘルスネット(厚生労働省)

国立国際医療研究センター 糖尿病情報センター 糖尿病網膜症

公益財団法人日本眼科学会 糖尿病網膜症

監修:内科認定医・糖尿病専門医 古賀 萌奈美先生

2011年鹿児島大学医学部医学科卒業後、福岡大学内分泌・糖尿病内科に入局。福岡大学病院、福岡大学筑紫病院などで勤務。診療以外でも患者さんをサポート出来たらという思いでシンクヘルスに参画。

執筆者:管理栄養士 松原知香

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宮城学院女子大学食品栄養学科卒業。卒業後、食品メーカーにて医師や管理栄養士などに向けた流動食・介護食の営業に従事。退職後は管理栄養士ライターとして活動。その中で、医療や栄養に関する情報は正確であるほど難しく、理解しづらい内容で発信されている現状を目の当たりにする。「いつまでも健康でありたい全ての方へ、根拠ある情報をわかりやすく届けたい」という思いから、シンクヘルス株式会社に入社。

記事提供:シンクヘルス株式会社

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提供元:【医師監修】目がかすむのは糖尿病網膜症が原因かも?~症状や治療まで解説~|【シンクヘルスブログ|シンクヘルス株式会社】

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