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2023.10.30

あの定番料理も失敗なし「コンテナ冷凍」のスゴ技|「切る→冷凍→レンチン」だけなので超カンタン


パスタもゆでなくてOK。楽ちんきのこクリームパスタ(『冷凍の専門家が本気で考えた! まるごと冷凍→レンチンごはん』(宝島社)より)

パスタもゆでなくてOK。楽ちんきのこクリームパスタ(『冷凍の専門家が本気で考えた! まるごと冷凍→レンチンごはん』(宝島社)より)

物価高が続く昨今、食費の節約や時短調理ができる食品として注目を集める、冷凍食品や冷凍保存テクニック。

冷凍食品の商品開発などの経験を生かして「冷凍食品専門家」「冷凍生活アドバイザー」として活動し、『いますぐ食べたい!冷凍食品の本』や『冷凍王子の冷凍大全』などの著書のある“冷凍王子”こと西川剛史さんが、“冷凍”の奥深さについて語る。

今回のテーマは、「コンテナ冷凍レシピ」。冷凍作り置き&レンチン調理で完成し、簡単で時短にもなると人気の調理法だ。フードロスの解消や節約にもつながる、コンテナ冷凍レシピの魅力を紹介する。

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皆さんは、「コンテナ冷凍レシピ」をご存知でしょうか。フードコンテナに食材と調味料を入れてそのまま冷凍、いつでも好きなときに電子レンジで加熱するだけで、すぐに食べられるということで、今注目されている調理法です。

実はこのコンテナ冷凍レシピ、単にレンチン調理できる冷凍食材というわけではなく、フードコンテナを使うことで得られる利点がたくさんあるのです。

コンテナ冷凍レシピの利点4つ

毎日の食事作り、調理や片づけを少しでも楽にしたいというニーズは年々高まっており、それに応えるようにさまざまな調理法が出てきました。フライパン1つで調理できる「ワンパンレシピ」、炊飯器だけで調理できる「炊飯器レシピ」など、“1つの調理道具で簡単に作れるレシピ”がブームとなるなか、コンテナ冷凍レシピも人気を集めています。

コンテナ冷凍レシピには、大きく4つの利点があります。

1つめは、「フードコンテナ1つで3役をこなすこと」が挙げられます。

まずは“冷凍保存容器の役割”、次はそのまま電子レンジにかけられる“調理道具の役割”、そして最後は調理後そのまま食べられるという“お皿の役割”です。冷凍保存したものを調理器具やお皿へ移し替える手間もなく、洗い物も極力少なくできます(※フードコンテナは冷凍および電子レンジ対応可能のものを使用してください)。

2つめは、「火を使わない調理法であること」。そのため高齢者や子どもでも簡単・安心に調理できます。

3つめは、「1人分の量を作りやすい」という点。1人暮らしの方や、食事時間が異なる家族のためにも作り置きしやすいですね。

そして4つめは、冷凍することで長期保存ができるため、「フードロス対策や節約」にも役立ちます。使用するフードコンテナは、洗って何度でも使用することが可能なため、エコであることも良いところです。

フリーザーバッグの意外な盲点

食材などを冷凍する際、保存袋に入れているという方も多いかもしれません。では、フリーザーバッグ(保存袋)とコンテナには、何か違いがあるのでしょうか。

あまり意識することはないですが、実はフリーザーバッグとコンテナでは材質が異なります。ジップロック®︎の製品で見ると、フリーザーバッグはポリエチレン製、コンテナはポリプロピレン製です。耐熱・耐冷温度はそれぞれ、フリーザーバッグは100℃/-70℃、コンテナは140℃/-20℃です。一般的な家庭用の冷凍庫の温度は-18℃程度です。

一般的にはポリエチレンよりポリプロピレンのほうが高温に強いうえ、硬いので強度にも優れています。特に、フリーザーバッグで油分が多く含まれた食材や調味液を電子レンジで加熱する際は、熱くなり過ぎた油分と接した部分が溶けてしまう懸念があります。

フリーザーバッグは基本的には加熱に弱く、レンジ加熱には向かないのです。そのため、電子レンジで加熱することが前提の場合は、コンテナの使用を推奨します(※耐熱性のあるコンテナでも、油分が多いものを長時間レンジ加熱することは避けてください)。

補足として、保存袋にも「冷凍用」「冷蔵用」など種類があります。材質は同じでも冷凍用は厚みがあり、食材の乾燥や酸化をより防ぐことができるので、冷凍する場合は冷凍対応のものを選びましょう。

また、フリーザーバッグに食品を直接入れる場合、再利用せずに使い捨てたほうが安全です。目に見えない微細な傷や穴が空きやすく、雑菌なども繁殖しやすくなり、衛生面のリスクが高まるためです。

コンテナにもデメリットはあります。形状的に、フリーザーバッグのように空気を追い出して密封することができないため、どうしても食材が空気に触れて酸化しやすくなります。そのため、しっかり空気を追い出した保存袋に比べると、保存性は劣ります。また、箱型のため、冷凍室で場所を取ります。重ねてすっきりと保管はできますが、ちょっとした隙間に入れて冷凍したい、というときには向きません。

コンテナと保存袋、用途に合わせて、両方を上手に活用し冷凍保存していきたいものです。

コンテナ冷凍レシピは、料理初心者でも実践しやすい調理法。レシピ通りに作れば失敗することもなく、難しい工程もありません。作り方の基本と、ポイントをお伝えします。本稿では「ジップロック®︎コンテナー」の正方形(内容量700ml)、長方形(内容量480ml)の2種類を使います。

コンテナ冷凍レシピの基本

■作り方の基本

(1)食材の下ごしらえ:肉や野菜を切るなど、まずは食材の下ごしらえをする。食材のカットサイズはそろえるのがポイント。

食材はサイズをそろえて切る(『冷凍の専門家が本気で考えた! まるごと冷凍→レンチンごはん』(宝島社)より)

食材はサイズをそろえて切る(『冷凍の専門家が本気で考えた! まるごと冷凍→レンチンごはん』(宝島社)より)

(2)コンテナに詰める:下ごしらえをした食材や調味料をコンテナに入れていく。

順番に素材を入れていく(『冷凍の専門家が本気で考えた! まるごと冷凍→レンチンごはん』(宝島社)より)

順番に素材を入れていく(『冷凍の専門家が本気で考えた! まるごと冷凍→レンチンごはん』(宝島社)より)

(3)フタをして冷凍:コンテナのフタをしっかり閉め、冷凍庫に水平に置いて冷凍。ひと晩以上冷凍すればOK。

■調理の基本

(1)電子レンジで加熱する:冷凍庫からコンテナを取り出し、フタを外して斜めに乗せて、指定の時間加熱する。フタをしっかり閉めたまま電子レンジにかけてしまうと、コンテナ内の蒸気圧が高まって爆発する恐れがあるので、フタは斜めにして軽く乗せるのがポイント。

フタをずらしてレンジへ(『冷凍の専門家が本気で考えた! まるごと冷凍→レンチンごはん』(宝島社)より)

フタをずらしてレンジへ(『冷凍の専門家が本気で考えた! まるごと冷凍→レンチンごはん』(宝島社)より)

(2)中身を混ぜる:加熱ムラができやすいので、レンジ後は箸などで中身をしっかり混ぜ、熱を均一に行き渡らせる。

加熱が終わったらよく混ぜる(『冷凍の専門家が本気で考えた! まるごと冷凍→レンチンごはん』(宝島社)より)

加熱が終わったらよく混ぜる(『冷凍の専門家が本気で考えた! まるごと冷凍→レンチンごはん』(宝島社)より)

ごはん作りを簡単にしてくれるコンテナ冷凍レシピですが、必ず守っていただきたいルールが3つあります。

1つめはレシピ通りに作ることです。

凍ったものを電子レンジで温めると、加熱ムラがかなり起きやすくなります。レシピにある食材の切り方やサイズ、加熱時間は、筆者が試作を重ねて算出したものですので、これを守ることで加熱ムラや加熱不足・過多を防ぎます。

余った食材を適当に詰めて冷凍し、適当に電子レンジに入れておけばいいわけではないのですね。

2つめは再冷凍しないこと。

一度加熱や解凍したものを再冷凍するのは、雑菌が繁殖してしまうので絶対に避けてください。また、食材の繊維が再び壊れるので、味の低下にもつながります。

3つめは1カ月以内に食べ切ること。

冷凍によって保管期間は長くすることができますが、長期の保管は食材の劣化を招くのでNG。1カ月以内を目安に食べるようにしましょう。

これらさえ守れば、本当に簡単ラクチン、おいしい料理ができあがります。ぜひチャレンジしてみてください。

冷凍王子考案「コンテナ冷凍レシピ」

コンテナ冷凍レシピは、主菜や副菜からスイーツまで応用範囲は広く、さまざまな人におすすめできます。家庭で作るのはもちろん、単身赴任のご家族や、1人暮らしの学生さん、ご高齢のご家族に作って冷凍便で送ってあげるのもいいですね。筆者おすすめのレシピをご紹介しましょう。

きのこクリームパスタ

(『冷凍の専門家が本気で考えた! まるごと冷凍→レンチンごはん』(宝島社)より)

(『冷凍の専門家が本気で考えた! まるごと冷凍→レンチンごはん』(宝島社)より)

【材料】

マカロニ(乾麺)60g 
しめじ(石づきを落として2〜3cmに切る)50g 
ベーコン(2cmの長さに切る)30g 
<A>
小麦粉 大さじ2
粉チーズ 大さじ1
顆粒コンソメ 小さじ1
オリーブオイル 小さじ1
牛乳 50ml
水 200ml

【作り方】

(1)「ジップロック®︎コンテナー」(正方形700ml)に<A>を入れ、小麦粉がダマにならないようにしっかり混ぜる。
(2)マカロニを乾麺のまま入れたら、その上にしめじ、ベーコンを順に広げて入れる。フタをして冷凍室で保存。

【食べるとき】

フタを外して斜めに乗せ、電子レンジ(600W)で13分加熱し、加熱後すぐに中身をよく混ぜる。

マカロニは乾燥したまま使うのでゆでる必要がなく手間要らず! ダマが残らないよう、最初によく混ぜるのがポイントです。

定番の王道カレー

(『冷凍の専門家が本気で考えた! まるごと冷凍→レンチンごはん』(宝島社)より)

(『冷凍の専門家が本気で考えた! まるごと冷凍→レンチンごはん』(宝島社)より)

【材料】

豚こま切れ肉(3cm幅に切る)50g 
玉ねぎ(3mm幅のくし形切り)40g 
にんじん(2mm厚さのいちょう切り)20g 
じゃがいも(2mm厚さのいちょう切り)30g 
水 120ml
カレールウ 1かけ(約18g)

【作り方】

(1)「ジップロック®︎コンテナー」(正方形700ml)に豚肉を広げて入れる。
(2)玉ねぎ、にんじん、じゃがいもを乗せたら、水を加え、ルウを乗せる。フタをして冷凍室で保存。

【食べるとき】

フタを外して斜めに乗せ、電子レンジ(600W)で10分加熱し、加熱後すぐにルウを溶かすため中身をしっかり混ぜる。

ルウをそのまま入れるだけ。余りがちなカレーも、1人分から手軽に作れます。最後にコンテナの中にご飯を入れれば、洗い物も1つで済みますよ。

きゅうりの塩昆布あえ

(『冷凍の専門家が本気で考えた! まるごと冷凍→レンチンごはん』(宝島社)より)

(『冷凍の専門家が本気で考えた! まるごと冷凍→レンチンごはん』(宝島社)より)

【材料】

きゅうり(5mm幅の輪切り)200g(2本) 
塩昆布 10g
ごま油 小さじ1

【作り方】

「ジップロック®︎コンテナー」(長方形480ml)にきゅうり、塩昆布を順に入れ、ごま油を加える。フタをして冷凍室で保存。

【食べるとき】

フタを外して斜めに乗せ、電子レンジ(600W)で3分加熱し、加熱後すぐ中身をよく混ぜる。

冷凍することできゅうりの水分が抜け、古漬けのようなポリポリ食感に。きゅうりの代わりにキャベツや白菜を使っても!

このほかのコンテナ冷凍レシピは『冷凍の専門家が本気で考えた! まるごと冷凍→レンチンごはん』(宝島社)をご覧ください。

(構成/田中絢子)

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