メニュー閉じる

リンククロス シル

リンククロス シルロゴ

2023.06.23

本心を誤解されやすいのは感情を隠しているから|積み重なると信頼を失い、メンタル不調になる


感情を表に出すことを恐れる必要はない(写真:mits/PIXTA)

感情を表に出すことを恐れる必要はない(写真:mits/PIXTA)

みんなで楽しくおしゃべりしていたのに「なんか怒ってる?」と言われたり、上司からの指摘を真剣に聞いていただけなのに「反省していない」と言われてしまう。これを日常で繰り返していると信頼されにくくなるだけでなく、メンタルの不調にも繋がります。その原因と対処法を『メンタルヘルス大国アメリカで実証された 心がモヤらない練習』よりご紹介します。

『メンタルヘルス大国アメリカで実証された 心がモヤらない練習』 クリックすると、アマゾンのサイトにジャンプします

無意識に感情をおさえている

本心を誤解されやすい理由として考えられるのは、まず感情表現があまり豊かではないことが挙げられます。言葉での表現を「言語的コミュニケーション」、表情・姿勢・声のトーンなど体による感情表現を「非言語的コミュニケーション」と言い、私たちは両方の表現を使いながらコミュニケーションをとっています。

もし、相手の2つの表現が一致しない場合、人はたいてい非言語コミュニケーションのほうを信じてしまいます。いくら言葉で「楽しい」と言っていても、表情や声のトーンが楽しくなさそうだと、人からは「楽しんでいない」と捉えられてしまうということです。

感情が湧きあがると、私たちの体には変化が起こります。筋肉が緊張したりゆるんだり、血圧が上下したり、心拍数や皮膚温度が変動したり。なかでも感情と関係が深いのが、顔の表情を作る表情筋。感情を表現して上手に伝えるうえで、表情筋は重要な役割を果たしています。

ところが、自分の感情を出してはいけない、出さないほうが事態がうまく進むといった思い込みから、感情を隠すクセがついてしまっている人は多くいます。これを繰り返していると表情筋や脳をひどく緊張させ、うつや情緒不安定などメンタルの不調に繋がることがあります。

もしかしたら、あなたにも同じことが起きているのかもしれません。過去に本心を誤解されたとき、自分はどんな表情をしていたでしょうか?楽しいとき、悲しいとき、悔しいとき、腹立たしいとき、自分はどんな表情をしているでしょうか?

いろんな感情を抱いているシチュエーションを想像しながら、ぜひ鏡を見てください。自分が思っているよりも表情が変わらなかったり、別の感情が読みとれてしまったりするかもしれません。人とコミュニケーションをとるときは、感情を表に出すことを恐れず、感情と表情を近づけることを意識しましょう。試しに大げさに感じるくらいやってみましょう。

ちなみに、感情表現が豊かではないために、自分の望んでいることを相手にうまく伝えられない場合もあると思います。そんな時のキーワードは“TRUST”。自分の傾向を知り、それを感情表現にうまく活用するための指針です。

たとえば、ちょっと上から目線な上司がいたとしましょう。困ったときは親身に話を聞いてくれるし尊敬はしているけど、頭ごなしに否定してくるときがあるのが辛いし分かってもらいたい。そんな場合の“TRUST”の使い方を、具体例とともに紹介します。

Trust(信用する)自分が抱えている感情は適切だと信用する。

例:いくら上司だからと言って、なんでもかんでも批判されたらイライラするのは当然のこと。私はイライラしてもいい。

Redirect(向け直す)自分の注意を、目的や目標に向け直す。

例:私の目的は、上司に自分の気持ちを伝えて、態度を見直してもらうこと。

Use(使う)自分の性格に対する認識を使い、合理的な選択をする。

例:私は普段おとなしい性格で、自分の意見を主張することもあまりないから、上司はきっと私の気持ちに気づいていない。自分の性格に対する認識を使って、「伝える」という合理的な選択をしよう。

Sense(感知する)自分の表情、筋肉、声、姿勢などを感知する。

例:私は今、緊張している。表情がこわばっていて、声を出そうとするとちょっと震える。

Tame(調節する)目的に合わせて感情表現を調節する。

例:いきなり声を荒らげて怒りをぶつけても、上司はびっくりしてしまう。私が批判的な言葉に傷ついていること、上司だからこそ私を肯定してほしいことを、冷静に、でも真剣に伝えよう。

参考文献:『うつと不安のマインドフルネス・セルフヘルプブック−人生を積極的に生きるためのDBT(弁証法的行動療法)入門』(トーマス・マーラ著、永田利彦監訳、坂本律訳、明石書店、2011年)より大幅に改変

記事画像

『メンタルヘルス大国アメリカで実証された 心がモヤらない練習』(サンクチュアリ・パブリッシング) クリックすると、アマゾンのサイトにジャンプします

このように、大切なのは感情を抑え込むのでも、ただ感情に任せて行動するのでもなく、心の状態を知ってコントロールすること。感情が表に出ないように繕っていたり、本来の自分ではない別の姿を装っていたりしていないか、今一度考えてみましょう。

苦しみを引き起こす感情・思考・行動パターンを知り、変えていくスキルを身に付けることで自分自身を守り、人や社会ともうまく関われるようになります。続けることで身に付く、一生もののスキルです。

これを知っていると、まわりの人に対するイメージも少し変わってきますよね。いつも無愛想で苦手だと思っていた人や、話しかけてもあまり楽しそうに見えなくて「私のこと嫌いなのかな?」と思っていた人も、感情と表情が一致していないだけかもしれませんよ。

記事画像

【あわせて読みたい】※外部サイトに遷移します

人望のない人は「たった一言」が添えられない

日本女性は、なぜ異常に外見にこだわるのか

部下を自慢するリーダーが「最強」である理由

提供元:本心を誤解されやすいのは感情を隠しているから|東洋経済オンライン

おすすめコンテンツ

関連記事

「会って0秒」で相手の心の扉を開けられるカギ|元TBSアナウンサーが実践するコミュ力アップ術

「会って0秒」で相手の心の扉を開けられるカギ|元TBSアナウンサーが実践するコミュ力アップ術

上司必読!若者のメンタル不調を防ぐ目標設定|「どうしたらいいか、わからない」を解決する技

上司必読!若者のメンタル不調を防ぐ目標設定|「どうしたらいいか、わからない」を解決する技

「失敗を怖がって行動できない」人に伝えたいこと|坂東眞理子さん「挑戦して気付くこともある」

「失敗を怖がって行動できない」人に伝えたいこと|坂東眞理子さん「挑戦して気付くこともある」

「パッと行動できない人」残念すぎる"3大NG"思考|米国ビジネスエリート「ネガティブ消す」朝習慣

「パッと行動できない人」残念すぎる"3大NG"思考|米国ビジネスエリート「ネガティブ消す」朝習慣

戻る