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2023.06.16

「不安」で頭がいっぱいな人の考え方の悪いクセ|起こりうる結果を3パターンで予測してみる


不安に負けない心をつくるにはどうしたらいいのでしょうか(写真:Graphs/PIXTA)

不安に負けない心をつくるにはどうしたらいいのでしょうか(写真:Graphs/PIXTA)

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「毎日、イヤなニュースばかり……」「病気になるのが不安……」「失敗したらどうしよう……」

不安になってしまうのは誰にでもあることです。不安を感じたときは、まずは冷静になって「本当に不安に思うべきことは何か」を見極めることが肝心です。そして、適切な行動を見つけていく必要があります。

不安にひきづられない方法とは?精神科医・和田秀樹氏の著書『不安に負けない気持ちの整理術 ハンディ版(特装版)』より一部を抜粋し再構成のうえお届けします。

『不安に負けない気持ちの整理術 ハンディ版(特装版)』 クリックすると、アマゾンのサイトにジャンプします

1、起こりうる結果を3パターンで予測してみる

★不安にかられると、最悪の結果ばかり考えがち。
★起こりうる結果を3パターンで予測すると冷静になれる。
★「やってみなければわからない」ことに目を向けよう。

不安が現実化したらどうなるのか

世の中には認知症になることを不安に思う人がたくさんいます。認知症にならないための本や脳トレのドリルなどもよく売れているようです。

認知症にならないための努力は大切です。でも、認知症になるリスクがゼロになるわけではありません。

厚生労働省研究班の調査によると、認知症の有病率は、85歳以上で40%超になるとされています。つまり、長生きをすれば当たり前のように認知症になると考えるほうが自然です。

不思議なのは、これほど認知症への不安が高まっているのに、みんな「認知症にならない」方法ばかり考えていることです。

いざ認知症になったら、介護保険や生命保険の扱いはどうなるのかといった不安に対して、具体的な対策を考えて準備している人はほとんどいません。

不安視していることが現実化したときのことを想定する行為は、とても建設的です。受験で第一志望の大学に受からなかったときは、「浪人する」「第二志望の大学に行く」「留学する」などの対応策があります。

対応策を想定しておき、本当に不安が現実になってから対応策を選べばよいのです。

不安が現実となったときに起こりうる結果を予測してみましょう。起こりうる結果を予測するときには、次の3つのパターンが考えられます。①最善の結果、②最悪の結果、③可能性の高い結果、です。

例えば、好きな異性に思い切って交際してほしいと告白するとき。

最善の結果はOKをもらうことであり、最悪の結果はNOと言われること。可能性の高い結果として「友達としてなら」と言われることが考えられます。

当初はNOと言われても、最終的に交際に至ったカップルはたくさんいます。だから、そこまで恐れる必要はありません。

このように、結果を予測すれば「やってみなければわからない」という事実に気づきます。

しかも、最善の結果になる可能性もあります。不安にかられているときは最悪の結果ばかり考えがちですが、起こりうる結果を予測すれば、冷静になることができるのです。

(画像:『不安に負けない気持ちの整理術 ハンディ版(特装版)』)

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広く浅いSNS友達より本音で話せる相談相手

2、一人で不安を抱えず本音で相談してみる

★相談するだけで、簡単に解決できる問題はたくさんある。
★相談すると、自分の中で問題を整理することができる。
★相談相手から、第三者の視点で情報を得られる。

私が見る限り、悩みやすい人は、不安を一人で抱え込む傾向があります。

「自分の不安なんて誰もわかってくれない」「人に言ってもバカにされるだけだ」などと考え、一人で悶々とし続けます。

一人で抱え込む人は、これまで成長する過程で、人に相談をしたり、悩みを打ち明けたりした経験がとても少ない人が多いのです。

今は、SNSも普及し、人と人とがつながりやすい時代です。ところが、「いいね!」を言い合う広く浅い関係の友達はたくさんいるのに、本音で悩みを打ち明けられる人はいない。そこに、今の対人関係の大きな問題があります。

私はSNS上でたくさんの友達を持つよりも、たった一人でいいので、日頃から本音で相談に乗ってくれる人を持つほうがずっと大切だと思います。信頼する人に本音で相談すれば、簡単に解決する問題はたくさんあるからです。

将来の不安でも、恋愛の不安でも、人に相談すれば何らかのアドバイスをもらえます。解決の方法を教えてもらえたり、場合によっては手助けしてもらえたりもします。

一人で抱え込まずに人に相談することのメリットは、第三者の視点で客観的に判断してもらえることです。

本人は不安で仕方がないようなことでも、第三者の目から見れば、まるで問題にならないようなことはたくさんあります。

また、人に話せば問題を整理することもできます。相手にどう話そうかと整理しているだけで、気持ちがすっきりすることもあります。他人に話している途中で、自分で解決策に気づくケースも珍しくありません。

人に相談するとき、チャットやメールなどテキストベースでコミュニケーションを取るのもよいですが、やはり文字だけのやりとりでは気分が満たされないことが多いでしょう。

孤立感を強く感じている人に対して、私は長電話で直接会話することをおすすめしています。今はズームやスカイプなど、オンラインでビデオ通話できるツールがさまざまあります。無料のツールを活用すれば、長時間ずっと会話を続けることができます。

とりとめのない会話をしているだけでも、不安な気分が和らぐのが実感できるはずです。

(画像:『不安に負けない気持ちの整理術 ハンディ版(特装版)』)

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3、情報は自分から取りに行く

★情報が偶然もたらされることはない。
★情報は自分で動いて手に入れるもの。
★楽観情報と悲観情報の両方を集める。

知らない人だけが損をする

相談相手がいなかったら、自分で情報を集めるしかありません。知識や情報が偶然もたらされることはまずありません。情報は自分で動いて手にするものだと考えたほうがよいのです。

仮に認知症になっても、どんな症状が起きるのか、どういうサービスが受けられるか、など一通り調べておけば、実際にそうなったとしても慌てず冷静に対応できるはずです。

そもそも日本の福祉のシステムは、他国と比較しても充実しています。憲法のもとに、国民の健康で文化的な最低限度の生活を保障するような制度設計がなされているのです。

ただし、困っている人にわざわざ情報を教えてくれるわけではありません。自治体は窓口を開いているだけ。相談や申請がない限り、機能しません。

自治体の姿勢に不満を持つのは自由ですが、「福祉制度とはそういうものだ」と知っておくべきです。

知らない人は損をするだけ。だから、「情報を教えてほしい」と要請して必要な情報を引き出せばいいのです。

今はスマホひとつあれば、インターネットでさまざまな情報を調べることが可能です。ただし、情報を知れば知るほど不安になってしまうことがあります。そこで重要なのは、楽観情報と悲観情報の両方を集めるという大原則です。

例えば、将来の生活不安について情報を調べるとき。「老後破産」などをテーマにした悲観情報ばかり集めていると、当然悲観的な気持ちが強くなります。

そこで、高齢者の地域コミュニティの話などの楽観情報も調べることで、明るい気持ちになれるのです。

「真実などない」と開き直る

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『不安に負けない気持ちの整理術 ハンディ版 (特装版)』(ディスカヴァー・トゥエンティワン) クリックすると、アマゾンのサイトにジャンプします

医療情報を得るときには、医学が発展途上であることを意識しておくとよいでしょう。

例えば、今はタバコは害悪という常識が定着しています。けれども、ゲノム解析(生物の遺伝情報を総合的に解析すること)のレベルが進化すれば、「タバコを吸っても長生きできる人」がわかる可能性があります。

科学が発展すれば、今の常識の大半は変わります。「真実などない」と開き直るくらいでちょうどいいのではないでしょうか。

(画像:『不安に負けない気持ちの整理術 ハンディ版(特装版)』)

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提供元:「不安」で頭がいっぱいな人の考え方の悪いクセ|東洋経済オンライン

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