2023.06.01
他人事じゃない「実家じまい」スムーズな準備は30~40代から!
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目次
・実家じまいとは?
・空き家のままではだめ?実家じまいをする理由
・実家じまいの準備、何から始める?
・実家に住むという選択肢もある
生まれ育った「実家」は思い出の詰まった大切なもの。しかし両親が亡くなり、空き家になってしまった場合、処分することも考えられます。もし、いわゆる「実家じまい」をすることになった場合は、時間や準備が必要であり、両親が健在のうちに進めておいたほうがよいことも。
今回は、実家じまいを早いうちから進めた方がいい理由、実家じまいの進め方などについて解説します。
実家じまいとは?
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今は両親が住んでいる実家でも、いずれ両親が他界したり、高齢化施設に入居することになったりすれば、誰も住まない空き家となってしまうかもしれません。「実家じまい」とは、住む人がいなくなった実家を、整理・処分・売却し、「たたむ」ことを意味します。
実家じまいには、具体的に以下のような方法があります。
・実家を売却する
・実家を譲渡する
・実家を解体し更地にする
・実家を賃貸や民宿として運用する
など
後述しますが、誰も住まなくなった実家を空き家のままにしておくと、さまざまなリスクが生じます。そのため、空き家のまま残すか、もしくは売却や解体などを行うかについて、事前に両親や兄弟を交えて話し合うことも大切です。それも実家じまいの行程の一つです。
両親が亡くなったり、認知症などを患ってから実家じまいをするとなると、スムーズに進められないことがありますので、できるだけ早くから取り組みたいところです。
空き家のままではだめ?実家じまいをする理由
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なぜ実家じまいをしなければいけないのでしょう。そのまま空き家にして放置しておくのではダメなのでしょうか。理由としては、空き家のままにしておくと次のようなリスクがあるためです。
・空き家は維持費が発生する
・メンテンナンスが必要になる
・犯罪の温床になることがある
空き家は維持費が発生する
誰も住まなくなった空き家でも以下のような維持費は掛かり続けます。
・固定資産税
・都市計画税
・火災保険料
など
実家じまいをせず、空き家のままにしておくと、相続した家族がこれらの費用を支払い続けなければならず、金銭的な負担となります。
メンテンナンスが必要になる
実家を空き家のまま放置すると、いずれ庭に雑草が生い茂り、荒れてしまいます。冬場であれば落ち葉などが近隣に飛び散ることもあります。景観などの問題で苦情がくることもありますので、定期的に庭の手入れをしなければなりません。
また、外壁や屋根が傷んでいると、台風などで吹き飛び、近隣に損害を及ぼすこともあります。そうならないために、定期的に修繕も必要です。
長く誰も住んでいない空き家は、犯罪者に目を付けられやすく、中で犯罪行為が行われるリスクをはらんでいます。また、ホームレスや不法滞在者など、住む家に困っている人が住み着いてしまうこともあります。
実家じまいの準備、何から始める?
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実家じまいは両親が健在のうちからはじめたいところです。それでは一体何から始めればよいのでしょう。ここでは実家じまいの準備や進め方について解説します。
家族で話し合う
まずは両親、兄弟を集め、実家じまいについて話し合います。各々が実家をどうしたいか意見を出し合い、その後の進め方やスケジュールについても話し合いましょう。
優先すべきは、現在の所有者となる両親の考えですが、後々トラブルになるのを避けるためにも、希望や想いがある場合は、最初にしっかりと伝えることが大切です。
財産の全容を把握
自宅以外にも、両親が財産を持っていることがあります。
・自宅以外の不動産や土地
・自動車
・有価証券
・貸付金
など
こういった財産の情報を共有し、通帳や印鑑の場所、暗証番号や証券口座の情報などを把握しておくと、いざという時の混乱やトラブルが起こる可能性を抑えられます。
実家の片づけを進める
実家に置いたままになっている、おもちゃ、学用品、衣服などを少しずつ片付けていきます。こういった昔の物の片づけには意外と時間がかかりますので、兄弟で日程をあわせ、配偶者や子供たちも交えながらイベントとして進めていくのがおすすめです。
一緒に片付けをすることで、家族の絆がより深まり、実家をどうするべきかについて会話が弾むこともあります。
売却や解体を行う(必要に応じて)
「両親が高齢者施設に入居する」、「両親が兄弟の家で同居する」など、両親が実家を離れる目途がたっている場合は、両親の引っ越し完了後に、売却や解体など、家族で決めた方法で実家じまいを行います。
実家に住むという選択肢もある
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思い出の詰まった実家は、売却や解体せずに、残したいという人もいるでしょう。その場合、親から実家を相続し、そこに住むという方法もあります。
相続税は、基礎控除として3600万円(法定相続人が1人の場合)が用意されていますので、実家を含めた相続財産の合計が3600万円以下であれば相続税はゼロとなります。兄弟がいる場合、だれに相続するかは、通常、遺言書の内容に従う形となるため、実家に住みたい場合は、事前に、両親、兄弟にその意思を伝え、遺言書に記載してもらうとスムーズです。
また相続した場合、実家の固定資産税や都市計画税も支払うことになりますので、どれくらいの出費が発生するか、事前にシミュレーションしておくとよいでしょう。
以上、実家じまいについて紹介しました。
「両親はまだまだ若いから先のこと」と考える方もいるかもしれませんが、不慮の事故にあったり、認知症などを発症したりで、対話ができなくなる可能性もあります。実家じまいは時間もかかりますので、両親や兄弟の都合がつくうちに、できるだけ早くから進めておくことをおすすめします。
記事提供:ウェブマガジン「mymo」
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