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2023.05.01

価格、栄養とも満足「冷凍野菜」今使いたい理由5つ|「王道の冷凍野菜」3種の解凍&おすすめ調理法


冷凍枝豆を凍ったまま炒めた枝豆ペペロンチーノ(写真:『いますぐ食べたい!冷凍食品の本』より)

冷凍枝豆を凍ったまま炒めた枝豆ペペロンチーノ(写真:『いますぐ食べたい!冷凍食品の本』より)

物価高が続く昨今、食費の節約や時短調理ができる食品として注目を集める、冷凍食品や冷凍保存テクニック。冷凍食品の商品開発などの経験を生かし、「冷凍食品専門家」「冷凍生活アドバイザー」として活動し、『いますぐ食べたい!冷凍食品の本』や『冷凍王子の冷凍大全』などの著書のある“冷凍王子”こと西川剛史さんが、“冷凍”の奥深さについて語る。
今回のテーマは、市場が拡大する「冷凍野菜」。野菜ソムリエプロの資格も持つ筆者がその魅力をお伝えする。

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スーパーやコンビニの冷凍食品コーナーに並ぶ豊富な種類の市販の冷凍野菜。「生鮮野菜に比べて栄養が落ちているのではないか」「国産野菜のほうがいいのではないか」と、躊躇している人もたくさんいるでしょう。

冷凍野菜の魅力は大きく分けて5つあります。

冷凍野菜の魅力とは?

■栄養価が維持されている

1つめは旬の時期に鮮度の良い状態で収穫し、鮮度の高い状態で急速凍結することで、「栄養たっぷりの状態」が一年中安定している点です。

野菜は基本的に、旬の時期に収穫されたもののほうが味が濃く、栄養価が高いです。

例えば、冬が旬のほうれんそう。夏に購入した場合、「生鮮ほうれんそう」と「市販の冷凍ほうれんそう」のビタミンCの含有量を比べると、冷凍ほうれんそうのほうが4倍以上ビタミンCが含まれていたという研究データがあります(吉田企世子監修『女子栄養大学 栄養のなるほど実験室』P122図3より)。

冷凍ブロッコリーをレンチンし塩昆布とごま油で和えた一品(写真:『いますぐ食べたい!冷凍食品の本』より)

冷凍ブロッコリーをレンチンし塩昆布とごま油で和えた一品(写真:『いますぐ食べたい!冷凍食品の本』より)

冷凍ほうれんそうは冷凍前に下茹でしているので、「茹でた生鮮ほうれんそう」と比べてみると、なんと、8倍以上のビタミンCが含まれているのです。ですので、旬ではない野菜を料理に使う際は、冷凍野菜を活用することが、栄養面ではおすすめなのです。

スーパーなどに並ぶ冷凍野菜は、適切な鮮度管理と冷凍技術によって、栄養がキープされています。冷凍保存なら五大栄養素である炭水化物やタンパク質、脂質、ミネラルはもとより、酸化や分解されやすいビタミンでも、栄養価が保たれています。

とくにビタミンCは減少しやすい栄養素ですが、一般的な家庭用冷凍庫の設定温度(マイナス18℃以下)で冷凍しておけば、長い間ビタミンCをキープすることができます。

■調理が簡単で手軽に使える

2つめの魅力は、下処理済みなので、調理が簡単で手軽に使える点です。

生鮮野菜は土を洗い流したり、包丁で切ったり、下茹でしたりと下処理が面倒です。「健康のために野菜をたくさん食べなきゃ」と思う人は多いですが、野菜の種類を増やすと、下処理の手間が増えてしまいます。

しかし、冷凍野菜ならレンジでの加熱で済むほか、凍ったまま軽く炒めたり、汁物に入れたりするだけ。簡単に使えて、手間なく野菜を料理に加えることができます。

■ゴミがほとんど出ない

3つめは、すでに野菜の皮や種、芯などが取り除かれ、食べられる部分(可食部)だけが販売されているので、ゴミがほとんど出ない点です。

生鮮野菜なら調理で食べられる部分が意外と少なくなってしまったり、生ゴミが増えてしまったりといった難点があります。その点、冷凍野菜の多くは可食部だけ。コストパフォーマンスが高い場合もあるのです。

なお、冷凍野菜の製造工場で出た野菜の皮や芯などは、畑の肥料にしたり、動物の餌に使ったりしており、環境への再利用も進んでいます。そうした点にも注目したいです。

■価格が安定している

4つめは、大規模農業や製造工場での効率的な大量生産を実現できているので、一年中価格が安定している点です。

冷凍野菜で使っている野菜の多くは、大規模農業によって年間通して計画的に栽培されているので、効率的に大量に栽培することが可能です。さらに、製造工場では機械化の進んだ効率的な大量生産を実現できています。

その結果、コストを抑えることができ、販売価格が安定しています。そこが、天候不順などで価格が日々変動する生鮮野菜と違うところです。広大な農地がある海外では大規模農業をしやすく、冷凍野菜に外国産が多いのはそのためです。

■長期保存が可能

5つめは長期保存が可能なので、冷凍庫にストックしておけば、いつでも好みの野菜が好きなぶんだけ食べられる点です。

生鮮野菜を買っても、結局、使いきれなくて腐らせてしまうこと、あると思います。でも、冷凍野菜でしたら、いつ使っても大丈夫。同じ野菜だけを使って飽きてしまう心配もありません。手軽に多様な野菜を好きなだけ摂ることができます。

冷凍野菜をおいしく食べるコツ

もちろん、市販の冷凍野菜にもおいしく食べるコツがあります。

家庭用冷凍庫内の設定温度は基本的にマイナス18℃以下とされていて、これは国際基準でもあります。

しかし、扉の開け閉めで庫内の温度が何度も上昇するため、食品の劣化が進みます。温度管理を安定させている業務用冷凍倉庫なら1~2年は保存できるのですが、温度上昇の激しい家庭の冷凍庫の場合は、1~2カ月で使い切るようにしましょう。

冷凍庫内の温度が上昇すると、食品の表面の水分が蒸発して、「霜」が発生します。一度蒸発した水分は戻らず、乾燥が進んで酸化を起こします。そういう意味では、家庭用冷凍庫は開け閉めの時間を短くしたり、回数を減らしたりすることも大切かもしれません。

ただ、扉をずっと閉めているから安心、というわけでもないんです。

実は、冷凍庫にはデフロスト(霜取り)機能が搭載されていて、霜を溶かすために、庫内の温度が半日に1回ほど上がるため、やはりこれも食品の乾燥や酸化の原因になります。

このデフロストの問題はお店の冷凍ショーケースでも同様です。もし、ショーケースに並んでいる冷凍野菜に霜がたくさんついていたら、絶対に選ばないようにしましょう。

おすすめの冷凍野菜3つ

魅力あふれる数ある冷凍野菜のなかで私がおすすめしたいのは、ずばり「ブロッコリー」「枝豆」「ほうれんそう」です。いずれも王道の冷凍野菜です。

冷凍王子がおすすめするほうれんそう、枝豆、ブロッコリー(写真:編集部)

冷凍王子がおすすめするほうれんそう、枝豆、ブロッコリー(写真:編集部)

ブロッコリーは栄養価が高いのが一番の魅力です。さらに、甘みがあって味も濃いので、味付けがそんなに必要ありません。

冷凍ブロッコリーのうち日本で多く販売されているのは、エクアドル産です。標高は非常に高いため病害虫の発生が少なく、日照量も多い。品質の高いブロッコリーが栽培されています。現地ですぐに急速凍結しているので品質が安定していて、世界的な評価も高まっています。

冷凍ブロッコリーの解凍方法は、耐熱ボウルに冷凍ブロッコリーと水を少し入れて(ブロッコリー200gに対して、水大さじ2)、ラップをふんわりとかけて、レンジで加熱するのがおすすめです。

ブロッコリーは部分的に厚みが異なる野菜なので、それを一緒にレンジにかけると加熱ムラができてしまいます。水を入れることで蒸されるように調理されて、均一に加熱されます。

ブロッコリーのおいしく仕上がる解凍法(写真:『いますぐ食べたい!冷凍食品の本』より)

ブロッコリーのおいしく仕上がる解凍法(写真:『いますぐ食べたい!冷凍食品の本』より)

枝豆は冷凍野菜の中でも人気が高い商品です。収穫から数時間で鮮度も栄養も落ちてしまうデリケートな野菜なので、鮮度が良い状態で収穫して、工場で加工された冷凍枝豆は、栄養面でもおいしさの点でもおすすめです。解凍するだけで一品できるのも魅力的です。

最近は「自然解凍OK」の冷凍枝豆が増えています。流水解凍だと水にうま味が逃げたり、電子レンジ解凍だと内部から加熱されて香りが飛びやすくなったりするので、時間がある場合は、自然解凍がおすすめです。

自然解凍した枝豆(写真:『いますぐ食べたい!冷凍食品の本』より)

自然解凍した枝豆(写真:『いますぐ食べたい!冷凍食品の本』より)

ほうれんそうのおすすめの食べ方

ほうれんそうは、鉄分やβカロテン、ビタミン類が豊富なのが魅力です。

冷凍ほうれんそうをレンチンしごまで和えた定番料理(写真:『いますぐ食べたい!冷凍食品の本』より)

冷凍ほうれんそうをレンチンしごまで和えた定番料理(写真:『いますぐ食べたい!冷凍食品の本』より)

旬の時期に冷凍されているので、おいしい状態で一年中楽しめます。味噌汁やゴマ和え、バター炒め、パスタに入れるなど、いろんな料理に活用できます。

レンジでチンする解凍方法もありますが、おすすめは、フライパンにオリーブオイルを引いて、冷凍のまま炒める食べ方です。塩味をつけなくても甘みがあっておいしく、オリーブオイルで素材の良さを引き出せます。

野菜の種類やカット方法など多種多様な冷凍野菜が増えてはいますが、まだ冷凍野菜として商品化されていない野菜や、冷凍すると生よりもどうしても食感が悪くなる野菜もあります。冷凍野菜と生鮮野菜を上手に組み合わせていきましょう。

冷凍野菜を活用することで、手軽に時間をかけずに、健康で豊かな食生活を実現することができます。ぜひ試してみてください。

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提供元:価格、栄養とも満足「冷凍野菜」今使いたい理由5つ|東洋経済オンライン

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