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2023.04.22

なぜか相手が心を開く人が口にする「ほんの一言」|どんどん人との会話が弾む人は何が違うのか?


「あいづち」にアクセントになる言葉を「ちょい足し」するだけで、相手の反応がぐっと変わります(写真:Fast&Slow/PIXTA)

「あいづち」にアクセントになる言葉を「ちょい足し」するだけで、相手の反応がぐっと変わります(写真:Fast&Slow/PIXTA)

何気ない日常の中での一言も、「ちょい足し」するだけで、さりげない品と気づかいが伝わるものです。そんな「ちょい足し」のコツを教えてくれるのは、『さりげなく品と気づかいが伝わる ちょい足しことば帳』の著者で元TBSアナウンサーの今井登茂子さんです。今井さんはコミュニケーション塾を主宰し、60年以上言葉の世界に身を置く、まさに言葉のプロ。書籍でも紹介した「共感・感想」のちょい足しの数々を特別にお教えします。

『さりげなく品と気づかいが伝わる ちょい足しことば帳』 クリックすると、アマゾンのサイトにジャンプします

どんな会話も、相手の話に耳を傾けることから始まります。相手に「聞いていますよ」と伝える「あいづち」にアクセントになる言葉を「ちょい足し」するだけで、相手の反応がぐっと変わります。

相手を饒舌にさせる受け止め

過去の記事で、ちょい足し言葉として「なるほど」「わかります!」をご紹介しましたが、今回お伝えするのは、同様に人の気持ちに寄り添うちょい足し言葉、「そうだったんですか!」です。

過去の記事 ※外部サイトに遷移します

Aさん:目の前で乗客二人が大ゲンカをはじめたものだから、電車が遅れちゃって。
Bさん:大変でしたね。

Bさん:そうだったんですか! 大変でしたね。

苦労を乗り越えたり、何か成果を手に入れたり、秘密を打ち明けられたり、あるいは日常のちょっとした体験やエピソードなど、相手の様子や話の内容から「特別に聞いてほしいこと、聞いてほしい気持ち」が感じられるときに使ってみましょう。「これまでの経緯は理解しました」ということに加えて、「それは苦労されましたね」というねぎらいや、「そこまでされたのですか、すごい!」という称賛を盛り込むことができます。

ですので、ちょい足しする際には、そのときの話の流れや内容のなかで相手に対して抱いた気持ちを込めてください。「それで、そのあとどうなったのですか?」「何が原因だったんでしょうね」「◯◯さんは、お怪我などなかったですか?」など、質問を「さら足し」(「ちょい足し」にさらに加えることを、ここでは「さら足し」と表現します)していくと、相手も無用な遠慮をすることなく話したいことを気持ちよく話すことができます。

続いて紹介するちょい足し言葉は、「知りませんでした」。物事の経緯や事情を「知らなかった」と相手に伝えることは、さまざまな効果があります。たとえば、相手が大変な状況を乗り越えたり、努力を重ねてきた結果、何らかの成果を出したときに、その話を聞いて「知りませんでした!」と言えば「大変なそぶりも見せず、すごいです」という労いや尊敬の想いを表現できます。

Aさん:3年前、この部署は私ひとりからはじまったんですよ。
Bさん:そうなんですか!

Bさん:そうなんですか! 知りませんでした。

また、「◯◯さんのご活躍、知りませんでした! 今度ぜひ、うちの部でも伝説のプレゼン術を講義してください!」という具合に、相手を嫌味なく持ち上げることも可能。「さらにお話を聞きたいです」というニュアンスも。

また、相手の話に対してどう声をかけたらいいのか悩むような場合にも「知りませんでした。なんと言ったらいいか……」と言うだけで、誠意は伝わるでしょう。

こんなふうに、オールマイティに使える言葉ですが、本当に「知らなかった」ときだけにしましょう。知らないふりをすべき場面ももちろんありますが、知っているのにわざわざ知らないと表明して、あとでつじつまが合わなくなると信頼を失いかねません。

どんどん話が弾む「初耳です!」

次にお教えするちょい足し言葉は、その後の会話も弾むこと間違いなしの、「初耳です!」。

Aさん:私たち、大学が一緒で、石川さんが1年生のとき、私が4年生でしたよね。
Bさん:おふたりは、先輩・後輩の間柄なんですね。

Bさん:おふたりは、先輩・後輩の間柄なんですね。初耳です!

「初耳です!」のほかにも、「そうだったんですか!」「びっくりです!」など、知らなかったことや、驚き、意外な気持ちを瞬間的に口にする言葉で、はっきり驚きを伝えることで、その後の会話が弾みます。実際に言ってみると実感できますが、あなた自身、「次」のひとことがスムーズに出てくるはずです。

知らなかったことに対して、人はつい、それらしい感想を考えたり、自分が知っていることや、自分のエピソードなどで話を続けようと無理をしてしまいがちです。でも、ここは「初耳です!」の勢いで、素直に相手に質問を投げかけるのが正解。例えば、「いつからお知り合いだったんですか?」「学生時代の強烈な思い出と言えばどんなことですか?」「サークルやゼミが一緒だったのですか?」といった具合です。

こうした言葉は、硬すぎず、ほどよくカジュアル。大切な仕事の場面で使うことはおすすめできませんが、場を「和ませる」効果は抜群です。

つい出てしまった「マジですか?」のフォローにも

先ほど「そうだったんですか!」「知りませんでした」「初耳です!」と、相手の話を知らなかった場合に使えるちょい足し言葉をご紹介しました。ただ、いずれもカジュアルなので、初対面の相手やクライアント、目上の人に対しては、「存じませんでした」を使いましょう。

Aさん:生まれたときから、祇園祭は欠かしたことがないよ。近所だったからね。
Bさん:根本部長は京都のご出身なのですね。

Bさん:根本部長は京都のご出身なのですね。存じませんでした。

記事画像

『さりげなく品と気づかいが伝わる ちょい足しことば帳』(朝日新聞出版) クリックすると、アマゾンのサイトにジャンプします

といった具合です。

「知りませんでした」は、友達同士で使う、「え、そうだったの? やだ、知らなかったー」といった雰囲気で使う表現が、単に「ですます」調に置き換わったイメージです。ですから、ビジネスの場面では「存じませんでした」と、謙譲語を使うのが適当です。

もうひとつ、この「存じませんでした」の裏ワザをお伝えしましょう。

仕事の場面で、つい「えっ、そうだったんですか! びっくりですね!」、あるいはとっさに「えっ、マジですか?」なんて言ってしまった経験はありませんか? 「しまった!」と冷や汗をかきますが、そんなときはすかさず、そのあとに「存じませんでした」をつけてフォローします。「えっ、マジですか?」も、そのあとに「存じませんでした」と言えば、かなり印象は変わります。覚えておくと便利ですよ。

どれもとくに難しい言葉ではありませんが、ほんのひとこと、会話の中で自然に加えるととても印象がよくなります。どれかひとつでも、さっそく実践してみてください。

(構成:三宅智佳)

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提供元:なぜか相手が心を開く人が口にする「ほんの一言」|東洋経済オンライン

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