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2023.04.17

AI生かしたiPhoneの「声を分離」機能が超便利|ユーザー自身が発した声と周囲の騒音を分ける


うるさい場所でも通話できる「声を分離」機能が、徐々に進化している(写真:metamorworks/PIXTA)

うるさい場所でも通話できる「声を分離」機能が、徐々に進化している(写真:metamorworks/PIXTA)

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電話から進化したiPhoneといえども、やはり基本となるのは音声通話機能だ。その中身も、端末やOSのバージョンが進むにつれ、徐々に進化している。「声を分離」も、その1つだ。これは、iPhoneが得意とする機械学習(AI)を生かし、ユーザー自身が発した声と周囲の騒音を分け、前者のみを相手に伝える機能。元々はLINEやFaceTimeなどのアプリでしか利用できなかったが、3月28日に配信が始まったiOS 16.4で、電話にも対応した。

「声を分離」は通話中に設定できる機能だが、音声通話に関しては、意外と「設定」の「電話」にまとまっていない機能も多い。例えば、画面ロックをかけた際に通話を終了しないようにするための設定も、「アクセシビリティ」の中にある。着信拒否のように、iPhone側の設定とは別に、キャリアがネットワーク側で制限をかけられるよう、機能を用意していることも。電話の設定だけを見直せばいいわけではないため、その存在に気づかず、使っていない人もいるはずだ。

メールやメッセンジャー、SNSなど、連絡手段が多様化したことで、電話の重要性は相対的に低下してはいるものの、電話番号でやり取りできる音声通話のニーズは根強い。特に、ビジネスシーンでは、固定電話に電話するケースも多く、プライベート以上に出番は多いだろう。今回の連載では、そんなスマート“フォン”の基本とも言える、電話にまつわる裏技を紹介していく。

うるさい場所でも通話ができる「声を分離」

「声を分離」は、iOS 15で導入された機能のひとつ。マイクで受信した音をiPhoneが機械学習で分析して、ユーザーの声と背景の騒音を分離するという仕組みだ。しゃべっている側には効果がイマイチわかりづらいが、それを聞いている相手には、よりクリアな音として伝わる。その効果は非常に大きく、真後ろで扇風機が回っているようなシチュエーションでも、ほとんどノイズが聞こえなくなる。効率的にコミュニケーションを取るうえで役立つ機能と言えるだろう。

機械学習を活用する処理能力が必要になるため、「声を分離」に対応するiPhoneはiPhone XS以降のモデルに限定されてしまうが、比較的新しいモデルを使っている人はぜひ設定しておきたい機能だ。ただし、これまでは、残念ながら音声通話には非対応だった。FaceTimeやLINE、Zoomなどのサードパーティアプリでは利用できたが、なぜか音声通話だけは対象外になっていた。この「声を分離」が音声通話に対応したのは、3月28日のこと。同日配信が始まったiOS 16.4にアップデートすると、対応モデルでの利用が可能になる。

通話中にマイクがオンの場合のみ、設定が有効

ただし、設定方法には少しクセがある。一般的な設定は、「設定」アプリの「電話」で行うが、「声を分離」は通話中にマイクがオンになっている場合のみ、設定が有効になる。しかも設定は、コントロールセンターで行う。通話中にコントロールセンターを開くと、音楽をコントロールするボタンの上に、「マイク」という項目が追加されているのがわかるはずだ。

電話中にコントロールセンターを開き、「マイク」から「声を分離」をオンにすることで設定を有効にできる(筆者撮影)

電話中にコントロールセンターを開き、「マイク」から「声を分離」をオンにすることで設定を有効にできる(筆者撮影)

ここをタップすると、デフォルトは「標準」になっているので、「声を分離」に切り替えればいい。一度切り替えると、設定は自動では元に戻らず、「声を分離」が選択されたままになる。通話中にコントロールセンターを開き、都度設定を切り替えるのは少々手間がかかる。相手に待ってもらう必要もあるため、設定は事前に変更しておいたほうがいいだろう。家族分や予備の回線を持っている場合、あらかじめ自分に電話をかけ、「声を分離」を有効にしておきたい。

先に述べたように、この設定は音声通話以外にも適用できる。LINEで音声通話する人はLINEの、Zoomでビデオ会議する人はZoomが起動している際に、「声を分離」を選ぶといいだろう。iPhone同士なら、FaceTimeを使ってもいい。ちなみに、音声通話以外では「ワイドスペクトラム」も選択できる。こちらは「声を分離」とは逆に、周囲の音までよりはっきり聞こえるようにするためのもの。近くの音を伝えたいときに、利用するための機能だ。これまで使い先が限定されていたため、「声を分離」に気づいていなかった人も、電話への対応を機に、改めて設定を見直してみよう。

通話中に、電話がいきなり切れてしまった経験はないだろうか。電波の状況が悪化して切断されてしまう場合もあるが、それまで普通に会話ができていたのにもかかわらず、プツッと電話が終了してしまったときには、誤操作も疑ったほうがいい。iPhoneは、通話中にサイドキーを押して画面ロックをかけると、通話を終了する仕様になっているからだ。

しかもサイドキーは、電話の際に片手で持ったとき、ちょうど人差し指が当たる位置にある。画面を見て、何らかの操作をしているときには押しやすいが、ついつい本体を握る手に力をこめると、間違って押してしまいやすい。意図的に利用する際には便利な機能ではあるものの、誤操作が多いときには、この機能を無効にしておいたほうがいい。

この設定は、「設定」アプリの「電話」ではなく、「アクセシビリティ」の中にあるため、見落としやすいのが難点。「アクセシビリティ」は、元々、体が不自由な人などがそれぞれの人の状態に合わせてiPhoneを使いやすくするための機能だが、実験的な機能が隠されている場合もある。ここで、通話を画面ロックで終了しないようにすると、うっかりサイドキーを押してしまってもそのまま話し続けることが可能になる。

「設定」の「アクセシビリティ」にある「タッチ」の中の「ロックしたときに着信を終了しない」をオンにすると、画面ロックで通話を切断しないようにすることが可能だ(筆者撮影)

「設定」の「アクセシビリティ」にある「タッチ」の中の「ロックしたときに着信を終了しない」をオンにすると、画面ロックで通話を切断しないようにすることが可能だ(筆者撮影)

設定方法は次のとおりで簡単だ。まず、「設定」アプリで「アクセシビリティ」を開き、「タッチ」を選択する。このメニューの下のほうに、「ロックしたときに着信を終了しない」という項目があることがわかるはずだ。標準では、このボタンがオフになっているため、オンに変更すればいい。

ただし、この設定を有効にしていると、画面にロックがかかった状態で、着信を拒否する手段が増えてしまう。ロックがかかったiPhoneに電話がかかってきた場合、サイドキーを押すと、通話を留守番電話などに飛ばせるからだ(未契約の場合は電話に出られないメッセージが流れる)。

このようなときには、「あとで通知」をタップすれば拒否することが可能だが、「リマインダー」アプリに登録され、折り返しを促される。着信時に電話を拒否する操作が変わってしまうトレードオフがあることは、覚えておくようにしたい。

しつこい非通知電話はネットワーク側で遮断

迷惑な営業電話や、たびたびかかってくる間違い電話を取るのは、時間の無駄になる。着信音が鳴って、取りかかっていた作業を中断したり、その都度相手に不要であることや、間違いであることを伝えるのは手間がかかる。また、中には詐欺のような犯罪もあるため、できるだけ知らない電話番号や非通知の着信は取りたくないという人もいるはずだ。このようなときは、iPhoneの着信拒否機能が活用できる。

いったんかかってきた電話を着信拒否にしたいときには、履歴の横の「i」マークをタップし、「この発信者を着信拒否」を選択するだけでいい。これで、端末側も着信拒否リストに、その電話番号を登録できる。また、非通知の着信をすべてまとめて拒否したい場合には、「設定」アプリで「電話」を開き、「不明な発信者を消音」をタップする。次の画面で「不明な発信者を消音」をオンにすると、非通知の場合に着信音やバイブが鳴らなくなる。

ただし、非通知の消音設定には限界もある。着信履歴には電話がかかってき記録が残るため、着信が多いとどうしても気になってくる。また、iPhoneの画面を見ているときに着信があると、非通知でも出られてしまう。逆に、相手が何らかの事情で非通知にしていることもあるため、非通知の迷惑電話だけをブロックしたい人もいるはずだ。筆者の場合、仕事の電話でかかってくる電話が非通知になる可能性もあるため、一律で拒否する設定をするのは難しい。

キャリア側の着信拒否サービスは強力で、非通知でも電話番号ごとにブロックすることが可能。大手3社は「144」で登録が可能だ(筆者撮影)

キャリア側の着信拒否サービスは強力で、非通知でも電話番号ごとにブロックすることが可能。大手3社は「144」で登録が可能だ(筆者撮影)

このように細かな設定をしたいときには、端末側の設定ではなく、キャリアの提供する着信拒否サービスを使うといい。

ドコモは「迷惑電話ストップサービス」、auは「迷惑電話撃退サービス」、ソフトバンクは「ナンバーブロック」という名称で、いずれも非通知の電話を個別に拒否することが可能だ。ドコモは無料、auとソフトバンクは月額110円で同サービスが提供されている。

非通知と言っても、キャリア側にはどの電話番号から発信された電話かがわかるため、それを利用し、直前にかかってきた電話番号からの通話をブロックするというのが、その仕組みだ。

非通知の電話が無言電話だったりした場合に、これを利用すると、その相手からの通話だけを完全にシャットアウトできる。例えばドコモの迷惑電話ストップサービスの場合、電話を取ったあと、電話アプリから「144」に発信。ネットワーク暗証番号を入力したあと、ガイダンスに従って登録をする。他のキャリアも、手順は同じだ。

非通知以外の電話番号も、このサービスに登録することが可能。端末に履歴を残したくない人は、ネットワーク側で遮断してしまうのが正解だ。また、ウェブで個別に電話番号を登録したり、登録した電話番号を削除するといったこともできる。iPhoneの設定アプリではできない強力な機能なだけに、覚えておいて損はないだろう。

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提供元:AI生かしたiPhoneの「声を分離」機能が超便利|東洋経済オンライン

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