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2023.03.07

「頑張らない」からこそ人生は劇的に楽しくなる|うつから復活で悟った「これしかない」のまやかし


「社会人時代と比べてストレスは100分の1になった」と語るデラさん(写真:サンクチュアリ出版提供)

「社会人時代と比べてストレスは100分の1になった」と語るデラさん(写真:サンクチュアリ出版提供)

仕事、人間関係、SNS……現代を生きる社会人は多くのストレスにさらされています。頑張ることで人生がプラスになればいいのですが、無理に頑張りすぎて心身をすり減らし、うつ病などの病気になってしまったら、元も子もありません。『うつ病で20代全部詰んでたボクが回復するまでにやったこと』の著者であるデラさん、『がんばらにゃい生きかた』の著者であるJamさんが、それぞれの実体験をもとに「頑張らない生き方」について対談しました。

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「頑張らない生き方」をするようになったきっかけ

Jam:私の場合、好きなことを頑張るのは大好きなんです。自分がやりたいだけ頑張ってしまう。でも、昔はやりたくないことまで頑張ってしまっていました。まわりの期待に応えようとして無理をしたり、仕事がなくなることを恐れて気の進まない仕事を受けてしまったり……。

デラさん:わかります。ボクは就活生のときに「めちゃくちゃすごい人になってやろう!」と急にスイッチが入って、大学在学中にベンチャー企業に就職して1日15時間くらい働きました。世間から賞賛される有名起業家みたいに、120点の人生を歩もうとしていたんです。

結局、半年でうつ病になってしまったんですが、自分がボロボロになっていることにそれまで気づかなかった。まさに茹でガエル現象です。だんだん眠れなくなったり、頭が働かなくなったり、兆候はありましたが、なおさら「もっと頑張らなきゃ」と思ってしまって。Jamさんはどうやって自分が頑張りすぎだと気づけたんですか?

Jam:無理をしすぎたせいで仕事で何度か大きな失敗をして、まわりの人を巻き込んでしまったことがきっかけですね。やっぱり人って失敗から学習する生きものですから。

でもいきなり「やりたくないことはやらない」と切り替えられたわけではなくて、人からの頼みを断ることに少しずつ慣れていった感じです。最初は「せっかく私に頼んでくれたのに」と罪悪感を感じましたが、徐々に断る数を増やして、大きい仕事も断ったりして。そのうち、自分が断っても代わりがいるということがわかって、そこから切り替えやすくなっていきましたね。

デラさん:「代わりがいる」と知ることって大事ですよね。ボクはうつ病になってからも「前の自分に戻りたい」「いま頑張らなきゃいつ頑張るんだ」と自分を追い込んでいましたが、どうしても体がついてこなくて、25歳のときに自殺しようとしました。でも、包丁でグサッとやろうとした瞬間、「痛そうだな」ってビビっちゃって。

こんな状況でも「生きたい」と思っている自分になんだか笑っちゃって、そこからですね。「死ぬこともできないならもう適当に生きよう」と割り切れるようになったのは。それ以来、赤点さえとらなければいいやと思って、自分をいかに消耗させないかということを最優先して生きています。

自分を消耗させる人間関係は見直してOK

Jam:120点を目指していた人生から、赤点を回避する人生に変わってみて、どうですか?

デラさん:最高。毎日楽しいです。会社員時代と比べたらストレスは100分の1くらい。社員5人のベンチャーだったんですが、いつもなんとなくギクシャクして気まずい雰囲気で、「別に話したくないけど、仕事のことを考えたら話したほうがいいか……」とか、自分の意思とは逆のことをしないといけないのがストレスでした。いまのボクなら、話したくなければ話さない。意思と行動がイコールなのでストレスがほぼないです。

Jam:「仕事がうまくいかなくなったら困るから」「嫌われるのが怖いから」と我慢して人間関係を続けるのは本当にしんどいですよね。でも、一度やめてみると意外と大丈夫だったり、別に嫌われてもいいかって思えたりする。私も人からの依頼を断ることができるようになってからは、自分が本当に描きたいものを描く時間ができて、毎日すごく楽しいです。

友人関係も同じ。デラさんの本の中に『友達はいらない』という章がありましたが、私も「来るものは選んで去るものは追わず」なところがあって、友達にはあまりこだわっていません。縁があればまた会えるし、離れるときは離れるし、「そのときそこにいればいい」くらいに思っていますね。

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デラさん:みんな、一般的な友達の定義に縛られすぎていますよね。たとえ幼なじみでも、自分にとってマイナスになる人は友達じゃない。自分が心地いいと感じる人と、関わりたいときに関わるだけで十分だと思っています。Jamさんは、相性の合わない人、嫌だな〜と感じる人とどうしても一緒に過ごさないといけないとき、どうやってストレスを回避していますか?

Jam:これは編集の友達にもらったアドバイスなんですが、悪役の取材だと思って接するようにしています(笑)。私は漫画家なので、創作のネタにしてしまうっていう。

デラさん:いいですね。ボクも自分の中の辞書にネタとして収録しちゃいます。だから「どうしてそう考えるんですか?」とかあえて質問してみたり。で、得るものだけ得て、時間がきたらサヨナラ。SNSだったらブロック。一緒にいなきゃいけない時間はできるだけいい時間にして、終わったらスッパリ区切るようにしています。もし嫌な気持ちが残るようだったら、ゲームしたりプリン食べたりしてプラマイゼロにする。

Jam:SNSだとなおさら区切りやすいですよね。ログアウトすればいいから。私はリアルな友達とはSNSであまりつながっていないので、ログアウトしても現実世界ではなんの問題もないです。

デラさん:ボク、少しでも嫌だなと思ったら、すぐミュートやブロックします(笑)。そうすると自分のタイムラインがすごく落ち着く。いざとなったら「デラさん」をやめればいいだけの話なので、SNSはけっこう気楽に使っていますね。

1日5分、「頑張らないタイム」をつくる

デラさん:Jamさんの本では、楽に生きるための気持ちの切り替え方がたくさん紹介されていますよね。なかにはハッとする鋭いアドバイスもありますが、かわいいねこちゃんがゆるい雰囲気を演出していて、すっと心に入ってきました。

ずっと頑張ってきた人がいきなり頑張らないように生きるのは難しいですが、ボクのようにうつ病になって気づくのでは遅すぎます。適度に肩の力を抜いて生きるには、自分の中に「嫌だな」とか「苦しい」とかストレスが生まれた瞬間を見逃さない。心の声にちゃんと耳を傾けて、ストレスの原因を知って、距離をおいたりストップしたりする。

急に人間関係や環境を変えることは難しいかもしれませんが、原因を自覚していればなにかしら対策はとれるので、まずは自分がなにに消耗しているのかに気づくことが第1ステップかなと思っています。

Jam:そうですね。あとは、ストレスに気づいても「もう少しできるはず」と思ってやり続けてしまったり、まわりからどう思われるかを気にしてやめられなかったりする場合があるので、「逃げ場がある」ということを知っておくのも大事だと思います。会社がストレスだったら転職という道があるし、現実からSNSやゲームに逃げたっていい。逃げられないという思い込みが自分を追い詰めてしまうケースは多いですよね。

私の会社員時代の同僚も、「この会社をやめたらもうどこにも行けない」と言って頑張りすぎて心を病んでしまったのですが、いざ会社をやめたらものすごく元気になって、別の場所で活躍しています。

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デラさん:「自分にはこれしかない」という思い込み、怖いですよね。いまのボクなんか、ホームレスでも生きていけると思っているので、街を歩いているときは暮らせそうな場所をよく探しています(笑)。

頑張らないことに慣れるためにも、お試しで「頑張らないタイム」をつくってみてほしいです。最初は1日5分でもいいから、上司に気をつかわない時間や、仕事のことを考えない時間を設けて、慣れてきたらだんだん増やしていく感じで。YouTubeの撮影をしているつもりでやってみたらいいかもしれないですね。タイトル「全然気をつかわない件」みたいな(笑)。

Jam:「好きなことしかしないタイム」もぜひ。夢中になれることがひとつあれば、頑張りたいことと頑張りたくないことが自然とわかってくるものなので。推しをつくっちゃうのもいいですね。いままでストレスに感じていたことも、「推しがいるからどうでもいいや」と思えるようになるかもしれません。

デラさん:いいですね。ちなみにボクはいまポケモンカードに夢中です(笑)。別に立派な趣味なんかなくてよくて、そのときの自分が興味あることで十分。ぜひ心の声に正直になって、ストレスを感じない時間を意識的につくってみてほしいなと思います。

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提供元:「頑張らない」からこそ人生は劇的に楽しくなる|東洋経済オンライン

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