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2023.02.16

平気で「安いチョコ」買う人が知らない残念な真実|テカテカ光る「添加物」の正体は?超驚きの裏側


今回は「安いチョコ」に潜む「添加物」や「油」の問題について考えていきます(写真:momo/PIXTA)

今回は「安いチョコ」に潜む「添加物」や「油」の問題について考えていきます(写真:momo/PIXTA)

70万部の大ベストセラー『食品の裏側』の著者、安部司氏が開発したレシピ集『世界一美味しい「プロの手抜き和食」安部ごはん ベスト102レシピ』が9刷7万部を突破し、話題を呼んでいる。

『食品の裏側』発売後、全国の読者から受けた「何を食べればいいのか?」という質問に対する答えとして、安部氏が自ら15年かけて開発した膨大なレシピノートの中から、「簡単に時短に作れるレシピ」を厳選した1冊だ。

いまなお食品添加物の現状や食生活の危機をメディア等で訴え続けている安部氏が「平気で『安いチョコ』を買う人が知らない超残念な真実」について語る。

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*1回目の記事:平気で「チョコ」を買う人が知らない超残念な真実 ※外部サイトに遷移します

*2回目の記事:平気で「高級チョコ」買う人が知らない残念な真実 ※外部サイトに遷移します

チョコレートの添加物

第1弾「平気で『チョコ』を買う人が知らない超残念な真実」、第2弾「平気で『高級チョコ』買う人が知らない残念な真実」、と2回にわたってチョコレートの安全性について述べてきました。

「平気で『チョコ』を買う人が知らない超残念な真実」 ※外部サイトに遷移します

「平気で『高級チョコ』買う人が知らない残念な真実」 ※外部サイトに遷移します

記事画像

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今回は前2回で触れてこなかった「チョコレート・チョコレート菓子の添加物」について考えていきたいと思います。

チョコレートは子どもにも大人気のお菓子ですから、添加物を気にする親御さんも多いと思います。

「平気で『チョコ』を買う人が知らない超残念な真実」で述べたように、チョコレートには4つの分類規格があります。「チョコレート」「準チョコレート」「チョコレート菓子」「準チョコレート菓子」の4つです。

「平気で『チョコ』を買う人が知らない超残念な真実」 ※外部サイトに遷移します

「チョコレート」と「準チョコレート」はチョコレートに含まれる「カカオ分」と、どんな「脂肪分」がどれくらい含まれているかによって決まります。

さらに「チョコレート菓子」「準チョコレート菓子」は、「チョコレート生地」「準チョコレート生地」が全重量の60%未満のものを指します。

この4つについて、それぞれの「成分表示の例」を見ながら、どんな添加物が使われているか、見ていきましょう。

チョコレートは「カカオ分」の割合などによって「4つのタイプ」に分類される。

チョコレートは「カカオ分」の割合などによって「4つのタイプ」に分類される。

以下、4分類それぞれの「成分表示の例」です。下記の「/(スラッシュ)以下」に記載されているものが添加物になります。また「植物油脂」が前から何番目に来ているかにも着目します。

どんな添加物が使われているか「ラベル」をチェック

【1】チョコレート

砂糖、カカオマス、全粉乳、ココアバター/レシチン、香料
⇒乳化剤の「レシチン」と「香料」が添加物になります。「植物油脂」の記載はありません。

【2】準チョコレート

砂糖、植物油脂、カカオマス、乳糖、全粉乳、デキストリン、水あめ/加工でんぷん、光沢剤、乳化剤、着色料(赤ビート、クチナシ、カロテン)、増粘剤(アラビアガム)、香料 
⇒「加工でんぷん」以下が添加物になります。「植物油脂」は前から2番目に記載されています。

【3】チョコレート菓子

砂糖、カカオマス、小麦粉、植物油脂、ショートニング、液卵黄、食用加工油脂、水あめ、異性化液糖、加糖練乳、全粉乳、還元水あめ、クリーム、乳糖、ココアバター、バター、ココアパウダー、食塩/ソルビトール、乳化剤、香料、膨張剤、着色料(アナトー)
⇒「ソルビトール」以下が添加物になります。「植物油脂」が記載されているのは前から4番目になります。

【4】準チョコレート菓子

砂糖、植物油脂、小麦粉、全粉乳、乳糖、カカオマス、ココアパウダー、デンプン、ショートニング、食塩/乳化剤、光沢剤、カラメル色素、膨張剤、香料
⇒「乳化剤」以下が添加物になります。「植物油脂」が前から2番目に記載されていることにも注目してください。

「【1】チョコレート」以外のものに使われているのが「乳化剤」です。大豆から作られる「レシチン」が使われることが多いです。

なぜチョコレートに「乳化剤」が使われるのでしょうか?

チョコレートに「乳化剤」が欠かせない理由

チョコレートの製造法は、原料のカカオマスや砂糖、ミルクなどを細かくすりつぶして成型してつくります。

このとき、原料同士をくっつけてなめらかにし、口溶けをよくしてくれるのが「乳化剤」の役目です。「乳化剤」を使わないと、なめらかさに欠けてざらついた食感になってしまうのです。

さらに「乳化剤」を使わないと、製品化したあとで「ブルーミング」といって分離現象が起こるリスクがあります。

チョコレートの表面が白くなってしまっているのを見たことがあるかと思います。あれは高温になるとチョコレートが分離して「脂肪分」が溶け出してしまうからです。その状態でまた冷えると、表面に「脂肪分」が固まって白くなるのです。

「ブルーミング」が起こると、チョコレートはてきめんに風味が落ちます。

私も食品加工の現場にいたときにチョコレート菓子を手掛けていましたが、この「ブルーミング」には非常に苦労したものです。当時は今のようなクオリティの高い「乳化剤」もなかったし、加工技術も今のように進んでいませんでした。

チョコレートの製造には「テンパリング」といって、「ココアバター」を安定した状態にするための温度調整が欠かせません。

この温度調整がチョコレートの製造過程において一番むずかしいのです。失敗すると「ブルーミング」を起こしたり、口当たりが悪くなったりして、売り物になりません。

だから、質のいい「乳化剤」も機械もない状態で、ひたすら「テンパリング」に励んだものです。

なお、バレンタインなどで家庭で板チョコを溶かして成型する場合も、「テンパリング」は非常に重要です。失敗すると、せっかくのチョコがひどくまずくなってしまいます。

もし自宅でつくるなら、ネットなどで調べて、温度をしっかり計って慎重につくることをおすすめします。

「昆虫の分泌物」からつくる「光沢剤」でツヤツヤに

また「乳化剤」と並んで、チョコレートの添加物で特筆すべきは「光沢剤」です。ここでは「準チョコレート」製品の成分表示に含まれていますが、チョコレートには非常によく使われる添加物です。

「光沢剤」は文字通り、チョコレートをコーティングしてつやを与えるものですが、やっぱりチョコレートは表面がテカテカ、ツヤツヤしていたほうが、おいしそうに見えます。

しかし、この「光沢剤」の正体が「虫の分泌物」だといったら驚く人は多いでしょう。

「光沢剤」では「シェラック」という物質がよく使われますが、これは「ラックカイガラムシ」のメスが分泌する液体。テカテカして、少量で効果が出るから、とても扱いやすいのです。

もちろんこれは厚労省が使用を認めたもの。違反でも何でもありません。でも、あまり気持ちのいいものではないと私には思われます。食品添加物のセミナーや講演会でこの話をすると、みなさんから「ええっ!?」と声が上がります。

自分はともかくとして、「子どもには食べさせたくない」という声もあると思います。気になる人は「表示」を見てから買うことをおすすめします。

では、どうしたらより安全性の高いチョコレートを選ぶことができるのでしょうか。

【ポイント1】「ピュアチョコレート」「ミルクチョコレート」を選ぶ

一般論として

「チョコレート」<「準チョコレート」
「チョコレート」<「チョコレート菓子」
「準チョコレート」<「準チョコレート菓子」

のように添加物が多くなる傾向にあります。

かなりの添加物が使われる「チョコレート菓子」も

しかし、製品によっては「チョコレート菓子」でもかなりの添加物が使われていることもあり、分類だけでは断言できません。

ひとつの目安として私がおすすめするのは「ピュア(純)チョコレート」。もうひとつは「ミルクチョコレ-ト」です。この2つは「チョコレート類の表示に関する公正競争規約」(全国チョコレート業公正取引協議会)で規格が決まっています。

「ピュア(純)チョコレート」については「平気で『チョコ』を買う人が知らない超残念な真実」で述べたのでそちらを見てください。

「ピュア(純)チョコレート」も「ミルクチョコレート」も添加物が使われていないわけではありませんが、少ないです。

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*ミルクチョコレート
チョコレートのうち、「チョコレート生地」の乳固形分が「チョコレート生地」の重量の14%以上であること。そのうち「乳脂肪分」が「チョコレート生地」の重量の3.5%以上のものに限り、「ミルクチョコレート」と表示することができます。

【ポイント2】「植物油脂」の順番を見る

もうひとつは「原材料表示」をチェックすることです。

注目すべきは、「植物油脂」が前から何番目に書かれているか、です。というのも「原材料表示」は、「使われている量が多い順」に書かれているからです。

「平気で『チョコ』を買う人が知らない超残念な真実」で述べているように、チョコレートは高価な「ココアバター」を減らして、「植物油脂」を使うことで、「かさ増し」ができて、より安くつくれます。

「平気で『チョコ』を買う人が知らない超残念な真実」 ※外部サイトに遷移します

この「植物油脂」が使われているかどうか、使われているとしたら原材料表示の何番目に来るかで、だいたい見分けることができます。

先の4種類の原材料表示を見ても、「【1】チョコレート」製品には「植物油脂」が使われていなくて「ココアバター」だけ。

「【2】準チョコレート」製品は2番目、「【3】チョコレート菓子」製品は4番目、「【4】準チョコレート菓子」製品は2番目に「植物油脂」が来ています。

往々にして、安いものほど「植物油脂」が多く使われていることが、この表示からもわかるのです。

戦後「かさ増しした食品」で味を覚えてしまった日本人

しかし、なぜ「ココアバター」をケチって「植物油脂」を多く使おうとするのでしょうか。

戦後の貧しい時代、日本人はハムにしろチョコレートにしろ、「混ぜ物」をしてかさを増やすことで、空腹を満たしてきました。

その「かさ増し」文化が令和の時代になっても根強く残っているのです。

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私たち食品業界の間では「ハムとチョコは、日本人は戦後『かさ増しした食品』で味を覚えてしまった」というようなことがよく言われます。

ハムについてはまた別記事で詳述しますが、だから「無添加のハムを食べたらボソボソしておいしくない」という人もいますし、「植物油脂」がたっぷり入ったチョコがむしろおいしいと感じる人もいます。

「ココアバター」よりも「植物油脂」の多い「かさ増しチョコレート」を「おいしい」と言って食べている子どもたちを見るにつけ、私は少し残念で寂しい気持ちになります。

子どもたちに限らず、「かさ増しした食品」で味を覚えてしまった日本人が増えているのです。

しかし、「植物油脂」には、どんな「健康に悪い油」が使われているか、消費者には知るよしもありません。そもそも「油」のとりすぎが健康にいいはずがありません。

「安いチョコ」を買うならば、ぜひこうした「裏側」を知ったうえで選んでほしい、私はそう強く願っています。

*1回目の記事:平気で「チョコ」を買う人が知らない超残念な真実 ※外部サイトに遷移します

*2回目の記事:平気で「高級チョコ」買う人が知らない残念な真実 ※外部サイトに遷移します

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提供元:平気で「安いチョコ」買う人が知らない残念な真実|東洋経済オンライン

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