2023.01.13
「趣味は何ですか?」難問への答え方3パターン|「あの映画、絶対観たほうがいい」にイラッとする訳
話し方で損する人と得する人の違いとは何でしょうか(写真:asaya/PIXTA)
同じ目的の言葉を伝えるにしても、言い方を変えるだけで相手に与える印象は180度変わります。人づきあいがこじれてしまう、関係がぎくしゃくしてしまう話し方は、「損する話し方」をしているということです。話し方ひとつで、人間関係は良くも悪くもなるのです。
『話し方で損する人 得する人』では、シチュエーション別に「損する話し方」と「得する話し方」を紹介しています。本稿では同書より一部を抜粋しお届けします。
実際にその話し方が相手にどれだけ「好印象」を与える(得)か、「悪印象」を与える(損)か、について、アンケート調査を実施し、「悪印象度と好印象度」として、結果も掲載しています。
『話し方で損する人 得する人』 クリックすると、アマゾンのサイトにジャンプします
ほめられた時なんと返している?
●得する人=ほめられたことをきっかけに会話を広げる→好印象度80%
●損する人=ほめられて「そんなことないですよ」と否定する→悪印象度65%
「そのシャツ、かわいいですね」「いえいえ、そんな……」
「ほんと、お若いですね」「いや、そんなことありませんよ……」
ほめられたときに素直に認めると、「偉そうと思われるのでは?」と心配になる人も多いようです。
とはいえ、相手がせっかくほめてくれているのに「いやいや」「そんなことないです」と否定し続けるのは、かえって失礼になる場合もあるでしょう。
そもそも相手は「本気でほめたい」と思ってほめているとは限りません。むしろ、会話のきっかけであったり、潤滑油であったりする場合も少なくないのです。それなのに、ほめられたことを真に受けて「とんでもないです!」などといちいち謙遜していては、「別にそこまでほめたつもりはないけど……」とかえってめんどくさがられるかもしれません。
では、どういうリアクションが「得」なのでしょうか? 例えば、ほめられたら「話を広げる」というのはどうでしょうか?
例えば「その服、すてきですね」と言われたら「同じのを3枚持ってるんですよ」「これ、セールで買ったんです」「○○っていうブランドなんです」とリアクションしてみましょう。
すると、「へえ、どちらのお店で買われたんですか?」「あ、もうセールの季節ですね」などと会話が始まるでしょう。
「趣味は何ですか? 」という難問への正しい答え方
「ほめられる」のと同じように、反応に困るのが「趣味は何ですか?」という質問ではないでしょうか?
これも、会話のきっかけに過ぎません。かならずしも本当の趣味を答える必要はないのです。「映画は観るけど、趣味とまでは言えない。どうしようかな?」などと余計なことは考えなくていいのです。
「趣味は何ですか?」への答え方のコツとして、3パターンほど紹介しましょう。
1つ目は過去の話をすることです。「よくバレーボールをやってました」「高校のときはよく本を読んでました」といった具合です。
2つ目は未来の話をすることです。「今年はサーフィンに挑戦しようかと」「登山に興味があるんです」といった具合です。
3つ目は最近の話をすることです。「先週、テニスをしました」「昨日、釣りに行ってきました」といった具合です。
どれも、そのまま「趣味」ではないのですが、「なんでちゃんと趣味を答えてくれないんだろう」と思う人はいないでしょう。
「バレーボールやられてたんですね。最近はやられてないんですか?」
「釣りに行かれたんですね。どちらですか?」
などと会話が続いていくはずです。
「ほめ」も「趣味」もコミュニケーションの潤滑油、会話のきっかけに過ぎない。そのことを覚えておきましょう。そうすれば、「ほめられた、どう返そう……」「趣味なんてない。どうしよう……」などと困ることはなくなるはずです。
【得ポイント】 ほめられた=会話を広げるチャンス
●得する人=純粋な気持ちでほめる→好印象度65%
●損する人=上から目線でほめる→悪印象度71%
上手に人をほめるというのも、なかなか難しいものです。
せっかくほめたのに相手が喜んでくれない、それどころか不機嫌になってしまう場合もあります。ほめ方にも「損するほめ方」と「得するほめ方」があります。
例えば、会社でのこんな場面。
「先輩、あの交渉うまくいったんですか?」
「ああ、おかげで契約とれたよ」
「さすがですね。先輩って、ほんと営業のセンスがありますよね」
「……」
このほめ方は損しています。
失敗のポイントは「上から目線」。職場の後輩が先輩の営業センスをほめるのは、メジャーリーガーの大谷翔平に向かって「キミ、野球うまいね」とほめるようなものです。プロはその道の技術に優れているのは当然。それを「うまいね」とほめるのは、上の立場からジャッジしているわけで、「そういうお前は何様なんだ」となってしまいます。
では、得するほめ方とはどんなほめ方でしょうか?
先輩に対して「さすがですね、先輩。マジですごいっす!」とでも言えば、先輩は「こいつ、ボキャブラリーが乏しいな」「見え透いたお世辞言うなあ」と感じるかもしれませんが、少なくともイヤな気持ちにはならないでしょう。
なぜなら、「マジですごいっす!」は上からの冷静なジャッジではなく、後輩が純粋に感じた「気持ち」だからです。
うまいかどうか、営業のセンスがあるかどうか、仕事ができるかどうか、については、それを語れる立場かどうかが問題になります。
一方、感じたことは誰でも語る資格がある。だから「マジですごいっす!」はOKなのです。
「あの映画、絶対観たほうがいいですよ」にイラッとするワケ
歌手に対して「歌がうまいですね」とほめたり、プロのイラストレーターに対して「いい絵ですね」などとほめたりするのは「バカにしているのか」と思われかねません。それは、言葉のなかに「いい/悪い」という上から目線の「評価」「判断」「ジャッジ」が混ざっているからです。こうした「評価言葉」には要注意です。
『話し方で損する人 得する人』(ディスカヴァー・トゥエンティワン) クリックすると、アマゾンのサイトにジャンプします
そういうときは、素直に「感動しました!」など、思ったことをストレートに表現するほうが相手には喜ばれるはずです。
ですから、「いい/悪い」より「好き/嫌い」で評価するほうが得をします。
よく「あの映画、観に行ったほうがいいよ」「あのラーメン、食べておくといいよ」などと「いい」を使いがちな人がいます。そこには、上から目線の「評価」や「アドバイス」が垣間見えます。
そうではなく「あの映画、おもしろかったよ」「あのラーメン、ぼくは好きだな」といったピュアな話し方のほうが相手に不快感を与えません。
ちょっとしたことですが、ぜひ意識してみてください。
【得ポイント】 「いい」より「好き」のほうが好印象
【あわせて読みたい】※外部サイトに遷移します
提供元:「趣味は何ですか?」難問への答え方3パターン|東洋経済オンライン