2022.12.23
「会うとどっと疲れる人」に試してみたい"神対応"|対応がもっとも難しいのが「マウンティング」
「人に嫌われる塩対応」を「人に好かれる神対応」に変える、話し方のコツをご紹介します(イラスト:地獄カレー)
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こんにちは。生きやすい人間関係を創る「メンタルアップマネージャⓇ」の大野萌子です。
学生時代からの知り合い、近所のママ友、趣味や習い事の仲間など……。プライベートな時間を一緒に過ごし、日頃の忙しさを忘れさせてくれるような友人は貴重な存在です。
しかし、そんな友人たちの中に「会ったあとにどっと疲れる人」「連絡がくるだけで憂鬱になる人」はいませんか。
その理由としては、次のようなことが考えられます。
(1) こちらの状態を気遣ってくれない、こちらの言い分を受け止めてくれない
(2) なにを言っても、自分の話(自分の主張)にすり替えられてしまう
(3) なにを言っても「自分のほうが優れている(大変である)」というマウンティングの形で返される
(4) 嫌味を言われる(もしくは露骨にけなされる)
そんな場合、これからご紹介する神対応で、関係性を健やかな方向に転じるように試みてみましょう。「不快な感覚」を我慢したり、放置したりしていると、心身の不調まで引き起こしかねません。拙著『好かれる人の神対応 嫌われる人の塩対応』から一部抜粋、再構成して、ご紹介いたします。
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マウンティングにはどう対応する?
友人間のトラブルでも多く、対応がもっとも難しいのが③のマウンティングでしょう。仮に職場の上司や先輩といった、明らかに目上の人からのマウンティングであれば、適当にやり過ごすこともできるかもしれません。
しかし、本来対等な関係性である友人からマウンティングをされてしまうと、モヤモヤした気持ちになるのも無理はありません。不快感を露わにしても当然!と言いたいところなのですが、これでは塩対応に。あなたが悪いわけではないのに、損をしてしまう可能性があります。
嫌われる人の塩対応 「私、そういうの興味なくて」
(イラスト:地獄カレー)
マウンティングをする側の狙いは「すごい」「さすが」などの賛辞を集め、優越感に浸ったり、自己顕示欲を満たしたりすること。そこであなたが「興味がない」と告げると、相手はカチンとくるものです。やっきになって、さらにマウントを取ろうとしたり、あなたとの関係に亀裂が入ったりするかもしれません。あえて反発しないようにしましょう。
好かれる人の神対応 「へー。〇〇なんだね。ふーん、〇〇するんだね」
(イラスト:地獄カレー)
繰り返しになりますが、マウンティングをする側にとっては「興味を持たれない状態」がもっともキツイのです。だから角を立てずにスルーしましょう。とはいえ、露骨に無視するのではなく、相手の発言を単に受け止める「オウム返し」の技がおすすめです。感情を込めず、平坦な反応に努めます。たとえば、相手が「ハワイに行く」と言えば、「ハワイに行くんだね」。これだけでいいのです。「ハワイ旅行、100万円もするの!?」と驚いてみせるのも危険。「100万円なんて安いでしょ?」などとマウンティングが続きかねません……。
「なんでも自分の話にすり替える人」には…
「(2)なにを言っても、自分の話(自分の主張)にすり替えられてしまう」も、なかなかに厄介です。というのも、友人は「自分の主張にすり替えている」というよりは、あなたのためを思って「アドバイスをしてあげている」という意識のほうが強い場合があるからです。それゆえに、あからさまに否定するのはなんだか気が引ける。そういう思いから、次のような言葉を使っていませんか?
嫌われる人の塩対応 「人それぞれだよね」
(イラスト:地獄カレー)
「人それぞれ」という言葉を“超訳”すると「あなたはあなた、私は私」。つまり、極端なことを言うと「あなたの意見には興味がないので、関わらないで!」。そんな強いメッセージに受け取られかねません。それでは、対話になりませんよね。健全なコミュニケーションのためには、まず「受け止める態度」が必要です。
好かれる人の神対応 「なるほど、そういう考え方もあるよね」
(イラスト:地獄カレー)
これは、どんな過激な意見にも応用できる魔法のフレーズ。相手に迎合も反発もせず、「あなたの意見を受け止めました」と表明することができます。すると“キャッチボール”が成立するため相手は安心し、あなたの意見にも耳を傾けてくれやすくなります。万が一、同意を迫られた場合は「考えておくね」と逃げ、話題を切り替えましょう。
塩対応は、人生の幅を狭めてしまう?
塩対応をする人の心理の背景にはどのようなものがあるでしょうか。
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「苦手な友人やプライベートに首を突っ込んできそうな同僚を、遠ざけておきたい」
「ハラスメントのターゲットにならないよう、強くて冷静な態度に徹している」
つまり“自衛目的”で「あえて“塩対応キャラ”を貫いている」という人もいるかもしれません。
しかし結局、自分が塩対応でいると、相手からも塩対応で返されてしまいます。なぜなら、人の態度(姿勢)は、まるで映し鏡のように、相手の態度と似るものだからです。
つまり、ネガティブな“塩対応の連鎖”がどんどん続いてしまいかねません。
逆に言うと「神対応でいると、神対応が返ってくる」ということになります。
「情けは人のためならず」ということわざがあります。「人に情けをかけておけば、巡り巡って自分によい報いが返ってくる」という意味の言葉です。
目指したいのは、その領域です。
たとえば、PTAなどの集まりを早めに抜けることになったママ友に「気を付けて帰ってね。今度、引き継ぎするから大丈夫だよ」と、あなたから気持ちのよい言葉をかけておけば、いざ自分が突然抜ける事態になったとき、ママ友から快く送り出してもらえるはずです。
そのやりとりを見ている周囲にも、優しく温かな空気が広がっていくでしょう。
もちろん、苦手な人とムリしてまでつきあう必要はありません。
でも自分をガードしすぎると、人間関係が希薄になるだけではなく、価値観もアップデートしにくくなります。
チャンスや出会いは激減し、あなたの人生の幅が狭まってしまうかもしれません。
このように、コミュニケーションスキルは、より心豊かに生きていこうとするときに必須の技術です。自分を守るだけでなく、人に喜んでもらうこともできます。
是非、人間関係改善のツールとして役立てていただければ幸いです。
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提供元:「会うとどっと疲れる人」に試してみたい"神対応"|東洋経済オンライン