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2022.11.10

20キロ減量!「ダイエット家計防衛術」の凄い中身|インフレ局面でも値段上昇していない食材を選ぶ


価格があまり上昇しなかった食材は?(写真:midori_chan/PIXTA)

価格があまり上昇しなかった食材は?(写真:midori_chan/PIXTA)

経済アナリストの森永康平氏は20kgの減量に成功。ダイエットの副産物として「家計防衛」もできたといいます。同氏の著書『大値上がり時代のスゴイお金戦略』から一部抜粋してお届けします。

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2022年、円安に強かった商品

エネルギー価格や資源価格の高騰によって、私たちが毎日、口にする食品の価格も軒並み上昇しました。賃金が上がらないなかでモノの値段が上がってしまうと、なんとか安いものを買ったり、余計なものは買わないようにするなどの節約が重要になります。実際に食品価格の推移をグラフで見てみましょう。

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新型コロナウイルスの感染拡大が始まった2020年の後半から徐々に食品価格は上昇し続けています。生鮮野菜の価格は天候の要因を受けて変動しやすいため、グラフはジグザグしていますが、足元では明確に上昇傾向にあります。また、牛肉価格もベースラインと比較して上昇傾向を維持していますが、なかでも輸入している牛肉価格の上昇傾向は顕著です。これは燃料価格や飼料価格の上昇が転嫁されただけでなく、円安の影響で輸入価格が押し上げられた影響と考えます。

つぎに野菜価格の細かい内訳の価格推移を見ていきましょう。まず見てほしいのが小麦粉とコメの価格変動の推移です。小麦粉は価格が上昇傾向にあるのに対して、コメは逆に下落傾向にあります。小麦粉の価格が上昇している理由はエネルギー価格の上昇や円安などが影響していますが、やはりロシアによるウクライナ侵攻の影響もあります。

日本は小麦の多くを輸入に頼っていますが、その輸入元はアメリカ、カナダ、オーストラリアの3か国でほとんどを占めており、ロシアやウクライナは関係なさそうに見えます。しかし、これまでロシアやウクライナから小麦を輸入していた中東や北アフリカ諸国が国内需要を満たすために従来の輸入ルート以外から小麦を仕入れれば、当然その余波は日本が輸入していた小麦の価格にも影響を与えます。小麦粉の価格が上がると麵類やパン類、菓子類など幅広い品目の価格も上がります。

つぎに野菜価格を品目別に見てみます。たまねぎ、にんじん、かぼちゃの値段が2021年頃から上昇しています。日本で輸入量の多い野菜というと、実はこのたまねぎ、にんじん、かぼちゃが挙げられます。こちらもやはりエネルギー価格や肥料価格の上昇に円安が追い打ちをかけたかたちになります。

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一方で、ブロッコリーの価格は下落傾向にあります。ブロッコリーは、害虫に強く安定して収穫できることが知られています。また、ひとくちにブロッコリーといっても複数の品種があり、環境や条件に合ったものを選べば比較的栽培しやすく、季節に合った品種を作つけすれば周年栽培(年間を通して生産すること)も可能なため、安定供給できます。一方で、産地が意外と限られているため競合が少なく、供給過多になりにくい側面もあります。

また、ブロッコリーはビニールハウスを必要としない露地栽培が可能であることも現在の状況ではプラスにはたらいたと考えます。自然な環境で栽培できることから、温室を保つためにボイラーを使う必要がありません。ということは、エネルギー価格の上昇の影響を受けづらいのです。このように食料価格が上昇するなかでも、米やブロッコリーなど価格が下がっている品目を中心にレシピを作れば節約は可能であるといえます。

ダイエット家計防衛術

2020年からすでに2年以上も続くコロナ禍。私たちの生活にも大きな影響を与え、さまざまな行動変容をもたらしました。そのなかでも大きいのが食事に関する部分でしょう。

たとえば、コロナ前の平日は毎晩職場の同僚や先輩、取引先などと食事をしながら飲んで家に帰り、土日は友人や家族と食事をするなど、ひたすら外食に頼っていたものの、コロナ禍においては自炊をする日々が続くようになったという方も多いと思います。とはいえ、普段から自炊をしていない人にとって自炊は大きな負担です。そこで、デパ地下やお弁当屋さんでテイクアウトしたり、デリバリーを頼むことで自炊の代わりにしたことがあるという経験はどなたにもあるでしょう。

仕事はリモートワークが中心になり、余暇でも外出する機会がなくなる一方で、食事は自分が好きなものをテイクアウトしたりデリバリーしたりすると何が起こるでしょうか。消費カロリーが減る一方で摂取カロリーが増えるので、太るのです。現に「コロナ太り」という言葉を耳にする機会は増えました。コロナ禍における消費行動の変容について、少しデータを見てみましょう。

一般社団法人全国スーパーマーケット協会が発表した「2022年版 スーパーマーケット白書」によると、2020年にスーパーマーケットで売り上げが伸びたのはヨーグルトやキムチ、乳酸菌飲料など発酵食品でした。これは、まだコロナに対する十分な知見がないなかで、個人がせめてもの対応策として発酵食品を食べて免疫力を高めようとしたのでしょう。

それでは、コロナ2年目の2021年は何が売り上げを伸ばしたのでしょうか。オートミール、麦芽飲料、プロテイン粉末などが売り上げを伸ばしました。これはコロナ禍1年目の自粛生活によって「コロナ太り」をしてしまった人たちが、YouTubeで筋トレやストレッチ動画を見ながら自宅で運動をしつつ、栄養バランスのとれた食事を積極的にとったということがわかります。

半年で20㎏の減量に成功するまで

実は筆者も世間に少し遅れましたが、コロナ太りを解消すべく、2022年からダイエットを始めました。2021年の年末にふと思い立って体重計に乗ったところ、人生で初めて80㎏台を記録しました。健康診断の結果も、ほぼすべての項目が要治療または再検査という悲惨なものでしたので、2022年の元日から一念発起しました。

結果としては、半年で20㎏の減量に成功しました。体重を落としただけではなく、体力も筋力も改善しており、たとえば2022年の元日には500mも走れなかったのに、半年後には20㎞走っても大丈夫な身体を手に入れました。本書はダイエット本ではありませんから、その内容を細かく書いていくことはありませんが、ダイエットの副産物として「家計防衛」もできたということを紹介したいと思います。

まず、ダイエットの基本は摂取カロリーから消費カロリーを差し引いた数字をマイナスにすることだと考えます。脂肪を1㎏落とすためには、このマイナスの数字を7200キロカロリーにする必要があります。かといって、拒食症のように食べる量を極端に減らしてしまうと、筋肉も落ちてしまい、基礎代謝が落ちることで、かえって瘦せにくい身体になってしまいます。そこで、摂取カロリーは抑えつつも、しっかりと栄養はとる献立を考えなくてはいけません。

いわゆる三大栄養素(炭水化物、脂質、タンパク質)のバランスを考えながら、摂取カロリーを管理しようとすると、やはり出来合いのものを買うのではなく、材料を選びながら自炊するということになります。トレーニングの際に十分な栄養がないと、すでに身体についている筋肉を溶かすことになってしまうので、筆者は炭水化物はそれなりにとりました。そして、筋肉の素であるタンパク質も多めにとりました。その代わりに、脂質を抑えることで、摂取カロリーは低くなるように計算しました。

たとえば、イカとブロッコリーを茹でたものをオカズにご飯を食べたりするのですが、これは前述した通り、現在のインフレ局面でも比較的値段が上昇していない食材ばかりです。偶然かもしれませんが、筆者がカロリーと栄養素を考えながら作った献立はインフレ局面においても値段の上昇が緩やかなもの、または下落しているものが多かったように感じます。

そして、何よりも自炊していますから、1回の調理で多めに作っておき、それで3日ほど乗りきってしまうこともあるため、小規模ではありますが「規模の経済」のような効果がはたらきます。1食ごとにテイクアウトしたりデリバリーしていると、割高になってしまいますが、スーパーで「ファミリーパック」のようなかたちで大容量の食材が安売りされていたり、業務用のスーパーではキロ単位で冷凍野菜が買えますので、それらを一気に調理して数日分の食事にしてしまえば、1食あたりで換算する食費が非常に安くなるのです。

コロナ禍ほど健康管理に適した期間はない

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どうでしょうか。肥満が解消されて健康になるだけでなく、さらには家計防衛までできてしまう。こんなに素晴らしいことはないでしょう。コロナ太りという言葉があるように、コロナ禍で太ってしまったという方は相当数いると思いますが、筆者はまったく逆の考えをいまは持っています。コロナ禍ほど健康管理に適した期間はないということです。

お酒を飲まない筆者でさえ、コロナ前は毎日のように会食のスケジュールが入っていましたが、コロナ禍においてはほぼ毎日自宅で食事するようになりました。そのおかげで、カロリーも栄養もしっかりと管理下に置けています。しっかりと管理できているからこそ、意図的にスイーツを食べたり、脂っこいものを食べたりする日も設けることができています。ずっと我慢し続けるのは不可能ですからね。みなさんも家計と体調を管理して、どちらも健全なものにしていきましょう。

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日本人の体を壊す「隠れ糖質」とりすぎの深刻盲点

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提供元:20キロ減量!「ダイエット家計防衛術」の凄い中身|東洋経済オンライン

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