2022.09.29
「株式投資に向く人」に共通する超納得の3大心理|損を「我慢できる、できない」あなたはどっち?
株式投資は性格によって向き不向きが明確に出ます(写真:Fast&Slow/PIXTA)
最近の投資ブームもあり、20代から株式投資を始める人が増えている。その一方で、株式投資は怖いと感じている人も少なくない。では、株式投資に向いている人はどんな人なのだろうか? 兼業投資家として総資産5憶円を超える上岡正明氏は、「株式投資は性格によって向き不向きが明確に出る」と言う。その上岡氏が、自身の経験とトレード調査をもとに「投資家心理」を重視する投資術をまとめた『株メンタル:トップ3%投資家の最強ソリューション』を上梓し、発売早々重版されるなど、話題を呼んでいる。今回は、約20万人のチャンネル登録者を誇る投資系YouTuberでもある上岡氏が「株式投資に向く人、向かない人」について解説する。
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お金に執着する人は株式投資に向かない
意外に思えるかもしれませんが、お金に執着がありすぎる人は投資に向いていません。 お金に執着がある人というのは、前々回の記事『下落相場で増加!「リベンジ投資」は身を滅ぼす』で解説した「損失回避性バイアス」に心をとらわれやすく、自分のミスを認めることができない人です。
『下落相場で増加!「リベンジ投資」は身を滅ぼす』 ※外部サイトに遷移します
投資を続けていればミスや損することは、絶対に避けて通れません。プロの機関投資家でも、負け続けることがあるわけです。
お金に執着しすぎる人は、こうしたとき、自分の負けを認めないどころか、塩漬け銘柄を手放せなくなったりします。あるいは、損したくないという強い強迫観念から、リスクを取るべきタイミングで現金を出動できなかったりしてしまいます。
しかし、株式投資もビジネスです。リスクを負わなければ、利益を得ることができません。たとえば、私のように会社経営をしていると「損して得取れ」というシーンが何度も出てきます。
新入社員を採用するのも、最初は損からスタートです。オフィスの移転や、新しいパソコンの購入もです。それらを資産として手に入れることで、キャッシュフローは一時的にマイナスになります。
しかし、そこから将来得られるリターンが大きくなることを期待して、投資を続けます。つまり、将来のリターンと期待値(これをリスクプレミアムと言います)を計算して、現在の損をぐっと我慢するわけです。
株式投資の向き不向きがわかる心理テスト
では、どんな人が株式投資に向いているのでしょうか? その心理的な特徴を解説するために、あなたの投資家としての心理状態をテストしたいと思います。
問1 あなたは、賭け事に興味がありますか?
これは、ある大学の研究で実際に出された質問です。その研究の結果、ギャンブルにあまり興味がない人のほうが、株式投資に向いていることがわかっています。
意外と思われるかもしれません。しかし、つい熱くなって財産をつぎ込む、という行為の本質的な部分には人間の怒りがあります。自分を思いどおりにコントロールできない怒りを、目の前のギャンブルにぶつけている行為にすぎないのです。
実際、株式投資では自分のアンガーマネジメントができずに、感情をコントロールできない投資家は、資産を失う可能性が高いです。
いちばんやってはいけないことは、怒りに任せてマイルールを無視することです。
逆に、自分で決めたルールに対して、怒りから距離を置いて冷静に対処できる人は株式投資に向いていると思います。
株式投資というのは、その人の性格によって向き不向きが明確に出るのです。
問2 話題になっているテーマ銘柄に、あなたは興味がありますか?
面白い視点ですが、「とにかく人と逆のことをするのが好き」という人は、株式投資に向いていると思います。
大衆心理と同じ行動をしているだけでは、なかなか勝つことができません。むしろ、ブームに踊らされ、新興株や小型株など、今はやりのテーマ銘柄に群がったりしてしまいます。いかがでしょうか。あなたも同じような経験はありませんか。
とくにこうしたタイプの投資家は、ベテラン投資家やプロの機関投資家の餌食になりやすいのが特徴です。
私の知り合いのプロの投資家というのは、投資の腕は超一流です。一方、プライベートを含めてとにかく偏屈で、あまのじゃくです。億を稼いだ知人の投資家たちを見回しても、そうした傾向が多いようです。
他人と同じ生き方をしたりすることが大嫌い。だからこそ、苦労して相場一本で生きる道を選んでいるわけです。
株の成績はズバ抜けていい人は、たいてい世の中の動きに敏感でありながら、物事の本質を捉えて、安易に同調することには抵抗を感じている人のような気がします。
投資における慎重と臆病の違い
問3 SNSや投資雑誌などの情報を、あなたは疑り深く考えますか?
疑り深い人、慎重な人も一部で投資には向いていると思います。逆を言えば、深く物事を考えない軽率な人は、投資には向いていません。
ちなみに、ここで言う慎重と臆病は違います。すぐに決断せず、自分で調べたり、腑に落ちるまでプランを練る人です。あれこれやってみて、自分なりに納得できるやり方を見つけていく。そうした人は、自分の性格や相性の良しあしというものを熟知しています。
いろいろと本やネットでデータを集めても、全部を鵜呑みにせず、まず「自分に合うか合わないか」を判断するわけです。
このように、物事を判断するときは、人の言うことを簡単に信じてしまうのではなく、一度自分なりに調べたりする癖をつけてください。
それによって、絶好の買いタイミングが過ぎてしまうと考える人もいるかもしれません。しかし、相場はあなたから逃げたりしません。5年後も10年後も変わらずあなたの前にあり続けます。
むしろ、ここで気持ちをぐっと落ち着かせて、自分で新しい知識を得たことが、あとから血肉となって勝てる投資家への土台になります。
YouTubeやTwitterなどSNSの情報も同じです。見て、触って、考えて、自分なりに結論を出す──、このプロセスこそが非常に重要になります。
株式投資は兼業がお勧め!
いかがでしたでしょうか? あなたの心理状態は株式投資に向いていましたか?
ここで、これから株式投資を始めようと思っている人、とくにいつか専業投資家になりたいと思っている人に伝えたいことがあります。
安易に専業トレーダーになり、手元にある100万円を短期間で億越えしようと思ったら、かなり大きなリスクを取らなければなりません。
本来、株式投資というのは、堅実に資産運用をすることを前提にすれば、かなり着実にお金を増やせる仕組みです。それを、わざわざ成功確率の低いデイトレードに執着したり、レバレッジを大きくして投資をしていれば、大事故を起こすのは火を見るよりも明らかです。
だから、私自身もそうですが、副業的な兼業投資家をお勧めします。投資で半分、残りの半分を個人事業主や会社員として、安定した収入をあなたの資産に組み入れます。月々の安定収入も、立派な資産というわけです。担保はあなた自身です。公務員が銀行からお金を借りるのが有利と言われるのは、公務員の安定した収入が資産として評価されているからです。
また、専業投資家になると過度なプレッシャーによって、メンタルにダメージを受けやすくなります。
専業になった途端、これまでのような冷静なトレードができなくなり、資産を大きく失う投資家もいるほどです。それぐらい株式投資とあなたの心理というのは、切っても切れない間柄なわけです。
「投資だけで生活しようとするな」──、とくに若い人に強く言いたいアドバイスです。実際、投資だけで生活ができる人は、人生においてスリリングな生活が三度の飯より好きだったり、リスク耐性が人より高かったり、1つのことを極めるのに寝食忘れて没頭できたりと、特殊能力値の高い人です。性格と言ってもいいかもしれません。
今仕事をしている人は、コツコツと貯金して、そのお金を株式投資に回してください。
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提供元:「株式投資に向く人」に共通する超納得の3大心理|東洋経済オンライン