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2022.08.26

リモートワーク「負の側面」、今すぐ解消する4秘訣|「社員が孤立…」「成長しにくい…」御社はOK?


リモートワークがもたらす「負の側面」について、4つの解消法をご紹介します(写真:Ushico/PIXTA)

リモートワークがもたらす「負の側面」について、4つの解消法をご紹介します(写真:Ushico/PIXTA)

目には見えない「カルチャー」という資産をいかに豊かで魅力的なものにできるかが、日本企業の未来を決めると言っても過言ではない。そのためには、カルチャーを経営のど真ん中に据えなければならない――。

『現場力を鍛える』『見える化』など数多くの著作があり、経営コンサルタントとして100社を超える経営に関与してきた遠藤功氏は、「私たちがいまコントロールできることは、経営者と社員が一丸となり、健全で良質なカルチャーを手に入れることである」という。

このたび、組織の「土壌」である「カルチャー」を真正面から解説し、「組織を変える」「組織を劇的に強くする」方法を1冊にまとめた『「カルチャー」を経営のど真ん中に据える 「現場からの風土改革」で組織を再生させる処方箋』が発売され、発売後たちまち大増刷するなど、話題を呼んでいる。

その遠藤氏が「リモートワークがもたらす『負の側面』4つの解消法」について解説する。

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働き方の基本は、リアル+リモートの「ハイブリッド型」

私は30年以上にわたる「経営コンサルタント」のキャリアの中で、4社の外資系ファームで仕事をし、そのうち3社ではパートナー(共同経営者)としてその役割を担ってきた。100社以上の会社と濃密なお付き合いをし、ここ10年近くは複数の会社の社外取締役、社外顧問としても経営に関与している。

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『「カルチャー」を経営のど真ん中に据える 「現場からの風土改革」で組織を再生させる処方箋』 クリックすると、アマゾンのサイトにジャンプします

会社組織が成長していくには、健全で良質な「土壌(カルチャー)」が必要だ。そして、その健全で良質な「土壌」をつくるには、「組織風土(整地化)」と「組織文化(肥沃化)」という2つの要素が必要である。

これからはリモートワークの時代を迎えつつあるが、あくまでも「リアル」と「リモート」を組み合わせる「ハイブリッド型の働き方」が基本となる。

GAFAMなどが近年強調しているのは「belonging」、日本語にすると「帰属意識」の重要性である。

欧米企業は一般的には個人主義の会社のように思われているが、実は会社への「忠誠心」や「仲間意識」というものをとても大切にしている。それが社員たちの「誇り」や「働く意欲」につながることを知っているからだ。

だから、彼らも効率性一辺倒の「完全リモート」に移行するつもりはない。

「完全リモート」になると、かえって仕事の質や効率性に悪い影響を与えることを彼らは理解している。「ハイブリッド型の働き方」に移行しても、健全で良質な「土壌(カルチャー)」を創造することは可能だ。

そのためには、これまで以上に社員の「感情」に配慮した仕組みと運用が大切となってくる。さらに、リモートワークがもたらす「負の側面」を解消することも重要だ。

では、リモートワークがもたらす「負の側面」を解消する方法とはどのようなものだろうか。ここでは、多数あるなかから主な4つを紹介しよう。

毎日顔を合わせることで「心理的ハードル」を下げる

【1】毎日顔を合わせて「孤独感」をなくす

1つめは、「毎日顔を見せて話して『孤独感』をなくす」ことである。

就職活動の面接から内定式、入社式、入社後研修に至るまで、ほぼすべてがオンラインで実施されている。

配属後の慣れない仕事も最初からリモートワークであり、気軽に上司や先輩に相談できない。また、地方から都会に出てきた新入社員はワンルームマンションなどに1人暮らしの人も多く、ほかの年代に比べて人との接触が圧倒的に少ない。

管理職は、たとえリモートワークがメインであっても、毎日オンラインで部下と顔を合わせることを怠ってはならない。これは「部下を管理する」ことが目的ではない。たとえ短い時間であっても、毎日顔を合わせ、関係性を確認することによって「心理的ハードルを下げる」ことが目的である。

「心理的ハードル」を下げることで話しやすくなり、「孤独感」もなくなっていく。毎日、「顔を合わせる」ことは大事である。

2つめは「気持ちを吐き出す『場』をつくる」ことである。

オンライン空間においてもインフォーマルな「場」は必要

【2】気持ちを吐き出す「場」をつくる

リモートワークから生まれるマイナス面を最小化するためには、新たな「場」の創出が必要不可欠である。

人と人がつながり、人間としての感情を上手に吐き出す「場」が求められている。これまでは職場というリアルな「場」があり、一緒に仕事をすることによって共同体意識、仲間意識、連帯感が生まれた。

とりわけ、リモートワークで大事なのが、インフォーマルな「場」である。

たとえば、オフィスで勤務するときには、オフィスでの何気ない「雑談」、廊下ですれ違いざまの「立ち話」など、ちょっとした情報のやりとりがビジネスのヒントになったり、人と人との垣根を取っ払ったりする役割を担っている。

オンラインでのリモートワークでは、どうしても業務上の無機質なやりとりのみに終始しがちである。

オンライン空間においても、インフォーマルな「場」を設けることによって、「ムダ話」や「雑談」、ちょっとした「相談」を気軽にできるようになる。

「オンラインランチ」「オンラインおやつタイム」など、気楽に参加でき、気持ちを吐き出せるハードルの低いインフォーマル・コミュニケーションの「場」を意図的につくることが必要である。

【3】モニター越しの相手への反応は「大きく」見せる

オンラインコミュニケーションの課題のひとつは、相手の反応がよく見えないことである。1対1であればまだしも、それが多人数参加の会議やミーティングだと参加者の顔色や様子が伝わってこない。

こうしたオンラインミーティングにおいて大事なのは、参加者が意識的に「大きく」反応し、相手に伝える努力をすることである。

しかし、「大きく」といっても、大声を発することではない。「拍手」などのリアクションボタンを用いたり、モニター越しに賛成の意思表示をしたりするなど、オンラインならではのマイナス面を補う「新たな作法」を身につける必要がある。

若い世代はこうした「作法」が身についている人が多い一方、「昭和世代のおじさんたち」は「照れ」なのかどうかわからないが、無愛想で、反応が見えない人が少なくない。

しかし、「暗黙が通用する時代」は終わった。オンラインコミュニティーでは自分の感情を「形」として表現しないと伝わらない。

最後は「経験値の高い人と低い人を組んで『自己管理力』を育てる」ことである。

【4】経験値の高い人と低い人を組んで「自己管理力」を育てる

リモートワークの問題点のひとつに「人の分断」がある。経験豊富で自己管理ができる人はリモートワーク、経験値が少なく、自己管理力が不十分で独り立ちできていない人はオフィスワークと、「人の分断」が起きる。

「人の分断」が起きてしまうと、自己管理が不十分な人の面倒を見てくれる人が身近にいないということになってしまう。

しかし、だからといって、リモートワークでも十分に仕事ができる人までオフィスに来るようになってしまったのでは、本末転倒である。そこで重要になるのが「コーチング」である。

経験値の高い人と低い人を「ペア」で組ませ、必要に応じてタイムリーにコーチングを提供し、人をケアする仕組みが不可欠である。コーチングはオンラインでも十分に可能だ。逆に、対面よりも本音を言いやすく、気楽に相談できるというメリットもある。

年次の近い先輩社員が、在宅勤務のちょっとしたコツや働き方のヒントをタイムリーに伝授したり、若手社員の心理面に寄り添ったりすることができれば、リモートワークのストレスも軽減できる。若手社員も、先輩社員から伝授されたことを身につけ、自己管理力も育っていく。

「対面」のやりとりがあるから「非対面」が機能する

冒頭でも触れたが、リモートワークの時代になっても、あくまでも「リアル」と「リモート」の「ハイブリッド型の働き方」が基本である。

オフライン(対面)でのやりとりがあるからこそ、日常のオンライン(非対面)が機能することを肝に銘じなければならない。そうすることで、リモートワークでも「健全なカルチャー」を醸成することができる。

ぜひ、「リアル」と「リモート」の「ハイブリッド型の働き方」を身につけて、「新しいカルチャー」を育てていってほしい。

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提供元:リモートワーク「負の側面」、今すぐ解消する4秘訣|東洋経済オンライン

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