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2022.08.25

「自己肯定感が低い人」が起こしがちな問題行動|自分は劣っていると思い込んで加害者になる時


自己肯定感の低い人は、争いごとを避けるがあまり自分自身が知らない間に「加害者」になってしまうことがあるという(写真:Pangaea/PIXTA)

自己肯定感の低い人は、争いごとを避けるがあまり自分自身が知らない間に「加害者」になってしまうことがあるという(写真:Pangaea/PIXTA)

自己肯定感の低い人は、意識的、あるいは無意識的に自分が傷つかないために、さまざまな自己防衛策を講じますが、これが人間関係を難しくしていることが少なくありません。本稿では、自己肯定感が低いゆえに他人に合わせすぎてしまう心理について、心理療法士として長い経験を持つシュテファニー・シュタール著『「本当の自分」がわかる心理学』より、一部抜粋・再構成してご紹介します。

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他者よりも劣っていると思い込む

自己肯定感の低い人は傷つきやすいため、自分がこれ以上傷つかないように「防衛戦略」をとるようになります。

そうした人の中には、幼少期の体験から、「私は他者に合わせなくてはいけない」「私は他者よりも劣っている」と思い込んで、無意識のうちにその信念に従って行動してしまっている人も少なくありません。

こうした信念を持っている人は、拒絶されることに対する過剰な不安から自分自身を守るため、人と争うことを極端に嫌がるようになります。そして、相手の期待を先回りして、場の調和を保とうと必死になります。

このように、他者と調和(ハーモニー)を保とうと一生懸命になっている人は、周りの人の期待にできるかぎり応えたいと思っています。そうすれば、ほぼ確実に自分のことを気にかけてもらえ、認めてもらえるという経験を子どものころにしたからです。

そして、周りの人にできるかぎり合わせるために自分の願望と感情を抑えることを、早くから学んでいます。周りの人に合わせるためには、自分の強い意志は邪魔になるのです。とくに、自分の意志を強く後押しする怒りや攻撃性を反射的に抑えています。ハーモニーを重視する人は、攻撃性が抑制されている内気な人なのです。

さらに、自分の領域にズカズカと踏み込まれたり侮辱されたりしたときには、怒りではなく悲しみで反応します。それゆえ、この防衛戦略を持つ人は、怒りの感情にうまく向き合える人よりも、うつ病になりやすいといえるでしょう。

とはいえ、内気な人に怒りの感情がないわけではありません。彼らは、メラメラと燃える怒りを「冷たい怒り」に変え、その怒りをしばしば「受動的な攻撃」によって表しています。たとえば、どうしてほしかったのかを口に出して言う代わりに、むっとして相手と接しないようにし、相手との間に壁をつくってしまったりするのです。

自分を守るために人に合わせるタイプの人になるのか、あるいは抵抗するタイプの人になるのかは、子ども時代の経験だけでなく、生まれつきの素質にもよります。

自分の願望を抑えすぎるがゆえに…

親の期待にそむき、親に反抗することの多い子どもは、衝動的に行動する素質を持っているのに対して、調和を保ちたいという欲求が強い子どもは、たいてい温和で繊細な素質を持っています。

ただし、調和を保つために自分の願望を抑えることを訓練していると、自分の願望がよくわからなくなっていきます。すると、自分自身の目標を定めたり、決定を下したりすることが難しくなってしまうのです。

人づき合いで調和を大切にする〝ハーモニー熱心者〟は、とても親切で感じの良い人だと思われるでしょう。でも、その人たちが防衛戦略として調和を保とうとすると、かえって人間関係がこじれたり破綻したりすることがあります。

そして、調和を求め過ぎる〝ハーモニー中毒者〟になってしまうと、周りの人に不快な印象を与えることをひどく恐れるようになり、それゆえ衝突することに臆病になってしまいます。その結果、自分が感じていること、考えていること、したいことを正直に言わないことが多くなるのです。

さらに、ハーモニー志向者は相手のことをすぐに「自分よりも優位に立つ大きな存在」と認識し、この「認識のゆがみ」のために被害者意識を持ちやすくなります。

つまり、強そうに見える相手に対する不安から、その相手に自発的に従い、実際には自分が望んでいないことまでもしてしまう。するとハーモニー志向者にとっては、この強そうに見える相手が〝加害者〟に見えてくるのです。

突然相手を「拒絶」するように

こうして、ハーモニー志向者は自己評価を相手の頭の中に投影し、自ら相手に服従する状況をつくってしまっているのですが、彼らはそのことに気づいていません。

その代わりに、自分よりも力があるように見える相手に対して、不快な感情を持ってしまいます。彼らの心の中で、「自分は雑に扱われている」「支配されている」という感情が大きくなればなるほど、自分が自由に行動できる余地を守るために、相手から離れようとする傾向が強くなります。

しかし、相手には通常、このプロセスに介入できるチャンスはありません。なぜなら、このプロセスはハーモニー志向者の不安から起こっているにもかかわらず、本人がその不安を認めていないからです。

その結果、相手は抵抗から身を守るために、まさにハーモニー志向者がもっとも避けようとしていること、「拒絶」をしてしまいます。こうして、ハーモニー志向者が恐れていたことが現実のものとなるのです。こうしたことはよく起こり、「被害者−加害者−倒錯」と呼ばれています。

こうした人は、周りの人と折り合いをつけてその人たちを傷つけないようにしようとものすごく努力しています。その努力によって、しばしば感じの良い、親切な人だと思われていることでしょう。また、自分の欲望を後回しにすることも多いため、すばらしいチームワーカーともいえます。

しかし、そのままでは、周りの人は当人の考えていることが正確にはわかりません。誤解から生まれるすれ違いも起こりやすくなる可能性があります。安心してもっと自分自身をさらけ出してもいいということを知っておく必要があります。

相手との連絡を絶ってすねるよりも

自己肯定感の低い人は、もっと自分の願望と欲望を主張してもいいのです。そのようにしても、好感度が下がることは絶対になく、むしろ上がるのです。

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なぜなら、そうすることで、周りの人は当人を理解しやすくなるからです。これまでと違ってきちんと自分の意見を言うようになれば、周りの人がつねに自己肯定感の低い人がとる、退避行動や返事の悪さなどに頭を悩ます必要もなくなります。

相手との連絡を絶ってすねてしまうよりも、自分の意志を伝えるほうが、周りの人にとってはラクであることに気づきましょう。そうすれば、自分がいつの間にか加害者になってしまうようなこともなくなり、健全な関係をつくれるようになります。

自分が他者よりも劣っている、というのは、思い込みに過ぎません。思い込みさえ克服できれば、人生はもっと開けていきます。

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提供元:「自己肯定感が低い人」が起こしがちな問題行動|東洋経済オンライン

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