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2022.07.20

「選抜メンバー」視点でモノを残す楽ちん片づけ術|定期的な「メンバーの入れ替え」もお忘れなく


モノを捨てられないときは、「選抜メンバー」を考えるつもりで選んでみるといいそうです(写真:nonpii/PIXTA)

モノを捨てられないときは、「選抜メンバー」を考えるつもりで選んでみるといいそうです(写真:nonpii/PIXTA)

日本史上最高といっても過言ではないくらい、個人が膨大な持ち物を抱えている時代。それを残していったらどうなるか? 真剣に向き合う時期がきています。

親の遺品整理をきっかけに、自分の持ち物を見つめ、「捨てたくない!」という執着心に、打ち勝てる方法を生み出した女性がいます。「思い出編集室」代表小野めぐみ、59歳。自身の体験から作り上げたメソッドを、新刊『50代から味わえる!最高のご褒美「人生で一番素敵な片づけ」』にまとめて出版しました。

「本当に大切な物」が見つかる究極のジャッジ法で、持ち物の山はみるみる小さくなっていきます。その極意をお伝えします(3回に渡って掲載。今回は3回目です。1回目はこちら、2回目はこちら)。

1回目はこちら ※外部サイトに遷移します

2回目はこちら ※外部サイトに遷移します

片づけとは、物を減らしていくことですが、「(不要なものを)捨てていく」と捉えると、どうもネガティブな気持ちになるものです。そこで、その捉え方を見直して、「お気に入りの選抜メンバーを決めるオーディションを開催する」というように、ポジティブに考えてみてください。

今はたくさんのメンバーと騒がしく、落ち着かない生活していませんか? これから、選りすぐりのメンバーと、心地よい快適な毎日を過ごしていくために片づけると思うと、やる気が出ませんか?

さて、どういう基準でメンバーを選定していったらいいか、基準がハッキリしていないと迷いますよね。「まだ使える」「また使うかも」「思い出の物だから」などなど、いろんな感情が渦巻いて、結局たくさん選んでしまっては、快適な生活にはなりません。

まずは「生活必需品」を選ぶ

私の片づけメソッドは、究極の選抜基準を持っています。

「生活必需品」とは、現在進行形で使っている物。1人暮らしをし始める際の生活を思い浮かべてみましょう。最低限の家具、家電、食器類、布団、衣類、靴、バッグ、防災用品、趣味で使っている道具だけで、スッキリとした部屋で、十分暮らしていけますよね。

それを想像しながら、今現在の持ち物を見回してみてください。

月日の経つのは早いもの、いつの間にかライフスタイルは大きく変わって、何年も使わなくなっているものが、溜まっていることでしょう。

例えば、子どもが小さなころは頻繁に使ったキャンプの道具も、大きくなれば親と出かける機会も減り、気がつけば十年単位で使っていない! そういった物がたくさん眠ったままではありませんか?

これから生きていくのは、「今」と「未来」です。今も頻繁に使っているもの、これからも必ず使う物と量を選び取ってください。

さて、もう1つの基準「棺に入れたいほどの物」とは、どういう物でしょうか? おそらく「棺」という言葉にドキッとされたことでしょう。でも棺というのは、あくまでもイメージ。実際に、あの背丈ほどの小さなスペースに収まる物だけに減らしましょうと言っているわけではありませんのでご安心ください。

「棺」とは、あなたにとって「大切さ」のバロメーターです。生活必需品ではないけれど、大切な物や思い出の物のことです。

思い出だから、大切だから、と感情のおもむくままに残したら、いっこうに部屋は片づきません。あなたを支えるメンバーを選抜を一番判断しやすい基準が、「棺に入れたいほどかどうか?」なのです。

あの世へ何を持って行きたいか?

想像してみてください。あの世にはじめて向かう「ひとり旅」。あなたは、どんな物を持って行ったら安心できて、心強いでしょうか? 
棺に入れたいと思うほどの物は、最優秀選抜メンバー、あなたの心を支える「真の宝物」です。

私の場合は、じっくり考えてみると、棺にまで入れてほしいと思うのは、家族の写真や、家族から贈られた物くらいでした。大切だから、思い出だから、あの人にもらった物だから……と、何十年も残していた物の山はみるみる小さくなったのです。

象徴的な例でいえば、卒業アルバム。以前、卒業アルバムを手放したという人の話を聞いたとき、なんてドライなんだ、冷たすぎるのでは? と感じましたが、この基準で見直したとき、私も手放すことができました。何十年も見てもいない卒業アルバムを、棺の中に入れたいとまでは思わなかったからです。本当に大切なら時折見返しているはずですしね。

また、たくさんの物を残し、何も言い残さないまま旅立った場合、あなたの棺の中に、まわりの人が何かを入れてくれるでしょう。良かれと思って入れてくれた物だとしても、全然嬉しくない物かもしれません。

「そんなもの入れなくてもいいよ」「あれを入れて!」と叫んでも、残念ですがあなたの声は届かないのです。「真の宝物」はあなたにしかわかりません。

人生のゴールの話や、もしものときの準備するなんて縁起でもない! と言われることがまだ多いのですが、私はちっとも不吉なことと思いません。ゴール、旅立ちを想像して準備しておくことは、最期の最期まで自分が自分らしく安心して過ごせるようにするためのポジティブな活動です。

科学が進歩した令和の時代、街中の人たちが最期を想像して、いっせいに片づけを始めたら、全員の死期が早まるようなことがないのは、明白。
最期のことを軽々しく扱うべきではありませんが、しっかり向き合っておくことは、人生を清々しく生き抜くための準備として大切です。

生活必需品を選び取った、棺に入れたいほどの物を選び取った、いよいよ実物を手放す段階になって、またハードルが立ちはだかるのが片づけです。棺に入れたいほどの物ではない、たいして見てもいない、それでも実際に手放すとなると決心が揺らぐのが、片づけの難しさ、人間心理の複雑さです。

おそらくこんな気持ちに襲われるでしょう。「手放したあとに後悔したらどうしよう……」そんな心のブレーキとなる執着とは、相当に手強い相手です。多くの宗教が目指す「悟り」とは、執着を解き放つこと。それだけ心のコントロールは難しいわけです。

手放したくないモノは写真に

でも、私のメソッドなら、しっかりと執着を断ち切り、手放す踏ん切りがつくのです。それには、あなたもよくやっていることを、するだけ。それは写真を撮っておくこと。スマホで構わないので、手放すのを迷う物があったらカシャ!カシャ!とシャッターを切ってください。

カシャ! というシャッター音がまるで福音のように、もし、見たくなったらどうしよう、大切な思い出を忘れてしまいそうで不安、そんな心理を断ち切ってくれます。

その写真は大量になるでしょう。結局あとから見返す確率は低いかもしれません。それでもいいのです。写真は不安に対する「保険」です。人生でも、もし病気になったら? 事故に遭ったら?と、安心のために保険をかけておくように、写真を残しておくのです。気軽にシャッターを押しておきましょう。

「生活必需品」と、あの世に持っていきたいたいほどの「真の宝物」を選び取っても、年月が経てばライフスタイルが変わるでしょうし、気持ちが変わることもあるでしょう。3年に1度、5年に1度などのタイミングで、見直しも大切です。

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また、真の宝物も、当然、実際の棺の中に収まる量ではありませんよね。
せっかく選び抜いたのに、またどこかにしまい込んでしまったら、意味がありません。あの世に持って行きたいほどの大切な物ならば、ときどき見返すことが、心の栄養となります。

真の宝物のうち、一部は現物をずっと手元に置いておいてもいいでしょうが、大量ならば、写真に撮ってフォトブックにまとめたり、額に入れて飾ったり、リメイクを施したりして、手元に残しやすいコンパクトな形にしたあと、現物は手放すことをお勧めします。 これなら、いつでも手軽に見返すことができます。ですから、真の宝物は、手放すための保険用の写真とは別に、ていねいに撮影しておきましょう。

人生のゴールをしっかり想像し、適材適所に手放しておくことは、この先もずっと自分らしく生きていくための第一歩。さあ、選抜メンバーたちと心地よく暮らしていきませんか?

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【あわせて読みたい】※外部サイトに遷移します

孤独死した30代女性の部屋に見た痛ましい現実

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提供元:「選抜メンバー」視点でモノを残す楽ちん片づけ術|東洋経済オンライン

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