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2022.06.13

仕事で存在価値を高める「自分の強み」の見つけ方|得意なことは「これまでの行動」に隠されている


自分の強みとは何か? 人生を幸せにしていくための「これからの仕事術」を3回にわたってお伝えします(写真:Graphs/PIXTA)

自分の強みとは何か? 人生を幸せにしていくための「これからの仕事術」を3回にわたってお伝えします(写真:Graphs/PIXTA)

イーロン・マスク氏が「当たり前のことを言うようだけど、出生率が死亡率を上回るような変化がない限り、日本はいずれ存在しなくなるだろう」とツイートして話題になりましたが、少なくとも日本の高齢化は進んでいます。「90歳まで現役」という時代がそこまで到来しているなか、仕事と人生の関係性や仕事への向き合い方を見直すタイミングに来ています。

スキルをアップデートしながら、好きなことや得意なことを磨き、自分らしい貢献のあり方を追求していくという考え方も広がりつつあります。ジョブ型雇用など、プロジェクト型のチームを都度組成して業務推進するスタイルはその典型例です。

大企業とベンチャー、プレーヤーとマネージャー、フィジカルとデジタル、ルーティンとクリエイティブ、グローバルとドメスティック。あらゆる環境下で仕事を追求した必殺仕事人の美濃部哲也氏の著書『仕事の研究』から、人生を幸せにしていくための「これからの仕事術」を、3回にわたってお伝えします(1回目)。

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厚生労働省によれば、日本人の平均寿命は1990年には女性81.9歳、男性75.9歳だったのが、2020年には女性が87.7歳、男性が81.6歳になりました。2040年には女性が89.6歳・男性83.2歳になると予想されています。90歳から100歳まで生きる人がかなりの割合で現れることになります。

人生100年時代をどう生きるのか

今20代、30代の人たちは、まさに「人生100年時代」になるのです。社会保障や貯蓄、資産運用などで生活する老後の人生を20年間とすると、人生100年時代の労働寿命は80歳。約60年間は仕事をすることになります。

人の平均寿命が伸びる一方で、企業の平均寿命は短くなっています。

1993年に日経ビジネスが発表した「会社の寿命30年説」では、1つの会社が繁栄し続けるのは、よくて30年間といわれていましたが、変化の激しい時代を背景に、2020年の東京商工リサーチの発表によれば、企業の平均寿命は23.3年となっています。

そうなると、人生100年時代に同じ会社でずっと仕事をする人の割合は、加速度的に減っていくのは間違いなさそうです。そして、80歳まで約60年もの間、仕事をしていくとしたら、仕事を通じてどうしていきたいのか? という価値観は間違いなく変わっていきます。

「どうせなら、好きなことを仕事にしていきたい」「好きなことであれば長く続けられる」という考え方になっていくのは自然の流れです。

年功序列・終身雇用の時代は、職人や個人事業主以外の、いわゆる会社勤めの人は、「会社に就く」という価値観が主流でした。一流大学に入って一流企業に入れば安泰、という考え方がまかり通っていました。

そのような状況に変化が生まれ始め、コロナ以降のこの2年間で一気に変わりました。大企業までもがジョブ型雇用を採用しだし、年功序列や終身雇用の考え方は薄くなってきました。会社に就くという考え方ではなく、まさに「職に就く」という考え方が主流になってきています。

都内の一流私立大学から今春、大手広告代理店に入社した新入社員の中にも、「5年ぐらい経験を積んで起業したい」と言っている若者が少なからずいることを、つい先日耳にしました。

ゼネラリストとして、定年を迎えるまで1つの会社で仕事をするという選択肢が稀になっていくことが予測されるなか、その人ならではの専門性、つまり、「ある特定のことに関して、どこでも通用できる状態でいること」が重要になってきます。そして、その専門性と人脈が仕事を通じて、さらに磨かれる好循環になっていくことが理想的です。

三菱総合研究所の2020年10月の発表によれば、2030年に専門職は162万人不足すると予測されています。

社内外の専門性の高い人材を結び付けて何かを成し遂げていくという将来像が見え隠れします。そして、「その人ならではの専門性」が「好きなこと」であれば、多方面から声がかかり、プロジェクトに参画していく。うれしく、ありがたい仕事になっていくはずです。

誰でも必ず1つは持っている強み

経済学者・社会学者として世界的に有名なピーター・ドラッガー氏の著書の中にこのような一節があります。「いまさら、自分を変えようとしてはならない。そんなのは、うまくいくわけがない。自分の得意とする仕事のやり方を向上させることに、力を入れるべきである。人の卓越性は、1つの分野、あるいはわずかの分野においてのみ、実現されるのである」。

ドラッガーによれば、1人が持っている「本当の強み」は、いくつもあるわけではなく、1つだそうです。天才でも2つだそうです。その強みが何なのかを把握して、その強みが発揮されやすい「1丁目1番地」の仕事をすることで、その人の存在意義が高まっていきます。

「自分自身の強みと何か?」を決めきるのは、多くの人にとってなかなか難しいものですよね。私自身もそれがなんとなく見えてきたのが、社会人になって10年ぐらい経ってからで、決めきるまでには、それからさらに5年くらいかかりました。

「強み」は「行動」の中に発揮されるものです。ですので、自分がしてきた「好きだったことや熱中できたこと」を振り返る際に、「何をしたか」ではなく、「どのようにやったか」にフォーカスするとよいと思います。

「名詞」ではなく、「動詞」にフォーカスすると、自分の強みが見えてきます。そこに「なぜ、それをやるのか」の「WHY」が加わると、「長続きできる強み」が見えてきます。

誰もが得意なことを1つは持っている

得意なこと、もしくは、その芽を人は必ず1つは持っています。幼いころから今までを振り返って、今とこれからのなかで頑張れたこと、頑張れること、やっていて夢中になれたこと、夢中になれそうなこと、楽しかったこと、楽しめそうなこと、それらに共通な「動詞」に着目して、その動きが映える、もしくは、その動きが重要で必要とされる仕事を、自分の1丁目1番地として、一心不乱にやっていくのです。

それを続けていくことで、得意なことやその芽が磨かれ、強みになっていきます。

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「自分の得意なこと、強みがまだわからない」という人もいると思います。そういうときこそ一度立ち止まって、喜怒哀楽の記憶に思いをめぐらせます。心躍る瞬間が訪れたときにしていた行動に、そのヒントが隠れています。

現役人生が60年以上続いていく時代に、楽しく幸せな人生にしていくためにも、自分の好きな行動パターンを起点にした専門性を磨いていくことが重要になります。

次回は、「強みをどのように磨いていけばよいのか」ということをテーマにお伝えします。

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提供元:仕事で存在価値を高める「自分の強み」の見つけ方|東洋経済オンライン

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