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2022.06.02

生きづらさ助長「コンプレックス」との付き合い方|劣等感が強い人はハラスメントしてないか注意


他者からのひと言が、“悪しき呪文”となってもたらすものとは?(写真:IYO/PIXTA)

他者からのひと言が、“悪しき呪文”となってもたらすものとは?(写真:IYO/PIXTA)

こんにちは。生きやすい人間関係を創る「メンタルアップマネージャⓇ」の大野萌子です。

誰にでもあるコンプレックス(劣等感)は、適度なものなら成長を促すプラスの原動力になりますが、過度になると、生きにくさを助長させます。他人よりも劣っていると自分を貶めるだけでなく、被害者意識を持ち、他者に対しての攻撃性を持ってしまうこともあります。

また、ひとたびその感情が湧き出ると、著しくパフォーマンスがさがることも。自分のコンプレックスと向き合うのは嫌なことでもありますが、うまく付き合っていく方法をお伝えしたいと思います。

コンプレックスは自然発生するものではない

コンプレックスは、自然発生するものではなく、他者からの評価や言動が大きく影響します。要するに後天的に育まれる感情であるということです。例えば、自分の容姿に自信が持てずに幾度となく美容整形を繰り返す人がいます。

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話を聞くと、こうした人の生育歴には、子どもの頃に誰かと比べられたり、「可愛くない」といったことを親や身近な人に言われたことがコンプレックスのもとになっていることが多いと感じます。

また、体育の授業などで「鈍い」と言われたことが原因で、運動能力に劣等感を感じるようになり、その結果、スポーツそのものが嫌いになってしまうようなケースもあります。

このように、他者からのひと言が“悪しき呪文”として内在化し、「自分は他人よりも劣っている」という主観的な意識として確立してしまうと考えられます。さらに、そのひと言が好意を寄せる相手からであったり、認めてもらいたい人である場合は、より一層影響力が大きなものとなります。コンプレックスの強い人は、そのことにとらわれすぎて不自由な思いを抱えやすいといえます。

また、何かをするときに「失敗したくない」と強く思い込んで自分を追い込み、無理をしすぎる傾向があります。反対に、失敗を恐れ新しいことにチャレンジできないという人も多いです。

どちらにしても、気持ちに余裕がないので、精神的にはかなり不安定な状態です。イライラすることも増えるので、人間関係を上手く築いていくことが難しくなります。

“優劣”にこだわりやすくなる

さらに、コンプレックスが強い人は、比較されたり、ダメ出しをされたことが根底にあるため、“優劣”にこだわりやすく、物事をつねに勝ち負けで判断してしまう傾向が強くなります。とくに仕事では、プロセス重視ではなく結果ありきになってしまい、威圧的になりやすく、無意識のうちにハラスメントを起こしてしまうこともあります。

では、どのように向き合っていけばよいのでしょうか。まず、自分の意識の中の「比較」に気づくことです。つねに、誰かと、何かと比較していないか、その気持ちが沸き上がってきたときに目をそらさずに向き合いましょう。そして、「違い」はあれど、決して「優劣」ではないということを、冷静にとらえる練習を繰り返します。最初は、そう思おうとしても難しいかもしれませんが、形式的に繰り返しているうちに、自然とそう思えるようになってきます。また、他者に対しての言動にも注意してください。人に注意するときなどに「~さんは、こういうやり方をしていましたよ」など、他人を引き合いに出さないように気をつけたいですね。

次に「コンプレックス」は、自分の思い込みであって、他者は気づきもしないことが多いということです。人は、思っているほど他者のことを見ておらず、気にしていません。以前の記事で、ストレスに強い人は「自分軸」をしっかり持っている。その一方で、ストレスに弱い人は、自分の気持ちよりも、他人からどう思われるか・見られているかという「他人軸」を強く気にする傾向にある、とお伝えしました。

コンプレックスが強い人も同様で、「他人軸」を必要以上に気にする傾向があります。「自分がこうしたい」ではなく、「他者から見られている自分」が第一優先で、他者からの言葉や視線によって「自分はこうあるべき」という自己感情を強く根付かせてしまうわけです。

そして、その他者視線は、そもそもほとんど存在しないので、思い悩むだけ無駄とも言えます。

開き直るのも一つの方法

最後に、コンプレックスは受け入れて、開き直るというのも一つの方法です。例えば、太った際に体型を隠そうと、よりゆったりとした服を選ぶようになると、余計にシルエットが強調されます。体形に合った服を選ぶほうが、スッキリみえたという経験をしたことのある方もいらっしゃると思います。また、話し方を気にされて、相談を受けることも多いのですが、自信満々にとうとうと話しているよりも、たどたどしく一生懸命に発言しているほうが、誠実さを感じて好感が持てたりします。ありのまま自分を受け入れたほうが、不必要なマイナス感情に支配されることも少なくなると思います。

軽度なコンプレックスなら成長のバネになると思いますが、気になりすぎて生活の質を落としているようだったら、今一度、ご自身との向き合い方を考えてみましょう。コンプレックスに必要以上にフォーカスするではなく、自分の良いところを見つけて、その部分を長所として伸ばす努力をしたほうがずっと効果的ですので、自分の「よいことろ」探しもお勧めです。

何かとストレスを感じる日常生活の中で、少しでも気持ちが楽になるよう、参考にしていただければと思います。

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提供元:生きづらさ助長「コンプレックス」との付き合い方|東洋経済オンライン

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