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2022.01.12

イライラ・怒りが減る「1日3行日記」のすごい効果|カーッとなったときは、まずは大きく深呼吸を


怒りやいらだちに困ったら、まずは日記を付けてみましょう(写真:Jiggo_Putter/PIXTA)

怒りやいらだちに困ったら、まずは日記を付けてみましょう(写真:Jiggo_Putter/PIXTA)

仕事や人間関係、家事など、がんばればがんばるほど肩に力が入り、うまくいかなくなる……。こんな経験を持つ人も少なくないかもしれません。まじめな人ほど、周りの目が気になり、肩に力が入りやすいといいます。

「肩に力が入った状態は健康にもよくありません。つねに緊張を感じ、リラックスできません。結果、自律神経のバランスが乱れ、健康を害するのです」と指摘するのは、順天堂大学医学部教授の小林弘幸氏です。

なぜ肩に力が入ってしまうのか? 力を抜くにはどうすればいいのか? 同氏の新刊『小林教授の肩の力を抜くとすべてよくなる』をもとに解説します。

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1回目の記事はこちら ※外部サイトに遷移します

振り返ると私自身、「肩に力が入った状態」で、無理をしながら働いてきた時代がありました。人に認められたい、人に褒められたい、と周りの目を気にしながらがんばってきました。

負の感情による自律神経の乱れは伝播する

特に40代のある時期はそんな気持ちに引っ張られて、今思えばムダな時間を過ごしてしまったように思います。このままではまずいのではないか? と考え始めたのは40代半ばで、それから少しずつ肩の力が抜ける生き方を目指してきました。

実際、40代の頃の私は、チームをまとめる立場にある責任感から、恐れられる上司だったと思います。部下や後輩、スタッフがミスをしたら「鉄は熱いうちに打て」とばかりに早口で怒鳴っていました。

しかし、怒りの感情によってもたらされた自律神経の乱れは伝播します。冷静なつもりの私は怒鳴っている時点で乱れていて、怒鳴られた側は落ち着きを失い、どうやってリカバリーすればいいかと焦ります。

あなたも野球、サッカーなどのプロスポーツの試合でプレッシャーのかかる重要な局面で誰かがミスをし、その1つのエラーがきっかけとなって、次々とエラーが重なっていく場面を見たことがありませんか?

普段は難なく処理できるボールを失い、それが相手のチャンスにつながり、チーム全体が浮足立ち、ミスが連鎖する……。あれは、自律神経の乱れが伝染しているのです。

これは逆にいうと、自律神経が安定することによる安心感も伝播していくということです。

ミスが生じたとき、立場のある側が落ち着いて対応しているのを見ると、周囲も心が落ち着きます。それは自律神経の安定となって、全体のパフォーマンスの向上につながるのです。

そう気づいた私は、怒ることをやめました。そして、どんなときもゆっくり話すことを心がけるようにしたのです。

ゆっくり話すと、自然と呼吸がゆっくりになります。ゆっくりとした深い呼吸は副交感神経の働きを高めてくれるので、自律神経のバランスが整うのです。すると、細胞のすみずみにまでいい血液が流れるようになり、頭と体がいきいきとよみがえり、パフォーマンスが上がります。

反対に、早口な言い方では、呼吸をきちんとすることができません。浅く速い呼吸は、交感神経の働きを高め、それが長く続くと血管が収縮、血流が悪くなり、パフォーマンスが下がってしまいます。そのうえ、話を聞いている相手の副交感神経まで下げてしまうのです。

あなたが早口でまくしたてると、関わる人たちのパフォーマンスを下げることになります。それは結果的にチームの一員であるあなたにとっても、デメリットでしかありません。今日からでも相手の意見に耳を傾け、自分が話すべき内容を整理し、ゆっくり話し始めるよう心がけましょう。

いい自律神経の状態は周りにも伝播しますから、ゆっくり話すあなたの言葉を聞いている相手の心も、どんどん落ち着いてきます。

ゆっくり話すあなたの言葉は、説得力をもって、相手に浸透していくのです。すると、立場を超えた温かみのあるつながりを結べるようになるはずです。

怒りのスイッチが入りそうなら深呼吸を

そもそも怒りの感情は、交感神経を刺激し、自律神経を大きく乱します。
交感神経の働きが強くなると、体内にカテコールアミンやコルチゾールといった、ストレスホルモンが分泌されます。すると、全身の血管が収縮し、血圧が上昇。酸素を運ぶ赤血球が破壊されやすくなり、脳をはじめとした全身の細胞が酸素不足になります。

その結果、冷静な判断ができなくなり、感情の抑制もききにくくなるのです。

ただでさえ、加齢とともに交感神経の働きは優位になり、私たちは怒りやすくなったり、愚痴っぽくなったり、皮肉っぽくなったりしていきます。

ですから、「ああ、自分は今、怒り出しそうだな」「冷静なつもりだけど、怒りのスイッチが入ってしまいそうだな」と感じたら、とにかく一旦、口を閉じましょう。そして大きく深呼吸をするのです。大きく吸って吐きながら、イライラやモヤモヤ、ムカつき、腹立ちを一度、手放し、肩の力を抜きます。

怒りやいらだちの感情を整理していくためにお勧めしたいのが、「3行日記」を書くことです。これは1日の終わりに簡単な日記を付けるというもので、私がアイルランドの病院で一緒に働いていた医師から学んだメンタルコントロールのテクニックです。

やり方は簡単で、1日の最後に次の3つの点について、1行ずつ日記を付けます。

(1)今日、一番イヤだったこと

(2)今日、一番うれしかったこと

(3)明日の目標

たとえば、こんな感じです。
(1)今日、一番イヤだったこと/朝、寝坊してしまったため、1日のスケジュールが崩れてしまい、自己嫌悪
(2)今日、一番うれしかったこと/予定が合わなくなってしまった取引先の人が、「いつもていねいに対応してくれるから」と、リスケに応じてくれた
(3)明日の目標/自分も取引先の人のように、おおらかなマインドで周囲の人に接したい

書き出す3つの順番にも意味があります。

最初にイヤだったこと、つらかったことを吐き出すのは、あなたが何にストレスを感じたのかを知るためです。毎日繰り返すことで、あなたのネガティブなこだわり、とらわれていることが浮かんできます。

過去の人間関係なのか、経済的な悩みなのか、漠然とした先行きへの不安なのか。いずれにしろ、こだわりととらわれの傾向が見えてきます。そして、それを文章として書き出すことで、これまでは抱え込んでしまっていたストレスを発散することができるのです。

実際、心理学の研究では、ネガティブな感情を書き出すとストレスが軽減されるという報告がなされています。

1日のなかで「よいこと」を探し始める

イヤだったことの次によいことを書くのは、気持ちを切り替えるためです。

3行日記を習慣化すると、この1行の文章を書くために、あなたは1日のできごとのなかからよいことを探すようになります。すると、ある時点で日記を見返したとき、過去にあったことはイヤなできごとばかりではなかったと気づき、事実に客観的に向き合えるようになるのです。

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40代、50代になると副交感神経の働きが低下しやすくなります。でも、うれしい、楽しい、幸せといった感情を意識することで、副交感神経の働きを高めていくことができるのです。

日記に書くのを見越して、親しい友人と食事に行く約束をしたり、好きな場所にでかけていったりと、ポジティブな感情を生み出すできごとを自ら作っていくのもいいでしょう。

最後に「明日の目標」を書くことで、未来に目を向けてすっきりした状態で1日を終えることができます。以上、3行日記は非常にシンプルですが、ストレスを軽減し、自律神経を整えるのに優れた効果を発揮します。

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提供元:イライラ・怒りが減る「1日3行日記」のすごい効果|東洋経済オンライン

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