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2021.10.21

「地味につらい口内炎」を繰り返さない予防策|どのような形と色なのか、確認してますか?


一度できてしまうと治るまで何かと気になってしまう口内炎。そんな口内炎の種類や予防・治療をお伝えします(写真:Xeno/PIXTA)

一度できてしまうと治るまで何かと気になってしまう口内炎。そんな口内炎の種類や予防・治療をお伝えします(写真:Xeno/PIXTA)

なんとなく疲れたとき、気づくと口腔内にできている口内炎。1日中ジクジクと痛むため食事や睡眠が妨げられ、仕事のパフォーマンスも落ちるなどストレスの大きい疾患ですが、様子を見ているうちに治るためそれほど対策をせず、その結果、同じようなことを繰り返してしまっている方も多いのではないでしょうか。今回は身近な健康トラブルである口内炎について、その種類や予防・治療をお伝えしたいと思います。

口内炎には2種類ある

口内炎の原因はさまざまであり、一般的によく見られるのはアフタ性口内炎とカタル性口内炎と呼ばれるものです。疾患の名前は一見するとなじみのないものですが、アフタ性口内炎はいわゆる縁が赤く、中心は白く浅い窪みがあるポツポツとした丸い潰瘍で、カタル性口内炎は「口の中が荒れた」と表現されるような口腔内の赤い腫れや水ぶくれです。いわゆる口内炎になったことのある方は、このどちらかにあてはまるのではないでしょうか?

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そのほか、ヘルペスウイルスやカンジダ菌による感染症、ベーチェット病や潰瘍性大腸炎といった全身性疾患によっても口内炎は引き起こされることがあります。

さて、アフタ性口内炎は先述のとおり周囲が赤く、中心が白い境界のはっきりとした潰瘍で、口腔内の粘膜、唇の裏側、歯肉、舌によくみられます。症状は潰瘍のある部分の痛み、食べ物がしみるといったものです。原因は栄養素や睡眠が不足することと考えられており、繰り返しできるものは「再発性アフタ性口内炎」と呼ばれます。通常は1~2週間で治りますが、ベーチェット病といった全身疾患や舌癌が原因のこともあるため、なかなか口内炎が治らない場合や、範囲が広くなってくる場合は、リウマチ・膠原病科や口腔外科などの受診を検討しましょう。

アフタ性口内炎はできてしまうと、市販の鎮痛薬や貼り付け剤で痛みを抑える対症療法で痛みがおさまるのを待つことになります。「自然軽快」(自然と快方に向かう)するという意味では軽い疾患ですが、口内炎が治るまでの間、食事のたびに食べ物が染みたり、痛みで睡眠が浅くなってしまったりとQOL(生活の質)が下がるほか、これらによってますます栄養や睡眠が不足して口内炎の再発につながるという悪循環となるため、口内炎をつくる前の予防が大切です。

まずは疲労やストレス要因を減らし、睡眠時間を延ばすように心がけましょう。栄養素不足の解消としては、バランスよい食事を心がけることに加え、粘膜を保護する働きのあるビタミンB群の補給が効果的とされています。なかでもビタミンB2(レバー、うなぎ、納豆、アーモンド等)やビタミンB6(レバー、マグロ、カツオ、バナナ、にんにく等)は効果が高いとされているため、口内炎がよくできる方はこれらの食材を毎日の料理や外食のメニュー選びの際に取り入れてみましょう。食事での十分な摂取が難しい場合は、ビタミンのサプリを利用してもよいでしょう。

口腔内を清潔にすることも重要

また、口腔内を清潔にすることも重要です。食後や就寝前の歯磨きだけでなく、歯科での定期検診によるクリーニングで、自分では届きにくい箇所の細かい汚れや歯石の除去を行いましょう。さらに近年のマスク生活で口呼吸の頻度が増え、口腔内の乾燥によって唾液が減ることで粘膜の保護作用が低下し、口内炎を発症する例も出てきています。マスクをしていると鼻を覆うため息苦しく、つい口呼吸となりがちですが、意識して鼻呼吸をすることや、こまめに水分補給やうがいを行うことで口腔内を潤しましょう。うがいの際は水だけでなく、マウスウォッシュやデンタルリンス等を用いるとより効果的です。

もう1つの代表的な口内炎であるカタル性口内炎はアフタ性口内炎と異なり、境界のはっきりしない口腔内の荒れが主な症状となります。口腔内が赤く腫れ、刺激のある食べ物が染みるほか、口臭が気になることもあります。疲れや栄養素の不足も発症しやすくなる原因の1つですが、カタル性口内炎の主な原因は物理的な刺激です。具体的には義歯や矯正器具が粘膜に接触する、頬の内側を噛んでしまう、また熱湯や薬剤によって粘膜が傷つくことでそこに細菌が侵入し繁殖して、炎症を引き起こすことで口内炎となります。

したがって予防としては、口腔内を清潔にすることはもちろん、口の中に傷がつくような出来事に対しての治療、例えば矯正器具が合わずに歯肉に食い込んでいるような場合には、適切な歯科治療を受けることが大切です。

アフタ性口内炎とカタル性口内炎、どちらの口内炎も、発症してしまったら直近の生活を振り返り、その原因を取り除くことが重要となります。口腔内のため自分では見えにくい箇所ではありますが、口内炎はすべて同じと思わず、どのような形の口内炎ができているかをきちんと確認し、適切なケアを行うことが長引かせない、繰り返させないコツとなります。

1週間ほど痛みが続くのはつらいことですが、口内炎は乱れた生活習慣に対する黄色信号と考え、より健康な生活に改善するよい機会と捉えましょう。

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提供元:「地味につらい口内炎」を繰り返さない予防策|東洋経済オンライン

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