2021.10.05
「和食は面倒」は誤解!「手抜き✕絶品の秘訣」あり|「魔法の調味料」さえ用意すれば、こんなに簡単
安部氏が開発した「魔法の調味料」さえ用意すれば、20分で簡単に作れる「 カンタンパーティーまぜ寿司 」(撮影:佳川奈央)
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食品添加物の現状や食生活の危機を訴え、新聞、雑誌、テレビにも取り上げられるなど大きな反響を呼んだ『食品の裏側』を2005年に上梓した安部司氏。70万部を突破する大ベストセラーとなり、中国、台湾、韓国でも翻訳出版され、いまもなおロングセラーになっている。
その安部氏が、『食品の裏側』を発売後、全国の読者から受けた「何を食べればいいのか?」という質問に対する答えとして、この度『世界一美味しい「プロの手抜き和食」安部ごはん ベスト102レシピ』を上梓した。15年のあいだに書きためた膨大なレシピノートの中から、たった5つの「魔法の調味料」さえ作れば、簡単に時短に作れるレシピを厳選した1冊で、発売1週間で増刷するなど話題を呼んでいる。
「『ABEMA Prime』チャンネルAbema /news」(9月8日放送)にも出演した安部氏が「『和食は面倒』と勘違いしている人に教えたい『5つの誤解』と『手抜き✕絶品の秘訣』」について語る。
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実は多くの人が「和食は面倒」と思っている
私たちが日々食べる食品に「どれだけの食品添加物が使われているか」、そして「それがいかに日本の食文化を侵食しているか」について訴えた『食品の裏側』が、70万部のベストセラーになってから15年。
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各地で講演会をするたびに何百回、何千回と聞かれた「では、何を食べればいいのですか」という質問にお答えする形で生まれたのが、「安部ごはん」です。
講演会では、「ごく普通の手作りの和食を食べてください」と何度となく話していましたが、ここで気がついたのは、「『和食』は面倒」と思っている人がとても多いという事実でした。
「だしのとり方がわからない」「洗いものが増えて、後片付けが大変」「献立が難しそう」「味付けの基本がわからない」という声も、じつによく聞きました。
しかし、決して「和食は面倒」ではありません。「面倒」と「誤解」してしまい、「和食の良さ」を見逃してしまっていることも少なくないのです。
ここでは、ありがちな5つの「和食の誤解」と、誰でも簡単にできる「手抜き✕絶品の秘訣」を紹介します。
1つめの誤解は「調味料を揃えるのが面倒」ということです。
「和食」の味付けは6つの調味料でOK
【和食の誤解(1)】「調味料」をいろいろ使うのが面倒
「和食は調味料をいろいろ使わないといけないのが面倒」と思っている人も多く、ついつい「〇〇の素」というような「それだけで作れる調味料」に頼ってしまいがちです。しかし、気がつくと、使い切らないものが冷蔵庫にズラリ……という経験はないでしょうか。
たしかに、和食は「しょうゆ」「みそ」「酒」「みそ」「みりん」「酢」の「6つの調味料」があれば、組み合わせ次第でさまざまな味を出すことができます。それぞれ長期保存がきくものですので、この6つを1回揃えてしまえば、頻繁に買い替える必要はありません。
ただ、「いろいろ使うのが面倒」という忙しい人の気持ちもよくわかります。そこで私が考案したのが「それだけで作れる」という「魔法の調味料」です。
「料理家も絶賛!「魔法の調味料」5つは便利すぎだ」でも紹介しましたが、「しょうが焼き」「魚の煮付け」「牛丼」など人気のあるレシピも「魔法の調味料」さえ用意しておけば、「簡単に」「時短」で作ることができます。しかも、手づくりなので「無添加」で作れます。
「料理家も絶賛!「魔法の調味料」5つは便利すぎだ」 ※外部サイトに遷移します
安部氏が開発した「かえし」と「みりん酒」さえ用意すれば、15分で簡単に作れる「鯛の煮付け 料亭風」(撮影:佳川奈央)
【和食の誤解(2)】「だしとり」が面倒
続いて、和食というと「だしとりが面倒」という人も少なくありません。「材料を揃えるだけでなく、手間も時間もかかってしまう」と思っているのが大きな理由なのですが、決してそんなことはありません。
同じく私が考案した「和だし」は、材料は「水」「きざみ昆布」「かつお節」の3つだけで、作り方も「すべて鍋に入れて、沸騰したら火を止め、ざるでこすだけ」です。このとき、きざみ昆布とかつお節を「お茶用のパック」に入れて使うと、後片付けもとっても簡単です。さらに冷蔵庫で3日間保存できますので、つくりおきもOKです。
お湯に溶かすだけで簡単にだしができるものもたくさんありますが、この「和だし」も、無添加で簡単に作れます。
3つめの「和食の誤解」は「調理時間が長い」ということです。
「時短」も「つくりおき」もできるすぐれもの
【和食の誤解(3)】「調理時間が長い」のが面倒
「和食」のイメージでよくあるのが「コトコト煮込む」「じっくり焼く」など、「調理時間が長い」ということです。確かに時間をかけるものもありますが、実際は15分以内であっという間にできる時短料理も数多くあります。
たとえば「ブリの照り焼き」。手間も時間もとてもかかりそうなイメージですが、私が考案した「ド定番のブリ照り」では10分でおいしい「ブリの照り焼き」が完成します。
安部氏が開発した「かえし」と「みりん酒」さえ用意すれば、10分で簡単に作れる「ド定番のブリ照り」(撮影:佳川奈央)
ほかにも「爆速 肉じゃが」「あっという間のサバみそ」「究極の手抜き丼ふんわり天津飯」など、一見時間がかかりそうなものも、15分ほどでささっと作れます。
私が食品加工の経験を活かし、15年かけて開発した「安部ごはん」には、このような時短料理が「肉料理」「魚料理」だけでなく、「野菜料理」「ごはんもの」「おつまみ」などたくさんあります。「和食をもっと手軽に、時短で、誰が作ってもおいしくできるように」と考えて作ったレシピです。
【和食の誤解(4)】「毎回いちから作らなければいけない」のが面倒
「和食は、つくりおきができないから、毎回いちからつくるのが面倒」という話も聞きますが、「だしとり」でも紹介したように、和食でも「つくりおき」できるものがたくさんあります。
先ほども紹介した5つの「魔法の調味料」も、「冷蔵庫で1か月」「常温で3か月」など、一度つくれば長期間使用できます。
ほかに、私が考案した「これぞ万能煮豚」は、冷蔵庫で1週間保存可能です。「味しみしみふろふき大根」なら、冷凍庫で1か月も保存ができます。ごはんのお供にもおつまみにもなる「お手軽ちりめん山椒」は冷蔵庫で3か月も保存可能です。
安部氏が開発した「かえし」さえ用意すれば、5分で簡単に作れる「お手軽ちりめん山椒」(撮影:佳川奈央)
一度まとめてつくっておけば、その後食べたいときにさっと出せてすぐに食べられて、とても便利です。
最後の「和食の誤解」は「子どもが苦手な味」ということです。
【和食の誤解(5)】「子どもが苦手な味」が多い
「和食は子どもがあまり食べたがらない」という話もよく聞きます。たしかに、子どもに人気のメニューは「カレーライス」「パスタ」など、洋食関連が多く、和食の味は馴染みが薄いかもしれません。そんなことから、「子ども用と大人用と分けてつくったりするのは面倒」ということで和食が遠ざかってしまいがちです。
しかし、「魔法の調味料」のひとつ「甘酢」の「甘酸っぱさ」は、子どもも大好きな味です。「甘酢」を利用すれば、大人も子どもも一緒に同じものを食べることができます。
私が考案した「カンタンパーティーまぜ寿司」は大人も子どもも一緒に楽しく食べられるレシピです。「アジの南蛮漬けマイルドver.」は、お酢がツンとしないので、家族みんなが喜ぶ味です。
安部氏が開発した「甘酢」さえ用意すれば、15分で簡単に作れる「アジの南蛮漬けマイルドver.」(撮影:佳川奈央)
きっと子どもにも「和食がおいしい」と思ってもらえるはずです。
「5~15分で簡単にできる和食」もたくさんある
日本における伝統食、それはいうまでもなく「和食」です。四季折々の食材を大切にし、それらを活かして調理する「和食」は、免疫力を高め、健康な体を作ることにもつながるといわれています。
コロナ禍において「食生活の見直し」が重要な課題のひとつとなっているなか、いまこそ和食のすばらしさが再評価されるべきだと思います。そして「和食」のすばらしさは日本人のみならず、この先、世界中の人にますます拡散されていくのではないでしょうか。
「和食の誤解」を解いて、「和食」をもっと身近に食べてほしい、「料理を作るのが面倒」という人もいますが、5~15分で簡単にできる和食もたくさんあるので、「食事」を楽しむのと同じくらい、「料理」も楽しんでほしい――私はそう切に願っています。
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提供元:「和食は面倒」は誤解!「手抜き✕絶品の秘訣」あり|東洋経済オンライン