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2021.10.04

「物を捨てられない」人の気持ちをラクにする方法|整理整頓で物も片付き、執着心も取り払われる


物を片付けられなくて悩んでいる人にみられる共通の考え方とは(写真:takeuchi masato/PIXTA)

物を片付けられなくて悩んでいる人にみられる共通の考え方とは(写真:takeuchi masato/PIXTA)

人生100年時代を幸せに生きるには、「プラス思考で生きるための転換力」が重要なようです。浄土真宗本願寺派 超勝寺の住職、大來尚順さんによる連載「人生100年時代を幸せに生きる明日への一歩」。エンターテイメントコンテンツのポータルサイト「アルファポリス」とのコラボにより一部をお届けします。

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どうにかしたいけれども、どうにもできないことの一つに、なかなか物が捨てられないということはないでしょうか。このお悩みに関しては、二つの立場があると思います。一つは、自分自身で物が捨てられないという自覚を持ち、悩んでいる立場。もう一つは、自分自身としては何も問題意識を感じてはいないけれど、家族や周囲から指摘され、悩んでいる立場です。

アルファポリスビジネス(運営:アルファポリス)の提供記事です

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いずれの立場にしても、「いつか使える」「まだ使える」「もったいない」「思い出がある」「なくなると不安」など、何かと理由をつけて物が捨てられず、気が付けば家が物であふれているというのが共通して言えることでしょう。

よく耳にするのが、物があまりなかった時代に生まれ育った世代の方はどうも物を捨てることに抵抗があるということです。

「いつか使える」とずっと保管

身近なところでは、私の父が当てはまります。終前に生まれた父は、貧しい時代を生きてきたこともあってか、物を捨てることをいつも躊躇(ちゅうちょ)します。なんでもすぐに捨てては後悔することの多い私としては、その姿には見習うべきことが多いのですが、時に行きすぎることもあり、壊れてしまった物やもう明らかに使えない物までずっと保管することもあります。

理由を尋ねると、「いつか使える」の一点張りです。私も家族もお手上げです。

しかし、表情を見ると本人も物が捨てられないことはわかっており、人知れず悩んでいる気もします。きっと長年の習慣により、何が必要か不必要かの境がわからなくなり混乱しているのだと思うのです。

このような状況に心当たりのある方も多いのではないでしょうか。そのような方に気持ちを楽にして過ごしていただく考え方を紹介します。

長年続けてきた「物を捨てる」ことなく保管するという習慣は、そう簡単には変えたり手放したりすることはできないものでしょう。ある意味、身体全体に染みついているものでしょうから、自分から取り除くことができない一部と考え、逆にむしろ大切にしたほうがよいと思います。

捨てられないときこそ整理整頓を

では物が捨てられないことに対して、単純に開き直ればよいのかというと、そういうわけではありません。開き直ったうえで「あること」を心掛けてみることが大切です。

それは「整理整頓」です。

物を捨てることのできない人に多いのは、物は捨てないけれど、部屋・家・敷地内のどこかに放置しているということです。これでは物を捨てることができないということが、ただの悪習慣にしか理解されません。

しかし、「整理整頓」をすることで、「物が捨てられない」から「物を大事にする」という習慣に理解されるようになります。また、整頓できない物は不必要な物として手放すという断捨離にもつながります。

これはいたって単純なことなのですが、できていない人が多いのではないでしょうか。「整理整頓」が重要であるということを、私の父から学びました。

ネジ、ボトル、釘など、それぞれ箱にきちんと分けて保管したり、必要なときにすぐに取り出せるよう、倉庫にきれいに保管していたり、その光景には本当に脱帽です。このような姿を見ると、父は物が捨てられないのではなく、「物を大事にする」人なのだと理解せざるを得ません。こうして周囲に受け止めてもらうことは重要なことだと思います。

また、「整理整頓」はさらに作用するはたらきがあります。それはその過程で行う「掃除」を通して「執着心を払う」というものです。

仏教において、「掃除」は実践すべき大切な教えとして説かれています。「掃除」に関して、このようなエピソードが残っています。

お釈迦様の弟子の一人にシュリハンドク(周利槃特)という僧侶がいました。自分の名前さえ覚えられないほど物覚えが悪い弟子に、お釈迦様は一本のほうきを渡し、「塵(ちり)を払い、垢(あか)を除かん」と唱えながら、ただ掃除に専念するように言いました。

シュリハンドクはそれから20年も言われた通り「塵を払い、垢を除かん」と唱えながらただ掃除をする中で、「塵と垢」とは「自分の物事への偏見や執着」のことで、「心に積もった塵と垢」を払うことが大事であると気づき、悟りを開いたと言われています。

つまり、「整理整頓」することで、物に対する執着心も次第に薄れ、物を手放すということもできるということです。ある意味、「心の掃除」にも繋がるのです。

執着心は完全には取り除けないが

結果的には、「物が捨てられない」という姿の中にある執着心をすべて取り除くとは言えませんが、ある程度は払い、「物を大事にする」という姿に変化させてくれるのが「整理整頓」です。

物が捨てられないということは、決して悪いことではありません。しかし、それを自分も肯定的に受け止め、周囲にも肯定的に理解してもらったほうが、今後の生活をより気持ちよく過ごせると思います。

そのためには「整理整頓」は欠かせない作業となります。これまで保管していた物を一気に「整理整頓」する必要はありません。小さな物でもかまいません。もしくは、これは絶対に大切にしたいと思う物などから取り掛かってみてください。

きっと、自分にも周囲にも変化が生まれてくることでしょう。

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提供元:「物を捨てられない」人の気持ちをラクにする方法|東洋経済オンライン

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