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2021.08.02

50代から「幸せな人生」送るために手放したい事|幸せな人とただ痛い人の差はどこでできるのか


幸せな50代を送るために「手放すべき」ものとは(写真:PIXTA)

幸せな50代を送るために「手放すべき」ものとは(写真:PIXTA)

迷い多き50代。これから何をしていけばよいのか迷っている人も多いはず。そんな50代のキャリアについて説く『50歳からは、「これ」しかやらない 1万人に聞いてわかった「会社人生」の上手な終わらせ方』の著者、大塚寿氏は、40代までの常識を「手放す」ことが、50代にとって必須だと語る。その例として「できることを増やす」「人間関係をなるべく荒立てない」「自分の仕事をアピールする」などの常識を手放すべきだというのだが、はたしてその理由とは。

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50代になったら「拡大主義」はストップ

中年以降の肥満の大きな原因は、基礎代謝が落ちているにもかかわらず、若いときと同じような食生活を送るからだそうです。50代の仕事についても、同じことが言えると思います。仕事における基礎代謝が落ちているのに、「あれもこれも」といろいろなことを求めると、むしろ「メタボ」になって動きが鈍くなりかねないのです。そこでここでは、「50代で手放すべきもの」についてお話をしていきたいと思います。

例えばスキルに関して言えば、20代、30代、40代と年齢を重ねるにつれ、「現場のスキル」や「マネジメントのスキル」を増やしていくというのが、これまでの考え方でした。「できることを増やしていく」拡大主義と言えるでしょう。

さらに言うと、必要とされるスキルは「個人スキル」から「組織スキル」へと変化していく傾向にありました。自分1人で成果を出すのではなく、チームを巻き込みより大きな成果を上げるべく、年齢が上がるにしたがって組織スキルを身につけるべき。上司は自分ではなるべく手を動かさず、人を使って成果を上げるべき。そういう考え方が一般的でした。

では、50代になったらどうするか。ここでいったん「拡大主義」はストップしましょう。もちろん、「部門トップ」「役員」「社長」とキャリアパスを上り詰めたいと思っているならば話は別ですが、そうでない人にとっては「無用の長物」になりかねないのです。

むしろ50代に求められるのは、「スキルの絞り込み」だというのが私の考えです。今までいろいろなスキルと向き合ってきて、自分なりに「これは得意だ」「これは苦手だ」というものがあったと思います。

そのうちの「得意なもの」だけに集中し、あとのものは捨て去ってしまう。人を引っ張っていくのが苦手なら、もうそれは諦めてしまう。どうしても数字が苦手なら、もういっそ数字は読まなくていいと達観する。50代以降は「苦手なものをなくす」という発想をやめてしまうということです。

外資系企業で働くMさんの例です。Mさんの会社はもともと日本企業だったのですが、会社が外資系に買収されたことでアメリカ企業の傘下に。最初は英語の勉強もしたそうですが、どうも根本的に向いていない。そこで開き直って「もう自分は営業力一本でいく」と決めたそうです。すると、そんなMさんの営業力が評価され、会議の際は専属の通訳すらつけてくれることになったそうです。「中途半端に英語を勉強しなくてよかった」とは、Mさんの弁です。

交渉力、雑談力、段取り力、数字を読む力、論理的思考力、営業力、リーダーシップ……ビジネスにおけるスキルは山ほどありますが、50代になったら一度「自分の得意なものは何か」をぜひ、考えてみてください。そして、それ以外のスキルはあえて「捨てる」。もちろん、勉強したいのならばすればいいとは思いますが、「広く浅く」からは脱却すること。それが50代には必要なことなのです。

50代になったら「イヤな奴」とは付き合わない

イヤな上司、生意気な部下、いけ好かない同僚……。「職場の人間関係」は、つねにビジネスパーソンの最大の悩みです。

しかし、それを会社に訴えたところで、明確なパワハラでもない限り、「もう少し我慢できないか」「部下をうまく使うのが上司の仕事だろう」と、取り合ってもらえませんし、「トラブルメーカー」との烙印を押されてしまう可能性もあります。そんな「人間関係のトラブルはなるべく我慢する」という常識も、50代になったら捨て去りましょう。私は「50代になったら、イヤな奴とはつき合うな」と言い切ってしまいたいと思います。

ある会社で、補助金申請のエキスパートとして働いていたNさんの話です。ご存じのように補助金の申請というのは手続きが複雑で、「わざとわかりにくくして、補助金を諦めさせるのが狙いではないか」と揶揄されるほどです。Nさんはその豊富な経験を生かし、取引先の顧客が行政からのさまざまな補助金を獲得できるよう、状況分析から提案、申請書作成までの実務を担当していました。

そこにあるとき、親会社を役職定年になったある人物が、Nさんの同僚として異動してきたのです。

ところが彼は、収入が減ったことが不満なのか、あるいは子会社の慣れない業務が不満だったのか、そもそも出向自体が不服なのか、仕事に対して非常に投げやりな態度を取り続けたのです。

自分の仕事に誇りを持っていたNさんは彼の態度が我慢ならず、日増しにストレスをためていきました。しまいには会社に行こうとすると動悸がしたり、お客様との会話に集中できなくなったりすることも。いわゆる「うつ病」の症状です。結果、しばらく休職することになってしまったのです。

休職期間が終わり、会社と復帰の相談をする際、Nさんはきっぱりと、「またあの人と一緒に仕事をさせられるなら戻らない!」と宣言したそうです。結果、その人物は別のところに飛ばされ、Nさんは無事元の職場に復帰。症状もピタリと収まり、Nさんはその後も自分の専門知識を生かしながら働き続けることができたのです。

実は50代という時期は、役職定年や出向などで、人間関係が激変する時期でもあります。しかも、そうした人事に不満を持つ人も多いため、さまざまなトラブルが起きがちです。そこで「組織の中では上司も、部下も、同僚も選ぶことはできない」と諦め、「いい人」「八方美人」に徹したところで、はたしてあなたにメリットはあるのでしょうか。

どうせ勤められてもあと10年。しかも50代は、その後の人生の準備をする大事な時期です。ここは思い切りわがままになってしまうことをお勧めします。それにNさんのケースでわかるように、専門知識を持つNさんを失って困るのはむしろ会社のほうなのです。会社への貢献という意味でも、堂々と主張すべきです。

産業医や社内カウンセラー、あるいは人事への申告制度など、使えるものはなんでも使ってやりましょう。こういった制度が若い社員のためにあると思い込んでいる人もいるかもしれませんが、そんなことはまったくありません。むしろ、「中年うつ」「老年うつ」の問題は、年々深刻化しています。もう30年も我慢してきたのです。最後の10年くらい、人間関係についてもある程度わがままになってしまってもいいのではないでしょうか。

「元部長」の名刺を配り歩く勘違いエリート

某有名進学校の同窓会の席で、実際にあったエピソードです。

久しぶりに同窓会にやってきたある人物。彼は東大を経て官僚になり、その後有名企業に天下りするという典型的なエリートコースを歩み、定年を迎えました。そんな彼は久しぶりに会った人たちに、しきりと名刺を渡してきます。同窓会で名刺を配るというのはそもそもやぼな話なのですが、その名刺にはなんと「〇〇商事株式会社、元部長××△△」とあったのです。

これには全員、思わず失笑。結局、誰も彼のそばには寄りつかなくなり、彼もそれ以来二度と同窓会に来ることはなかったそうです。「定年後の名刺」に関する笑い話は枚挙にいとまがありません。町内会でなぜか昔の名刺を配る人、個人の名刺に出身大学(もちろん一流とされる有名大学)をなぜか入れている人……。現役時代、著名企業で高い役職に就いていた人ほど、この「名刺の誘惑」から逃れられないのが事実のようです。

ただ、その名刺で周りの人がチヤホヤしてくれたのは、本人をリスペクトしていたからではなく、その名刺の役職が持つ権力を崇めていたからです。「元」になった瞬間、その力は一瞬で消え失せます。そこを理解できない人は、この人のように「痛い人」となってしまうわけです。

その気持ちもわからなくはありません。彼らにとっては「〇〇株式会社の部長」が唯一のアイデンティティーだったのでしょう。それを喪失した瞬間、「何者でもない自分」と直面し、それに耐えられなくなってしまったのです。

この点、現役時代にあまり出世する機会に恵まれなかった人のほうが、定年後に新しいコミュニティーに自然に溶け込み、楽しく過ごせる人が多いようです。これはある意味、出世競争に敗れた人の「リベンジ」かもしれません。

さて、こんな「痛い人」にならないよう、50代で手放しておくべきもう1つのことは「名刺を手放す」です。具体的には、「名刺なしで自分について語れるようにしておくこと」となります。まずは、仕事相手以外の人に対し、名刺なしで自分を語れるようにしておきましょう。仕事の話をしてもいいのですが、それだけでなく、趣味や関心のある分野など「自分はどういった人物なのか」を語れるようにしておくべきでしょう。

「マウンティング」は忘れてしまおう

ここで、間違えがちなことを1つ。自分を語る際に意識すべきは「自分はいかにすごいか」ではありません。「どうしたら相手が関心を持ってくれるか」であるべきだということです。

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ビジネスの丁々発止の世界で生きてきた人はつい「あんなすごいことをやった」「あんなすごい人とつながっている」などと「マウンティング」に走りがちです。それが仕事相手ならば、ある程度ハッタリを利かせる意味もあるかもしれません。

しかし、そうでない人にとってはそんな自慢話を聞かされたところで、「ふーん」というだけですし、「自分をひけらかす嫌な人」と悪い印象すら与えてしまいます。いわゆる「マウンティング」は、50代のうちに、会社員のうちに手放してしまいましょう。

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提供元:50代から「幸せな人生」送るために手放したい事|東洋経済オンライン

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