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2021.07.16

人生後半充実している人が「若いうち」にやること|人生後半のキャリアを組み立てる3ステップ


人生後半のキャリアを充実させるために、今やっておくべき3つのステップとは(写真:Kazpon/PIXTA)

人生後半のキャリアを充実させるために、今やっておくべき3つのステップとは(写真:Kazpon/PIXTA)

前回の記事(50歳手前で「早期退職」に踏み切れた3つの理由)では、私が50歳で早期退職に踏み切り独立することになった経緯について書きました。ただ、人生後半のキャリアをどのように作っていくかについては、人それぞれに勤め先や仕事の内容、置かれた状況が違いますので、1つの事例だけではわからない、という方も多いのではないかと思います。

そこで今回は、一般的に人生後半のキャリアをどのように組み立てて行ったらよいか、そのために何が必要か、その全体像をご紹介していきます。

50歳手前で「早期退職」に踏み切れた3つの理由 ※外部サイトに遷移します

人生後半のキャリアデザインに必要な3ステップ

大きくはまず、(1)自分が人生後半のキャリアをスタートする目標の時期を決めること、そして(2)その時までにやらなければいけないことを洗い出し実行すること、さらに(3)すべての基礎となる心身と経済の健康を保つことーーが必要です。

(1)人生後半のキャリアをスタートする目標の時期を決める
(2)目標となるキャリアをイメージし、やらなければいけないことを洗い出して実行する
(3)すべての基礎となる心身と経済の健康を保つ

(1)人生後半のキャリアをスタートする目標の時期を決める

目標の時期をどう決めるかですが、これは必ず訪れる時を、いったん仮の目標にするといいでしょう。例えば、60歳の定年時であるとか、あるいは、役職定年を迎える時、といったように、明確にいつになるかが決まっている時点を目標にします。そうすれば、今からその目標の日まで何年何カ月何日あるかもわかりますので、この後詳しくご紹介する(2)の「やらなければいけないこと」をいつどのようにやっていくか、スケジュールも立てやすくなります。

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この連載の記事一覧はこちら ※外部サイトに遷移します

目標の時期を仮決めしたら、その後(2)のやることの洗い出しをして、それにどれぐらいの時間がかかるかを考えた結果に応じて、目標の時期を早めたり、遅めたりすればよいのです。早期退職募集のように、あらかじめ予定が立てられず、突然起こる事態にも、間に合いそうであると判断すれば、予定を変更すればよいのです。まずは、自分がこの日までに次の人生を歩み出したい、という日を目標として決めましょう。

この目標に関しては、必ずしも独立や転職という目標にかぎりません。今いる会社の再雇用で定年後も働く、その日が目標の日でも構わないのです。その時に、今回ご紹介するような手順を踏んで今後のキャリアについて十分に考えた上で同じ職場で働くのと、なんとなくベルトコンベヤー式に今の会社で仕事を続けるのとでは、充実感に大きな違いがあるだろうと思うのです。

また、独立や転職などの大きなキャリアチェンジを考えている方であれば、一般に健康年齢が70代前半から半ばであることを考えると、より長く人生の後半を楽しむためには目標の時期を早められるのであれば早めるに越したことはない、といえるでしょう。

粗くてもいいからイメージを固める

(2)目標となるキャリアをイメージし、やらなければいけないことを洗い出して実行する

目標となる時期が決まったら、次は目標となるキャリアをイメージし、やるべきこと・やらなければならないことを考えます。

すでに人生後半で何をやりたいかが具体的にイメージできている人であれば、そのイメージをより具体化していくことが必要です。一方、まだ具体的なイメージが持てていない人であれば、まずは粗くてもいいのでイメージを固め、それを少しずつ膨らませて、次第に具体的なものにしていく必要があります。

どちらの場合でも役に立つと思われるのは、知り合いや先輩などですでに人生後半のキャリアをスタートさせ、それを楽しんでいると思う人に話を聞くことです。特に、すでに自分がやりたいことのイメージが固まっている人であれば、自分の理想と思えるような人生後半のキャリアを歩んでいる人に話を聞くことは、どのように自分のプランを具体化させればよいかがわかるだけでなく、自分の目標についての期待を膨らませ、モチベーションを高める意味でも大きな意味があるでしょう。

まだ具体的なイメージが固まっていない方は、どのような仕事・スタイルであれ、人生後半のキャリアを楽しんでいると感じられる先輩やお知り合いに、手当たり次第に話を聞いてみるのもいいと思います。具体的に自分の目標が決まっている方であっても、自分が理想とするものとは違うかたちでいきいきと過ごされている方に話を聞くことは、新たな可能性に気付いたり、その結果自分の目標を修正したりするきっかけになるかもしれません。

新型コロナウイルスの影響ですっかり普及したオンライン会議の仕組みをうまく活用してヒアリングするのも1つの方法です。ZoomやTeamsのようなビジネスで使われているものでなくても、例えば LINE でも同じようにビデオ通話ができますし、普通の電話でヒアリングしても構わないと思います。こうすれば、遠く離れた場所にいる人に話を聞くことも可能です。

こうしたヒアリングによって、自分が目標とする人生後半の過ごし方がイメージできるようになったら、今度はそれを実現するために必要なことは何かを洗い出します。

大きくは3つあります。まず、a. これまでの自分のキャリアで経験してきたことの中から、今後やりたい目標のために役立つ経験を洗い出してみること。つまりはキャリアの棚卸です。b. 2つ目は、自分がやりたいことを実現するために必要な人とのつながり、いわゆる人脈を作る方法を考えること。c. そして3つ目は、自分の目標を実現するために必要な(専門)知識の習得です。

a. キャリアの棚卸をする
b. 人脈を作る方法を考える
c. 必要な(専門)知識の習得

自分の強みやオリジナリティを見つける

a. のキャリアの棚卸に関しては、転職や再就職など、会社を変えて仕事をする場合に必要とされる「職務経歴書」を作ってみることをおすすめします。職務経歴書は、一般に書式は指定されていませんので、どのように書いてよいかわからない、と思う方もいるかもしれませんが、インターネットで検索すると職務経歴書の具体例やひな形も見つかりますので、それに従って書いてみるのも1つの方法です。

作成してみると、自分のこれまでの経験の中から、今後やりたいと思っていることに役に立つものを再発見したり、これまでの経験をどう役立てればよいかということが見えてくるでしょう。そこから、自分の強みやオリジナリティといったアピールポイントに気が付くことができれば、やりたい目標を実現することに一歩近づいたといえます。

2つめは b. 目標を実現するために必要な人のつながりです。自分1人でやっていく方法もあるでしょうが、仮によく知った仕事をするにしても、仲間がいることは、仕事を支えあったり、融通しあったりなど、大きな意味があると私は思います。

また、これまでの仕事とは異なる仕事を選ぼうとする場合は、言ってみればその業界に関しての「新米」「新人」になるわけですから、自分にとって「師匠」となってくれる人や「先輩」となってくれる人を探すことは、自分の目標をよりよく実現するために非常に重要です。

ただし、ここで注意しておきたいのは、「先輩」や「師匠」と言っても、自分より年上の人とは限らない、ということです。むしろこれから10年、20年にわたってその業界で仕事をしていくことを考えれば、今活躍している若くて有能な人たちを師匠や先輩として関係を持たせてもらうほうがいいのではないでしょうか。

そうした人たちがどこにいるかわからない場合には、まずその職種や業界のセミナーに顔を出したり、そうした人たちが集まる場に参加するなどの方法で、どういう人がいるのか、またどういう人が自分にとって相性のあう先輩や師匠、あるいは同僚になりそうかを見極める必要があります。

新型コロナウイルスの影響で、対面でこうしたものが実施される頻度は現状少なくなっていますが、オンラインでさまざまなセミナーや会合が開かれていますので、そうしたものを活用すれば、離れた場所で開催されているものでも簡単に参加することができます。特に海外で開催されるものであれば、むしろ今の方が参加するチャンスは広がっているといえるでしょう。

知識を身につけるにはどうしたらいいか

そして3つめは c. 目標を実現するために必要とされる専門的な知識の洗い出しと、それを身につける方法を知ることです。特定の資格や免許が必要な仕事に就きたいのであれば、それを取ることを考えなければなりませんし、取るために最もよい方法を知ることも必要です。

免許や資格が必要でない場合でも、その業界や職種で仕事をする上で基礎的と考えられる知識については、最低限押さえておく必要があります。これはインターネットで勉強する方法もあるし、書籍などを活用する方法もあるでしょう。そして有料のオンライン・オフラインを含めたセミナーや講座を受講するという方法もあります。

この時に、a. の棚卸で可視化した自分のキャリアや経験の中で役に立つものがあれば、その上に最新の知識を積み上げたり、知識を深めたりすればよいので、ゼロから始めるより効率もいいでしょう。その意味で人生後半の目標とする仕事については、これまでのキャリアと何らかのかかわりがあるもののほうが選びやすく、準備に要する時間も少なくてすみ、最終的な成果にもつながりやすくなる、と言えます。

こうしてやるべきことと、やるべきことが完了する目標の時期が決まれば、あとはそれに従って実行するのみです。さまざまな理由で予定通りいかないこともあるでしょう。その時には、目標を見直し、軌道修正をして再び取り組んでいくことになります。

(3)すべての基礎となる心身と経済の健康を保つ

そして最後に、どのような人生後半の過ごし方をするのであれ必ずついて回るのが、自分の健康とそしてお金の問題をクリアすることです。これは、能動的に自分の今後のキャリアを考える人にとどまらず、すべての人が避けて通ることができない課題です。

健康については、ミドルからシニアになれば、健康診断などで何らかの健康上の留意点を指摘される人が少なくないと思います。この点については、本当に治療が必要になってから考えることにして、それまでは気にせず過ごすという方もいるかもしれません。

健康に留意することはけっして無駄にならない

ただ、もし転職や再就職を考えていたり、あるいは独立や開業を考える方であれば、健康上の問題が不採用につながるなどの障害になったり、独立や開業した場合に、自分の健康が損なわれれば収入の基盤を失うことに直結しますので、まだ治療が必要のないうちから、健康上の留意点をケアしていくことは人生の後半を充実して過ごすうえで、けっして無駄になりません。

私の場合は、家系的に糖尿病の可能性があり、また実際の健康診断でも徐々に血糖値が上がり始めていたために、日々の生活に運動を取り入れてこの問題に対処しています。結果的にその中でランニングの楽しさに目覚め、今ではマラソン大会に参加することが自分の楽しみになっています。

また、再就職や独立開業する場合は、前職を辞めてから生活費をまかなうだけの収入が得られるようになるまでに、一時的に収入が途絶えたり、大きく減ったりすることも考えられます。こうした時に、ある程度お金の余裕がなければ安心して目標を実現することが難しくなります。経済面での心理的な安心感は非常に重要で、お金の問題に見通しが立っていれば、余裕を持ってさらに新たなチャレンジをすることも可能になります。

今回は、人生の後半をどのように過ごすか、どのように自分のキャリアを新たに作るか、その全体像を理解していただけるように概要を書きました。次回以降は、個別の課題について、自分自身の経験も交えながら、掘り下げて考えていきたいと思います。

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提供元:人生後半充実している人が「若いうち」にやること|東洋経済オンライン

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