2021.04.22
苦手な人が多くて「生きづらい人」に必要な視点|嫌いなままでいい、ダメだと感じたままでOK
職場でもプライベートな人間関係でも、苦手な人が多いと感じてしまうのは「付き合う人を自分で選べていない」からなのかもしれません。職場にいる嫌いな人の攻略法をお伝えします(写真:buritora/PIXTA)
「思い描いていた自分と違う」「自分と他人を比べて苦しくなる」……そういった悩みの原因の大半は、自分の外側ではなく、自分の内側にあります。心の中で迷子になっている本当の気持ち(=未処理の感情)が引き起こしているのです。等身大の自分を受け入れて、ラクに生きたいと思いませんか?
2万人を超える女性のサポートの経験から認知行動療法をベースとした「4nessコーピング」を開発した、日本心理学会 認定心理士の城ノ石ゆかりさんによる連載「そろそろ『わたし』でいきていく」。エンターテイメントコンテンツのポータルサイト「アルファポリス」とのコラボにより一部をお届けします。
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「苦手な人が多くて生きづらい」「人とうまく付き合えない」……そういった人間関係に関わる悩みの原因の大半は、自分の外側ではなく、自分の内側にあります。心の中で迷子になっている本当の気持ち(=未処理の感情)が引き起こしているのです。等身大の自分を受け入れて、ラクに生きたいと思いませんか?
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本連載では、アルファポリスより好評発売中の『そろそろ『わたし』でいきていく ~今日から自分を好きになるために~』(城ノ石ゆかり)から一部を抜粋し、そのヒントをお届けしていきます。
「選ばれる側」だと思い込んでいると…
職場でもプライベートな人間関係でも、苦手な人が多い。
そう感じてしまうのは、「付き合う人を自分で選べていない」からなのかもしれません。苦手な人が多くて生きづらい人ほど、実は誰とでも友人関係を作ろうと努力している傾向があります。
「友達100人できるかな?」と教育されてきた影響が、自分で思っている以上に強いのかもしれません。みんなと良好な人間関係を結ばなければならないと考えるから、自分の色を出さないように抑え込んでしまい、生きづらくなるのです。
たとえば友人が少ないことを恥ずかしがる人は、自分はいつだって他者から友人として「選ばれる側」だと考えています。「選んでもらったからには好かれなければ」とますます自分の色を消してしまうから、気づくと周囲から素のままでラクに付き合える人がいなくなります。
でも、人間関係はそもそもあなたが一方的に選ばれる側ではありません。
あなたは選ぶ側でもあるのです。
選び、選ばれるのが自然だからこそ、好きな人がいるのも、嫌いな人や苦手な人がいるのも自然なことだといえます。
苦手な人とは、うまく付き合えなくてもいい
自分の好き嫌いなどに関係なく、周囲にいる人とは誰とでもうまくやっていかなければならないと誤解していないでしょうか?
まずはここをチェックしてみましょう。そのうえでさらにもう一歩自分を好きになるために、次のステップへ進みます。なぜその相手がそんなに苦手で、イヤなのかをしっかり見ておくのです。
このとき、無理してその人と関わる必要はありません。相手の言動を見て「イヤだな」と嫌悪したのはどんな部分だったか。なるべく具体的に思い出してみるのです。
言葉遣いが下品なのがイヤ、お金に細かい、いつもピリピリしていて怒りっぽい……、
ささいなことで大丈夫ですから、なるべく具体的に紙などに書き出すといいでしょう。
正直に詳細にリストアップできたなら、実はそれだけでも大したもの。なぜならそこにリストアップされている要素こそ、あなた自身が許せていない自分の一部分だからです。
他人の中に見るイヤな部分は、「これをしてはいけない」とかつての自分が自分に禁じたことです。「それが私の一部なわけがない!」と、思わず否定したくなったり、目を背けたくなったりする部分でもあります。
でもそれを相手の中に見てしまうから、その人から目を背けたくなります。つまり嫌いな人が多いなら、許せない自分がそれだけ多く自分の中にいるのです。
あなたを苦しめる、あなたが許せない自分の一部を持ったイヤな人。
これは、苦手なら気にしなければいいとか、関わらない、ブロックすればいいといった単純な対処ではもったいないです。
許せない自分を「これは自分ではない」と封じてしまったら、それこそ堂々巡りです。きっとこれまでも、ダメな自分を自分に禁じるという頑張りを精いっぱいやってきました。そのやり方をそろそろ、変えてみてもいいはずです。
嫌いな人は、あなたが本当の自分に出会うために現れる
いま必要なのは、フタをしてぎゅーっと押し込めていた自分のイヤな部分への憎しみを少し、ゆるめてやること。「許す」ことだと思います。
これは何日も掃除していない排水口を、恐るおそるのぞくようなイヤな作業です。だから嫌いなままでいいし、ダメだと感じたままでもOK。一旦見てみてつらくなったらフタを閉めるのもアリでしょう。
それでもまた、しばらくしたら開けてみてください。目的は「ダメなところを直す」ではなく、「それも自分の一部なんだ」と少しずつ受け止めることです。受け止められたとき初めて「じゃあどんな自分でありたい?」と改めて思い描くことができます。
実はこの時点で、あなたはどんどん本来の自分に近づいています。少なくとも、イヤな自分を見て見ぬフリして、「いい人」を装ってきたあなたではなくなります。
すると周囲の人が見せてくる反応も変わってきます。苦手な人への嫌悪感も同様に少しずつゆるんでくるでしょう。彼らの存在が本当に気にならなくなってくるから不思議です。
「運は人の縁が運んでくる」なんてよくいいますが、それは苦手な人との縁であっても、同様に当てはまる法則だと私は思います。
嫌いな人の嫌いな部分と同じ形をした「種」を、私たちは必ず自分のどこかに持っているものなのです。
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提供元:苦手な人が多くて「生きづらい人」に必要な視点|東洋経済オンライン