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2021.04.19

iPhoneで「個人情報」を抜かれないための設定術|「ポイントが付与されない」問題への対処法も


「iOS 14.5」でプライバシー機能はどのように強化されるのでしょうか(筆者撮影)

「iOS 14.5」でプライバシー機能はどのように強化されるのでしょうか(筆者撮影)

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スマートフォンは個人情報のかたまり。電話帳や写真はもちろん、サイトへのアクセス履歴やアプリの利用履歴など、さまざまなデータが蓄積されている。こうしたデータの一部を利用することでユーザーを追跡し、広告を出すアプリやサイトも少なくない。一方でアップルは、メーカーの中でいち早くプライバシー重視の姿勢を打ち出し、各種機能を実装してきた。LINEの情報管理問題が起こり、プライバシー意識が高まる中、改めてこうした設定を見直してみてもいいだろう。

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タイミングよく、アップルは近く公開するiOS 14.5でプライバシー機能を強化する。アプリ側がユーザー追跡をしようとした際に、従来以上に厳格な同意を求めるようにする予定だ。これとは別に、iOS 14で追加されたプライバシー関連機能は少なくない。ただ、こうした新機能はさり気なく実装されているケースが多く、意識して使っていないと、それとは気づけない可能性もある。そこで今回は、iOSのプライバシー設定に関しての、基本から応用までを紹介していきたい。

iOS 14.5で厳しくなるユーザー追跡

iPhoneには、IDFA (Identifier for Advertisers)と呼ばれるユーザーを見分けるための識別子が用意されている。アプリに広告を出す際に効果を測定したり、ユーザーごとに広告の内容を出し分けたりする際に、これが利用される。ただ、IDFAはユーザー側からは見えず、アプリが取得する際にも規約などに書かれるだけで、ユーザーのプライバシー情報が使われているのかどうかがわかりづらい。

iOS 14.5から、アプリがユーザー情報を追跡する際の同意が必須になる(筆者撮影)

iOS 14.5から、アプリがユーザー情報を追跡する際の同意が必須になる(筆者撮影)

OS 14.5では、アプリ開発者がIDFAを利用する際に一部制約がかかる。具体的には、ユーザーの追跡をしようとしたとき、必ず同意を取るためのアラートが表示される仕組みが導入される。この同意を取得しなければ、アプリ側はIDFAにアクセスできなくなる。アップルによると、OSアップデート後に、同意取得のプロセスを経ていないアプリは、一律でIDFAを利用できなくなるという。そのため、広告で収益化しているアプリの多くは、これに対応することになると見られる。

アプリ側からIDFAへのアクセスが不可能になるだけで、アプリそのものの利用はできるため、拒否しても問題はないが、中にはユーザーごとに表示する情報を最適化しているアプリもある。また、ランダムで表示される広告より、自分向きのものを表示させたいという人もいるだろう。このようなときには、後から設定を変更することもできる。

設定情報は、「設定」アプリの「プライバシー」にある「トラッキング」にまとめて表示される。ここで個々のアプリの同意に関して、設定を変更することが可能になる。さらに、「アプリからのトラッキング要求を許可」のスイッチをオフにすると、一律でトラッキングを拒否して、アプリを開いた際にアラートが表示されないようにすることもできる。OSをiOS 14.5にアップデートしたら、まず試してみたい機能と言えるだろう。

勝手にマイクやカメラが使われている?

iOSのアプリは、OS側が持つ機能やデータ、デバイスを使おうとする際に、権限を取得する。例えば、位置情報を使おうとしたときには、その旨が画面に表示され、ユーザーの同意した範囲の情報に対してアプリ側からアクセスできるようになる。アプリを開いたときに一括で同意を取るのではなく、その機能を使おうとした際に表示されるため、煩わしさもない。

アンテナマークの緑色の●が、カメラを使っている証拠(筆者撮影)

アンテナマークの緑色の●が、カメラを使っている証拠(筆者撮影)

マイクやカメラといった機能は、ユーザーの個人情報に直結する。ユーザーの気づかないうちに、会話や、映像を収集できてしまうからだ。例えば、音声で何かを操作したり、カメラでQRコードを読み取ったりするアプリなら、こうした機能にアクセスするのは理解できる。一方で、マイクやカメラが本当に必要なときだけ使われているかは、ユーザー側からはわからなかった。こうした不透明さを改善するため、iOS 14ではマイクやカメラが使われた際に、さりげなくユーザーに知らせる機能が搭載された。

例えば、Zoomを起動して、新規ミーティングを立ち上げてみてほしい。ビデオつきで新規ミーティングを始めると、画面右上のアンテナマークの左に、緑色の「●」が表示されるはずだ。これは、アプリ側からカメラ機能を使っていることを示している。ビデオなしで新規ミーティングを立ち上げると、緑色の●はつかない。ビデオなしで会議を始めても、アプリが裏で映像を収集していないことがわかって安心というわけだ。

同様に、LINEで音声通話機能を使おうとすると、アンテナマークの横にオレンジ色の●が表示される。これは、アプリがマイクを使って音声を集めていることを意味する。

アプリを開いた直後は●が表示されないことから、ユーザーがマイクを使う必要性があるときだけ、マイク機能にアクセスしていることがわかる。逆に、特にカメラやマイクを使っている様子がないのに、●が表示されるアプリは、ユーザーが気づかないうちに何らかの情報を集めている可能性があるため、警戒したほうがいい。

いったん与えた権限を取り消すこともできる。「設定」アプリで「プライバシー」を開き、「カメラ」や「マイク」を選択。ユーザーがこれらの機能へのアクセスに同意したアプリは、スイッチがオンになっている。怪しい挙動を示すアプリがあった場合は、これをオフにしておけばいい。iOS 14で、こうしたコントロールをユーザー自身でしやすくなったことは覚えておきたい。

ポイントサイトでは設定をオフに

iPhoneのSafariには、サイトを越えたユーザーの追跡を防止する機能が搭載されており、標準でこの機能はオンになっている。ユーザー情報を保存したCookieをサイトを横断して収集する行為をブロックするのが、この機能の役割だ。「設定」アプリから「Safari」を開き、「プライバシーとセキュリティ」の欄をチェックすると、それがわかる。

オンにしたままだと、サイトをまたがって収集した情報に基づいた広告が表示されないといったメリットがある。一方で、ユーザーがあえて情報を渡したいときに、トラッキングができないことで、問題が起こるケースもある。ポイントサイトは、その代表例と言えるだろう。こうしたサイトは、トラッキングの仕組みを利用して、訪問先のサイトでの購入を取得し、ユーザーにポイントを付与している。

個人情報を守る設定だが、オンのままだとポイントをもらえないなど不利益になることも(筆者撮影)

個人情報を守る設定だが、オンのままだとポイントをもらえないなど不利益になることも(筆者撮影)

そのため、標準のままで使っていると、想定していたポイントがもらえないといった事態も起こる。例えば、楽天の運営する楽天リーベイツでは、Safariのサイト越えトラッキング防止機能をオフにしてから利用するよう、推奨されている。

個人情報よりポイント優先という場合は、この機能を一時的にオフにしておいてもいいだろう。サイトを使い終わったあとに、上記の設定メニューからオンに戻しておいてもいい。メジャーなサイトでは、Yahoo!JAPANも、サイト越えトラッキングを防ぐと一部機能が利用できなくなる告知を出している。

わざわざ設定を変更するのが面倒だが、やはりポイントサイトは使いたい。そんな人は、アプリを導入するのも手だ。上記の楽天リーベイツなら、専用アプリを使えば、買い物のときにだけ設定を変える必要がなくなる。利便性とプライバシーのバランスをどう取るのかがカギになるが、少なくとも、トラッキング防止機能をオフにしたままだと、さまざまな情報が横断的に収集されていることは知っておいてもいいだろう。

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提供元:iPhoneで「個人情報」を抜かれないための設定術|東洋経済オンライン

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