メニュー閉じる

リンククロス シル

リンククロス シルロゴ

2021.04.16

「新卒の指導に悩む人」に伝えたい3つの心構え|受け入れ側も「緊張」を強いられている現実


新人を指導する側が意識すべきポイントとは?(写真:jessie/PIXTA)

新人を指導する側が意識すべきポイントとは?(写真:jessie/PIXTA)

こんにちは。生きやすい人間関係を創る「メンタルアップマネージャ®」の大野萌子です。

4月から新卒を職場に迎え入れた部署も多いと思います。昨今、よく耳にするのは、新人への対応の仕方に戸惑う、と受け入れる側や管理者からの不安の声です。指導の仕方がわからないといった声も聞かれます。要するに受け入れ側が、教育するための教育を受けておらず、自分が受けてきたものを、見よう見まねで伝えるのがせいぜいで、それが不安につながっているようにも思います。

記事画像

この連載の記事一覧はこちら ※外部サイトに遷移します

昔のように、終身雇用制度の中で時間をかけて社内の風土や文化、知識を積み上げるといった職場も少なくなっています。雇用形態も変わり、管理者もその組織で社会人のスタートを切ったとは限りません。さらに、時代の変化とともに昔のやり方が通用しなくなってきています。新人だけでなく、受け入れ側もかなりの緊張を強いられていることは事実です。

新人に職場の環境や仕事に慣れてもらい、自主的に動いてもらうには、世代の特徴を理解して、それに合わせた指導や指示を実践する必要があります。

いわゆるデジタルネイティブ世代は、小さい頃から、スマホやPCなどの機器に触れ、知りたいと思えば即座に情報が得られる環境で育ってきました。その世代によく見られる「苦手意識」と、関係づくりに役立つポイントをお伝えしたいと思います。

デジタルネイティブ世代に見られる、3つの苦手

●特徴1「考えること、質問すること」が苦手

ネットですぐに回答を得られることを日常としてきた世代は、まずは考えてみるということが苦手な傾向にあります。調べればわかるのだから、早いところ調べて答えを確認したいという思いが強く、プロセスを端折(はしょ)りがちです。また、直接的なコミュニケーションを取るのが苦手という面もあります。

ある企業では、機器の前で立ち尽くしている新入社員に声をかけたら、「使い方がわからないので、スマホで検索していた」と答えられて、驚愕したという人がいました。ちょっと声をかけてくれたら済むのに、それをしないことへの驚きです。実際に私も新入社員対象の面談の中で、「質問ができない」と訴えるケースに出合うことが多くあります。

その理由は、「上司(もしくは先輩)が忙しそうなので、声をかけるタイミングがわからない」というのが最も多く、次いで、「困ったときに、そもそも何が問題がよくわからないので、どのように質問していいかわからない」。そして、入社後1カ月くらい経ったころから聞かれるのが、質問をしにいったら、嫌な顔をされた、もしくは「また?」と言われてしまったことによって、そのあと聞きに行けなくなったというものです。

コミュニケーションは、日々少しずつ育むものです。仕事を教えるときは要所を押さえ、ヒントになるようなアドバイスをしながら並走し、「考える習慣」を身に付けてもらうこと。そして、ヒントをもとに自分で考え、わからなければ質問するというサイクルを構築することが望まれます。

●特徴2「想定外」が苦手

「想定外が極端に苦手」というのも新卒世代の特徴のひとつです。ものを買うとか、どこかへ遊びにいくなど、生活上のあらゆる場面で、何か行動を起こす前に、まずはネット検索し、ある程度の情報を得て自分なりの予想をつけてから動きはじめる習慣が身に付いています。そのため、想定外の事案を前にすると動きが止まってしまう傾向があります。

イレギュラーな案件など「本人が想定していなかった仕事」を振るときは、仕事の進め方やスケジュールを具体的に伝えるなど、仕事の見通しがつくように工夫する必要があるでしょう。もちろん急を要する案件も出てくるとは思いますので、臨機応変に対応してもらうよう、本人が考える100%の準備でなくとも、走りながらやることを促すことができるとよいかと思います。

●特徴3「電話」が苦手

「電話が苦手」と言われるようになって久しく、この時期になると取りあげられることの1つかと思います。学生時代からSNSやメールでコミュニケーションをとってきて、親しい友人とさえ通話することがほぼない状況で、通話というコミュニケーションをトレーニングする場が失われています。

また、文字ツールは、自分の好きなタイミングでゆっくりと言葉を選んで意思伝達することが可能なため、瞬時に反応しなければならないコミュニケーションに不慣れなのです。それゆえに、業務の初期段階で失敗しやすく、それが苦手意識になって電話を避けるようになると、負のスパイラルに陥ります。まずは、社内のやり取りで練習する、伝える内容をテキスト化するなど、電話に慣れてもらう指導が必要です。

積極的に関わり、相手を正確に理解していくことが重要

指導や指示は、相手のことを理解できないとうまくいきません。まずは、指導する相手の特徴を知っていただけたらと思います。

また、個人差もあるため、個別に関わっていくことが重要です。想像や決めつけで人間性を判断してしまうと、正確に相手を理解できず、どこかで必ずコミュニケーションの行き違いが発生します。一度コミュニケーションの行き違いが起こると、お互いに関わることを避けるため、指導はますます難しくなってしまうと思います。

関わり方に苦手意識がある方々こそ、定期的に対話をする機会を作るなど、積極的に新卒世代と関わってみてください。今回のアドバイスが、よりよい関係性を育む一助となることを願っています。

記事画像

【あわせて読みたい】※外部サイトに遷移します

仕事中「なぜか機嫌がいい人」がしていないこと

「電話嫌いの若者」が急に増えた意外すぎる理由

上司としては無能な「優秀な人」が多い理由

提供元:「新卒の指導に悩む人」に伝えたい3つの心構え|東洋経済オンライン

おすすめコンテンツ

関連記事

“秋うつ”にご注意!予防法を徹底解説

“秋うつ”にご注意!予防法を徹底解説

急激な温度差によるストレス「夏うつ」に注意|休むだけでは「心身のリセット」はできない

急激な温度差によるストレス「夏うつ」に注意|休むだけでは「心身のリセット」はできない

「メンタルを病む60代」「余裕ある60代」の決定差|人間関係に悩む中高年を救う空海の教えとは

「メンタルを病む60代」「余裕ある60代」の決定差|人間関係に悩む中高年を救う空海の教えとは

「電車で化粧」に小さなストレスを感じる人の特徴|「何となく疲れる」人の背景にある"かくれ繊細"

「電車で化粧」に小さなストレスを感じる人の特徴|「何となく疲れる」人の背景にある"かくれ繊細"

戻る