2021.03.16
日本人に朗報、腸にいい「和風パスタ」身近な4品|「納豆、大根おろし…」和食は腸活食材の宝庫!
日本の食材を使った腸にいい「和風パスタ」をご紹介します(写真: Key West/PIXTA)
世界的に著名な自然療法士でオステオパシストのフランク・ラポルト=アダムスキー氏。1992年に発表された「アダムスキー式腸活法」は30年近く欧州で愛され続け、その「腸活メソッド」を紹介する著作は、本国イタリアのみならず、ドイツ、フランス、スペイン、ポルトガル、ベルギー、トルコなど世界中で話題になっている。
「アダムスキー式腸活メソッド」は、Google.itの食事法(ダイエット)部門(2017年)で「最も検索されたキーワード」ベスト3に選出されたほどで、その全メソッドを記した著書『腸がすべて』は、日本でも4万部のベストセラーになるなど、話題を呼んでいる。
訳者の森敦子氏が本書の翻訳を通して感じたのは、「食べ物は『何を食べるか』ではなく、『何と組み合わせて食べるか』が大事」ということ。
では、アダムスキー氏の提唱する「最高の腸を手に入れるための組み合わせ」はどうやって食卓に取り入れればいいのだろうか? 今回は、本書の翻訳を手掛けた森氏が、「日本の食材を使った腸にいい『和風パスタ』」について解説する。
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「トマトがNG」でも、日本には「腸活に効くパスタ」がある!
パスタの国イタリアを中心に、世界中で30年近くにわたり支持され続けている「アダムスキー式腸活法」。
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その根幹にあるのは、食品を「下りてくるのが速い食品(ファストの食品)」と「下りてくるのが遅い食品(スローの食品)」に分け、毎回の食事で「『食材の組み合わせ』を『正しく選ぶ』ことで腸に負担をかけず、『腸を詰まらせない』」というものです。
しかし、「アダムスキー式腸活法」に従うと、「腸に悪い「トマトパスタ」上手に食べる凄い裏技」でもお話したとおり、「トマト(ファストの食品)×小麦(スローの食品)」の「トマトパスタ」はNGの組み合わせ。そこで、前回の記事では、カルボナーラやジェノヴェーゼなど、「日本人も簡単「最高の腸活パスタ」超定番4品目」を紹介しました。
今回は、日本ならではの「和風パスタ」から腸にいいものを紹介したいと思います。実は、食物繊維を多く含む根菜類、きのこ、海藻から、発酵食品の納豆まで、日本の食材の中には「腸の働きをよくする食べ物」がたくさんあるのです。
しかも、その多くは「小麦」と同じ「消化の遅い『スローの食品』」。小麦で作られた「パスタ」と安心して組み合わせることができます。今回は、アダムスキー博士おすすめの食材を使った「腸にいい和風パスタ」を4品、紹介します。
1つ目は、腸活スーパーフードの1つである「納豆」を使用したパスタです。
「薬味」も「スロー」の食材を選ぶことがコツ
【1】「大豆」の発酵食品を使った「納豆」パスタ
大豆は「スーパーフード10」の1つに挙げられています(写真:decoplus/PIXTA)
【主に含まれる食材】
・パスタ(スロー)
・納豆(スロー)★腸活スーパーフード
日本を代表する健康食品の1つ「納豆」。その原料となる「大豆」は「アダムスキー式腸活法」でも「スーパーフード10」の1つに挙げられています。大豆は定期的に摂取すると「悪玉コレステロール値」を下げる効果が期待できるといわれています。
日本には数多くの大豆製品がありますが、その中でも「納豆」は、腸内で善玉菌の働きをして腸の状態を整え、便通がよくなる効果が期待できる「納豆菌」が含まれています。
食品から摂った善玉菌は腸内では1日ほどしか定着しないので、毎日摂取することが大切だといいます。腸活のことを考えると、「納豆」は毎日でも食べたい食品なんですね。
「和食パスタ」に欠かせないのが「海苔」や「しそ」などの「薬味」ですが、「薬味選び」でも「ファストの食品」と「スローの食品」を組み合わせないようにしなくてはなりません。ここに、和食でよく使われる薬味の「消化の速さ」をまとめました。
【◯】「スロー」の薬味=「パスタ」と組み合わせOK
・ねぎ、海苔、ごま
【✕】「ファスト」の薬味=「パスタ」と組み合わせNG
・唐辛子、梅干し、ゆず、すだち
【◯】「ニュートラル」の薬味=「パスタ」と組み合わせOK
・しそ、からし、わさび、しょうが
※「ニュートラル」は、「スロー」とも「ファスト」とも組み合わせられる。
「海苔」「ねぎ」などは「スロー」なのでパスタと組み合わせてもOKですが、「唐辛子」を使った「一味」「七味」、果物の「梅干し」「ゆず」「すだち」といった「ファスト」の薬味は、パスタとはNGの組み合わせです。和風パスタを食べるときは「薬味」にも気をつけましょう。
2つ目は、アレンジ次第で生野菜もたっぷりと食べられる「ツナ」と「大根おろし」のパスタです。
「食物繊維」で、さらなる腸活効果に期待
【2】生野菜たっぷり「ツナ」と「大根おろし」のパスタ
大根はおろして食べると、効果的に摂取できます(写真:オクケン/PIXTA)
【主に含まれる食材】
・パスタ(スロー)
・ツナ(スロー)
・大根おろし(スロー)
「大根」には「消化酵素」が豊富に含まれているため、消化不良を解消し、胃腸の働きを助けてくれるといわれています。この酵素は熱に弱いため、より効果的に摂取するには「おろして食べる」のがよいのだそうです。
大根をはじめとした根菜には、便のかさを増し、エサとなって腸内の善玉菌を増やしてくれる「食物繊維」が豊富に含まれています。また、大根は皮にたくさん食物繊維が含まれるので、皮ごとすりおろせば、さらに腸活効果が期待できます。
「ツナ」と「大根おろし」のパスタは、「水菜」や「かいわれ大根」などを加えてもおいしいですね。
「アダムスキー式腸活法」では、野菜は「かさが大きいほどよい」とされています。つまり、加熱によりかさが減っていない生野菜が一番ということ。食物繊維の豊富な野菜は、生でたくさん食べると消化管の汚れを落とす「煙突掃除人」の働きをしてくれると「アダムスキー式腸活法」では考えられています。
なかでも「かいわれ大根」は、排泄物が消化管を下りてくるのを早くし、「おなかの張り」を解消してくれる存在なのだとアダムスキー博士は主張しています。ぜひ生野菜をたっぷりと加えてサラダ感覚でいただきましょう。
また、日本ではしばらく「サバ缶」が話題でしたが、「ツナ缶」の代わりに「サバ缶」を使うのもおすすめです。サバに含まれる脂肪は、体にいい脂肪といわれる「オメガ3脂肪酸」を含んでいます。
この「オメガ3脂肪酸」には血液の流れをよくし、物忘れを予防する効果があるとして、アダムスキー博士は、週に2~3回サバやサーモンといった魚を食べるようにすすめています。
3つ目は、しょうゆ風味を効かせた「きのこ」の和風パスタです。
「うまみ成分」もある「栄養の宝庫」で腸のお掃除
【3】食物繊維たっぷり「きのこ」の和風パスタ
「栄養の宝庫」と絶賛されているきのこは、ダイエット中の方にとっても強い味方(kokoromi.com/PIXTA)
【主に含まれる食材】
・パスタ(スロー)
・きのこ(スロー)
きのこは、カロリーが低く脂質が少ないため、ダイエット中の方にとっては強い味方です。それに加えて「食物繊維」「ビタミンB群」「ミネラル」といった栄養が豊富に含まれているため、アダムスキー博士は「栄養の宝庫」と絶賛しています。
さらに、きのこに含まれる「多糖類」は「免疫力」を高めてくれるため、アレルギーを予防・改善したり、感染症や炎症を予防したりする効果もあるのだそうです。
また、きのこの「うまみ成分」は種類によってそれぞれ異なっているため、たくさんの種類を混ぜるとうまみが増すといわれています。
さまざまなきのこを使うことは、食感にもいろいろ変化がつけられます。アダムスキー博士は「健康を取り戻すためには、体によいものを食べるだけでは不十分」であり、「『食事を味わう』ということが必要不可欠」なのだと話しています。
きのこパスタを食べるときには、しいたけ、エリンギ、まいたけ、しめじなど、いろいろな種類をとりいれて、よくかんで味わい、栄養面だけではなく「食べ方」からも腸活をしてみてはいかがでしょうか。
最後に紹介する「腸活『和風パスタ』」は、「たらこ」パスタです。「明太子」パスタと並んで大人気です。
【4】日本生まれで大人気「たらこ」パスタ
腸の詰まりを防ぐには、「明太子」パスタではなく「たらこ」パスタがいい(写真:june./PIXTA)
【主に含まれる食材】
・パスタ(スロー)
・たらこ(スロー)
・バター(スロー)
日本で生まれの「たらこ」パスタ。「いくら」や「たらこ」といった魚卵も「消化の遅い『スロー』」なので、問題なくパスタと組み合わせることができます。
ただし腸のことを考えると、1つだけ気をつけなくてはならないことがあります。それは、「明太子」です。
「明太子」は「たらこ」と同じ「すけとうだらの卵」ですが、「唐辛子」が使われているので、「魚卵(スロー)」×「唐辛子(ファスト)」の組み合わせとなりNGなのです。
腸の詰まりを防ぐためには、「明太子」パスタではなく「たらこ」パスタを選ぶようにしましょう。
和食は腸活に最適!「Miso(味噌)を食べよう」
今回は、「アダムスキー式腸活法」にかなった「腸によい和風パスタ」を4つ紹介しました。
和食には「納豆」や「大根おろし」など、「腸にいい」と言われている食材が豊富にあります。
アダムスキー博士も、イタリア人の読者に、日本の代表的な食材の1つである「Miso(味噌)を食べよう」とすすめているほどです。
和の食材を上手に使って日常的に「腸を詰まらせない食事」を実践することで、腸から健康を手に入れましょう。
(医学監修:澤田幸男/医学博士、澤田肝臓・消化器内科クリニック院長)
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提供元:日本人に朗報、腸にいい「和風パスタ」身近な4品|東洋経済オンライン