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2021.03.02

本を読むなら「寝る前の2時間」がいい納得理由|読んだつもりですぐ忘れる読書から脱するコツ


読書はいつすると効果的なのでしょうか?(写真:Pangaea / PIXTA(ピクスタ)

読書はいつすると効果的なのでしょうか?(写真:Pangaea / PIXTA(ピクスタ)

「じっくり読んだのに、本の内容をほとんど覚えていない」。こんな、記憶に残らない「読んだつもり」の読書は、ザルで水をすくうようなもので、時間を無駄にしてしまいます。では、読んだら忘れない読書など実現は可能なのでしょうか?

寝る前の2時間は実は脳の‟ゴールデンタイム“と呼ばれ、この時間帯に本を読めば10倍記憶にしみ込む読書が実現できます――日本記憶力選手権で6年連続日本一に輝き、世界記憶力グランドマスターの称号も持つ池田義博氏はいいます。『一度読むだけで忘れない読書術』を上梓した同氏に、脳の原理に沿った本当に正しい読書を教えてもらいました。

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脳のパフォーマンスUPのヒントは、原始時代にある

当然ですが、読書という行為にはかなりの集中力を要します。エンターテインメント系の小説であれば話の面白さが求心力となるのでそれほど集中力の必要性は感じないかもしれませんが、実用書やビジネス書の場合、とくにその内容を自分の中に取り込もうという目的の読書であるならば、集中力は欠かせない要素です。

集中力が高い状態のときを読書の時間に充てれば、読書の生産性を高めることができます。集中力が高い状態というのは言い換えると、頭の働きがよい、脳のパフォーマンスのレベルが高い状態とも言えるのではないでしょうか。

この脳のパフォーマンスですが、1日の中において、そのレベルは実は一定ではありません。パフォーマンスが高い、低い、という状態を波のように繰り返しているのです。

脳という器官は体積が体全体に比べて小さいにもかかわらず、非常にエネルギーを消費する器官です。脳の重さは体重のおよそ2%でしかないにもかかわらず、使うエネルギーは体全体のおよそ25%も消費されるのです。そのため、オーバーフローになるのを防ぐためになるべく働かないように省エネモードにできているのです。

ではどういう条件で脳のパフォーマンスは上がるのでしょう。実はパフォーマンスを上げるためにあえて何かをする、というよりも自然に脳のパフォーマンスが上がる条件がある、といったほうが正しいかもしれません。

先ほど脳のパフォーマンスには好不調の波があると言いましたが、好調のときがいつなのかがわかればこれは願ってもないことです。そのタイミングに合わせて動けばいいだけだからです。

そのヒントは原始時代にあります。原始人の生活から脳が働く性質を読み取ることができるのです。原始時代において当時の人たちは現代に暮らすわれわれと比べ身の回りには生命の危険に関わる条件が多々存在していました。生き延びるために生命の危険に関わる情報に対しては非常に敏感だったはずです。

東京大学薬学部教授・池谷裕二氏によると、その中でも極めて重要だったのが食料の確保です。飢餓状態を回避することが生活における優先事項であったのは間違いありません。

食料の確保が必要なときというのはつまり空腹のとき。空腹が食料確保に動く1つのサインだったのでしょう。そのタイミングで脳がいちばん働くような仕組みに必然的になっていったというわけです。

反対に食事により空腹が満たされれば脳は充足を感じて働きを低下させてしまうことになります。その脳のメカニズムが時を越えてわれわれの脳の中にも残っているのです。

そうであれば、現代人のわれわれも食事というのを1つの目安として脳のパフォーマンスが高まる時間帯を割り出すことができることになります。朝食、昼食、夕食、これらを基準とするならば、早朝、午前中、夕方、就寝前という時間帯が浮かび上がってきます。

読書にいい時間は、AM、夕食前、就寝前

読書もこの時間帯のいずれかの時間帯の中で行うことができれば合理的というわけです。ただし注意が必要なのはそれぞれの時間帯にはそれぞれ性格があるということです。

例えば早朝であれば、いくら食事の前とはいえ、やはり起き抜けということもあり、脳の働きはまだ万全ということにはなりません。パフォーマンスもほかの時間帯に比べれば落ちます。

次に午前中ですが、この時間帯が1日の中で最も頭の働きがよくなる時間帯となります。できるならこの時間帯での読書はおすすめです。昼食を取ると、脳は充足を感じてその働きを低下させます。そしてこの状態はしばらく続きます。

その後、午後4時あたりからまた脳の働きがよくなり始め、夕食の時間まで続きます。夕食の直後もやはりダウンしますので夕食直後の読書も能率が悪く、あまりおすすめできません。

1日の最後は就寝前の1〜2時間という時間帯です。この時間帯は少し特殊な時間帯といえそうです。それは脳の働きの中でもとくに記憶という機能で考えると「ゴールデンタイム」と呼ばれるほどの最適な時間帯だからです。記憶が脳の中に定着するためには、睡眠は絶対に必要な工程なのです。

何かを覚える行為も就寝前がおすすめ

というのも睡眠中は昼間のうちに頭の中に入ってきた情報を、脳の記憶の司令塔である海馬が整理をする時間だからです。その整理作業の中で情報の整合性をとっているのです。

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例えるならばバラバラの状態のジグソーパズルの一片一片を合わせてみてきちんとした絵になるように組み立て直していると考えるとわかりやすいかもしれません。そこできちんとした絵となり整合性がとれた情報だけが記憶に定着されるというわけです。

そうだとするならば、だいぶ前に頭に入ってきた情報より、直前に入ってきた情報のほうがすぐにその整理作業にとりかかることができるため記憶の定着には好都合なのです。

仮に夜の8時と午前の10時を比較したとすると、記憶効率だけを考えると10時間のタイムラグが発生することになります。だから何かを覚えるという行為、例えば勉強でいえば暗記ものといわれるような科目の学習もこの時間帯を使うべきです。

同様に読書にとっても、この時間帯を利用することでさらに記憶の促進が期待できるというわけです。今回紹介したそれぞれの時間帯の性質は一般論ですので多少の個人差はもちろん存在すると思います。それぞれの時間帯でご自身の読書のパフォーマンスがどう変わるのかを確認して自分にふさわしいゴールデンタイムを見つけてみてください。

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提供元:本を読むなら「寝る前の2時間」がいい納得理由|東洋経済オンライン

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