メニュー閉じる

リンククロス シル

リンククロス シルロゴ

2020.10.15

もしもがんになったら…医師に聞いておくべきポイントとは?


記事画像

治療施設や医師選びは、がんの場合、特に重要です

乳がん治療は、乳腺外科(乳腺・内分泌外科)、あるいは外科で乳腺外来を設けている医療施設が専門です。そこには、乳腺の専門医がいて、乳がん、良性の乳房の病気など、乳腺の病気全般を扱います。

がんの場合、施設や医師選びは重要です。

どのがんでも共通する選び方のポイントは、

(1)そのがんの専門医であるかどうか
(2)治療の選択肢をあげて、選ばせてくれるかどうか
(3)質問に嫌がらずに、答えてくれるかどうか
(4)セカンドオピニオンを嫌がらない
(5)相性がいいと感じるかどうか
(6)放射線や腫瘍内科の専門医がいる施設かどうか
(7)病理医や緩和ケア医がいる施設かどうか
(8)通院しやすい施設かどうか

治療施設と医師が決まったら、次は、どのような治療法を選択するか、です。

「先生にお任せ」ではいい医療は受けられない!

今、医療では、インフォーム・ド・コンセントと言って、患者や家族が医療者からの説明を聞いて、病状や治療について十分に理解し、どのような医療を選択するかを、医療者と情報共有して、自ら決定していきます。

「先生にお任せします」では、いい治療は受けられません。

そこで、大切な治療法を自ら決定する前に、医師に納得するまで説明を聞いておく必要があります。

治療を決める前に医師に聞いておくべきこと

記事画像

医師に確認しておくべきポイントはなんでしょうか?

乳がんの場合を例にしてまとめました。

1.診断の内容は?

がんのある位置はどこか。大きさはどの程度か。リンパ節転移や他臓器への転移はあるのか。悪性度は高いか(進行の早いタイプか、緩やかなタイプか)。がんの病期(ステージ)はどこか。

最終診断は、術後の病理検査の結果になりますが、術前検査結果での診断を確かめましょう。

2.その診断はどんな検査結果からわかるの?

その診断は、どんな検査結果に基づくのか――、医師が下した診断の理由は、何かを聞いていますか?

難しいからわからないとあきらめないで。医師は、わかりやすい言葉で、納得するまで説明してくれるはずです。1回でわからなければ、別の日にもう一度時間をとってもらうよう申し出ましょう。

3.現在の標準的な治療はどんなもの?

診断結果に納得できたら、次は治療法について詳しく聞きます。

まず、自分の場合は、「乳がん診療ガイドライン」に沿った標準的な治療法(科学的データに基づいて効果があると証明されている治療)がどのような方法なのかを聞きます。それが現在、もっとも多く行われていて、科学的に効果があるとされている治療方法になります。

4.医師がすすめる治療法は?

次に、主治医がすすめる治療法について聞きます。もしも、標準的治療と異なるときは、その内容と根拠を説明してもらいましょう。

大切なのは、治療開始前に、手術のことだけでなく、術後の治療の可能性についても聞いて、全体を見渡しておくことです。

5.治療法の選択肢はほかにある?

医師がすすめる治療以外に、どんな治療が考えられるかを聞きましょう。

乳がんの病期(ステージ)によっては、選択肢の幅が狭まることもありますが、たとえば「乳房温存手術をすると、その後の治療はどうなるのか?」、逆に「切除術だとその後の治療はどうか?」などです。

6.治療のメリット、デメリットは?

医師がすすめる治療法と、ほかの治療法と比べてメリット、デメリットを比較検討しましょう。

それぞれの治療法にどのような効果があり、どのようなデメリット(副作用)があるかを聞きます。そうすることで、治療を選択する手がかりになり、何が大切か見えてきます。

7.治療を決めるまでどのくらい時間的猶予がある?

記事画像

乳がん治療では、急がなければならない状態のことは、ほとんどありません。

手術は、どのくらい先まで待てるのかを聞いてみれば、時間的猶予(余裕)がわかります。たいてい告知から3~4か月は問題ありません。

がん治療の場合は、あとで後悔しないように、できるだけ情報を集めて、治療を決定することが大事。早く手術日を決めようとするのは、病院側の都合である場合も少なくありません。

8.長期的な治療の見通しは?

乳がんの治療はほとんどの場合、手術で終了ではありません。術後に、放射線治療、ホルモン療法、化学療法(抗がん剤、分子標的治療)、乳房再建などのいずれか、あるいは全部を組み合わせて行うことがほとんどです。

目前の手術のことだけでなく、術後の見通しや治療期間についても聞いておきましょう。

増田美加・女性医療ジャーナリスト

記事画像

予防医療の視点から女性のヘルスケア、エイジングケアの執筆、講演を行う。乳がんサバイバーでもあり、さまざまながん啓発活動を展開。著書に『医者に手抜きされて死なないための 患者力』(講談社)、『女性ホルモンパワー』(だいわ文庫)ほか多数。NPO法人みんなの漢方理事長。NPO法人乳がん画像診断ネットワーク副理事長。NPO法人女性医療ネットワーク理事。NPO法人日本医学ジャーナリスト協会会員。

image via shutterstock

記事提供:ウェブメディア「MYLOHAS」

ヘルスコンシャスな女性たちにむけて、「カラダ・食・マインドを整える」記事を厳選してお届けします。

提供元:もしもがんになったら…医師に聞いておくべきポイントとは?|MYLOHAS(マイロハス)

おすすめコンテンツ

関連記事

【医師監修】食後のふらつきは血圧低下が原因?病気の可能性や対策法もご紹介

【医師監修】食後のふらつきは血圧低下が原因?病気の可能性や対策法もご紹介

「寿命を決める臓器=腎臓」機能低下を示す兆候5つ|ダメージを受けてもほとんど症状が表れない

「寿命を決める臓器=腎臓」機能低下を示す兆候5つ|ダメージを受けてもほとんど症状が表れない

【医師監修】脂質異常症と動脈硬化の関係~メカニズムや予防方法についても解説~

【医師監修】脂質異常症と動脈硬化の関係~メカニズムや予防方法についても解説~

命に関わる心疾患は、予防が大切!今すぐできる生活習慣改善とは?

命に関わる心疾患は、予防が大切!今すぐできる生活習慣改善とは?

戻る