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2020.08.07

誰でもできる「人生に絶対必要なお金」の貯め方|JKと考える「withコロナ時代」のお金計画


自然と「お金が貯まる」ようになるには、収入と支出を「見える化」すること。 ではどうやって「見える化」すればよいのか(写真:itakayuki/iStock)

自然と「お金が貯まる」ようになるには、収入と支出を「見える化」すること。 ではどうやって「見える化」すればよいのか(写真:itakayuki/iStock)

JKで高2女子の大里花実は、新型コロナをきっかけに、人生についていろいろ考え始めた。すると、自分がいかに世間知らずでお金のことも知らなさすぎることに気づいた。第5回は「withコロナ時代の人生のお金の計画」について。

第1回 JKだって超知りたい「大学はいくらかかるのか」 ※外部サイトに遷移します

第2回 「大学費用1000万、20年返済」なら毎月いくらか ※外部サイトに遷移します

第3回 親は「子供の大学費用」をどれくらい出すべきか ※外部サイトに遷移します

第4回 教育費が足りない家庭が実行すべき3つの計画 ※外部サイトに遷移します

まずは前回までのあらすじから。高2女子の花実は所属する「生活科学クラブ」の顧問・エマ先生からアドバイスを受け、大里家の収入と支出を将来まで見据えて計算。その結果、大学3年生の姉の卒業時に家計の貯蓄は500万円まで減ることがわかった。そこで立て直すために「1.収入を増やす」「2.家計の収入を一段と見える化する」「3.お金回りの話について詳しくなる(マネーリテラシーを身に付ける)」という「3つのミッション(対策、使命)」を決めた。

また年金制度に疑問を呈する大学生の姉に対し、所属する「生活科学クラブ」の活動を通じて得た知識で「年金制度は将来何かあったときのための大切な保険」なのだと説いたのだった。

「ブラックボックス家計」vs.「ガラス張り家計」

花実は、Zoomにログインした。今日は、クラブの顧問エマ先生と2人だけのミーティングだ。家族で決めた上記の3つのミッションの2つ目、「家計の合理化、見える化」の方法を相談するためだ。

エマ先生は、結婚しても夫婦が互いの収入や貯蓄を明かさない「ブラックボックス家計」と、オープンにして一緒に家計管理をしている「ガラス張り家計」では、貯蓄のスピードに大きな差があるという(参考記事:『共働き「ブラックボックス家計」が危険な理由』)。もちろん、多く貯められるのは「ガラス張り家計」のほうだ。

『共働き「ブラックボックス家計」が危険な理由』 ※外部サイトに遷移します

「ハナミ、大里家の『家計見える化計画』は大賛成よ! 子どもにはお金のことを話したがらないご家庭が多いけれど、教育費がいくらかかっていて、家計の支出の何割を占めているのか。また、奨学金を借りた場合は、どのように返していくのかは、子ども自身も考えておくべきね。そういう意味でも、ハナミも一緒になって、チーム大里として家計をマネジメントしていくのはグッドアイデア! これからの『withコロナの時代』においてはさらに重要になるわね」

「えへ」。エマ先生に褒められてご機嫌の花実は、早速、考えていることを伝えた。

普通の人生をお金の流れから見ると、まずは、「教育を受ける時代」が、一般的には20年前後あって、その後、社会に出て仕事をして「お金を稼ぐ時代」(いわゆる現役時代)が40年から50年。歳をとって仕事を辞める、あるいは一線を退いてからの30年から40年は、それまでに貯めたお金を「取り崩して生活する時代」になる。

現役時代に稼いだお金は、生活や娯楽などのために使うけど、全部使ってしまったら、将来は確実に困ったことになる。だから、自分がいくら貯めていかなければいけないのか知ることがとっても大切だ。

老後は2000万円ないとムリ?

「そこで、エマ先生に相談したいのは、じゃあ、大里家はいくら貯めればいいのってことなの」

TVで「会社を辞めたとき、老後は2000万円必要だ」って聞いたことあるけど、パパは「今からそんなに貯められるかな?」って心配そうだった。ママは「会社を辞めてからも死ぬまでかなりあるんだし、2000万円じゃ足りないんじゃない?」って言っていた。

この前、両親にヒアリングをして作った「キャッシュフロー表」で、大里家の将来までのお金の出入りがわかった。両親が2人ともこれから健康で働き続け、花実も浪人しないで進学して、すべてが予定どおりにいって、貯蓄が十分増えれば、両親の老後は、年金と貯蓄を取り崩してなんとかなりそうだった。

逆に言えば、48歳の父が途中で仕事をやめたり、収入がもっと減ったりすれば、貯蓄できるお金も少なくなる。また将来受け取れる年金額も少なくなる。老後の生活も厳しいものになりそうだ。つまりは、働き方や、自分がどういう生活をしたいかによって、貯めていかなくちゃいけないお金も、変わるってことだ。

「そのとおりよ、ハナミ。お金の計画を立てるときには、自分が、年金をどのくらいもらえるか、老後の生活費は、今の生活よりどのくらい減らせるのかを具体的に考えることが大切ね」

老後の必要貯蓄額は、人それぞれ違う。大切なのは、1人ひとりが、自分は今、収入のうちのいくら貯めなければならないかだ。

必要なのは「必要貯蓄率」を知ること

「そうよ。一言でいえば『必要貯蓄率』を知ることが大事。それを簡単に計算できる方法を教えましょう。ジャン、『人生設計の基本公式』デス!」

人生設計の基本公式

人生設計の基本公式

「『人生設計の基本公式』は、あなたの家計の、今、必要な貯蓄率を計算する公式です。自分の『必要貯蓄率』がわかれば、実際にいくら貯めなければならないのか、1年間の『必要貯蓄額』がわかります。これを12で割ると、ひと月あたりの必要貯蓄額を求めることができます。これを守っていけば、将来のお金について心配はほとんどありません!」

「将来のお金について心配はありません!って、エマ先生、ちょっと楽観的すぎませんか?」

「あら、そう? でも、稼いで、貯める以外に何ができる? ていうか、何かほかに必要かしら。人生を通してのお金の計画ってとてもシンプルよ。人生のお金の流れは、稼いで、貯めて、取り崩す。シンプルイズベスト!」

「そうなんだ。なんとなく、4人家族なら、食費はいくら以内とか、家賃は収入の何割までとか細かいルールがあって、それを守る超めんどくさいのが『家計管理』なのかと思ってた」

「ああ。昔は、家計簿きっちりつけて、節約に励むっていうのが良妻賢母の鏡だったかも。でも、働く女性が増えている今、なるべく簡単なほうがいいでしょ? 難しく考えなくても、要は必要な額が貯められればいいのよ」

「『毎月の手取り』から『必要貯蓄額』を引いた金額が、『毎月自由に使えるお金』だから、必要な貯蓄さえしてしまえば、あとは自分が必要なものや好きな物に使えばいい。例えば、働いていれば、忙しくてご飯が作れないときもある。テイクアウトが多くなって、いつもより食費がかかる月だってあるでしょう? それでいいのよ。お金って、ただの交換手段だから」

「ただの交換手段?」

「お金は、『安心』『快適』『便利さ』、『幸せ』や『満足感』なんかと交換することで価値が生まれる。お金にわざわざ色をつける必要はない。つまり、食費はいくらまで、家賃はいくらまでと、色分けしなくてよいということ。必要なものに必要なだけ使えばいいと、シンプルに考えることよ」

おお。紫電一閃(しでんいっせん)、目の前が広く開ける思いがする花実なのであった。

必要貯蓄率を求めるのに必要な「2つの数字」

FPエマ先生からアドバイス

お金は、人生の中でいちばん大切なものではないし、お金があれば必ず幸せになれるというわけでもありません。でも、生きるためにお金は必要不可欠で、お金によって人生の自由度が大きく増すのは確かです。お金は交換手段。シンプルに扱いましょう。

今の収入は将来の自分の生活を支えるためのお金でもあるので、計画的にお金を貯めていけば、「老後不安」は解消します。ハナミ、そして、読者の皆さん、次回は、あなたの「必要貯蓄率」を求めますので、次の「2つの数字」をあらかじめ調べておいてくださいね(以下のアルファベットの記号は、あとでわかりやすくするためにつけたものです)。前のページの「人生設計の基本公式」の重要なところは以下です。

(1)平均手取り年収 (Y)

あなた、あるいは、あなたの家計が、これから稼ぐだろう「お給料(手取りの年収)の平均」を考えてください。夫婦共働きの場合は合算します。ハナミのような高校生や大学生の皆さんは、そうね、このくらい稼ぐぞっていう希望的な数字でOK。「自分は稼ぐ!」と思えば大きい額を出しちゃってください。ちなみに、エマ先生(東京都X区在住、扶養家族なし)の今後の平均年収は500万円とします。

次に、その金額から、税金と社会保険料を引きます。エマ先生の場合は、今後の手取り年収の平均(Y)は、390万円くらいかな?

税金と社会保険料の控除額は、住んでいるところや家族構成などによって違い、一般的な会社員で、額面のおよそ75~80%が手取りとなります。わからなければざっくり収入の8割くらいにして計算してください。600万円の人だと、×0.8で480万円ね。また例えば30歳のときは手取りが480万円でも、50歳のときなら720万円かもしれません。そういう場合は真ん中くらいの600万円としてみて、計算するということです。

(2)現在資産額 (A)

現在の資産額を調べておいてください。預貯金、株や投資信託などは時価、個人年金保険、確定拠出年金、退職一時金などすべての合計金額です。学生の皆さん、貯蓄がない人はゼロでも大丈夫です。

記事画像

【あわせて読みたい】※外部サイトに遷移します

「人生マジで貯めるべきお金」の超簡単計算法

共働き「ブラックボックス家計」が危険な理由

「保険でお金を貯める」のはやめたほうがいい

提供元:誰でもできる「人生に絶対必要なお金」の貯め方|東洋経済オンライン

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