2019.04.01
「離婚した女性」が年下男性と再婚しがちなワケ|双方にとって「楽ちん」な組み合わせ
近年の傾向として、年下のパートナーを「育てる」再婚女性が増えています(写真:8x10/PIXTA)
結婚相談所の経営者として婚活現場の第一線に立つ筆者が、急激に変わっている日本の婚活事情について解説する本連載。今回は、離婚を経験した女性が、年下男性と再婚しやすい理由を分析します。
再婚女性は年下の男性と結ばれやすい。実は、これは最近みられる傾向です。それどころか、再婚のほうが、初婚よりも早く相手が決まる場合が多いくらい。なぜ、相手は年下の男性が多いのか。それは、男性が少々頼りなくても、女性が自分で「育てる」ことができるから。年下の男性は、包容力がある年上女性といると、楽ちんなのです。
最近もこんな例がありました。2回離婚歴がある45歳女性のNさんが、5歳年下の男性Kさんとデートしていたときのこと。Kさんは1日に30回もNさんに電話をしていたといいます。次に会う時間と場所を決めたすぐ後で、「本当に品川でよかったですか?」などと聞いてくる。Nさんは電話が鳴っても放置し、Kさんに会ったときに着信履歴を見せ、「今度同じことをしたら、もう会わない」と言いました。こんなふうにKさんを育てていったわけです。
離婚を経験した女性が再婚しやすい理由
Kさんと結婚を決め、後日入籍のあいさつに来たNさん。「Kさんと仲良くしている?」と聞いたら、「いろいろ、今仕込んでいるところです」と話していました。「言うこと聞かないと一緒に寝てあげない」なんて、言うそうです(笑)。Kさんは素直な男性ですが、何しろ恋愛経験が少なかったのです。
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年下の男性が甘えると、気持ち悪がられないし、怒られない。女性は「私、年上だもん、仕方ない」と諦められる。逆に、男性が1歳でも年上だと、女性は我慢できなくなる傾向があります。「しっかりしてよ! 私、あなたのお母さんじゃないのよ」と。
では、離婚を経験した女性が、再婚しやすいのはなぜでしょうか。それは、前回の結婚の「間違い」を把握しているから。前回は、相手を選ぶときのポイントがずれていたわけです。たとえば、「顔が好き」「楽しい」といった理由で選んだけれど、より本質的なマイナスな部分があって離婚しているわけです。理由でいちばん多いのは、「お金がない」「家にお金を入れてくれない」などお金に関すること。異性問題や、親の介護の問題もありますが、それ以前に、性格が合わないこともあります。
そこで、再婚を希望する女性たちには、前回の結婚で「相手のここが嫌だった」と感じたことを10項目書いてもらうようにしています。「お金に無頓着だった」「優しい言葉をかけてくれなかった」、あるいは「お風呂になかなか入らなかった」などいろいろあります。生活について嫌だったこと、そして、性格的に嫌だったことを書き出してもらうのです。
そんなに細かいことを、と思うかもしれませんが、結婚=生活です。日常で嫌だったこと、ストレスを感じていたのはどんなことか。そこをまず認識する。そして、次はその嫌なことを感じないで済む相手を候補として探せばいいのです。例えば、疲れて帰ってきてソファーに寝られるのが嫌だったら、ソファーに寝ない人を選べばいい。外食ばかりの人が嫌だったら、家で食べるのが好きな人を選べばいいのです。
ただし、自分がストレスに感じることでも、相手が直せるような内容であれば、直してもらえるように伝える。それでもダメであれば、「この人ではない」とわかります。「直すことができない」条件もあるでしょう。例えば「前の旦那さんが、大学中退ゆえの学歴コンプレックスで嫌だったから、大学を卒業した人がいい」というようなことです。
自分の希望にあった相手を見極めるには
「ここは外せない」という条件がいくつもある場合、どうしたらいいでしょうか。その人の性格と、こだわりは別のものとして考えなければなりません。こだわりが多いのは、それだけいろいろな思いをしてきたからでしょう。過去の経験からトラウマになっていたり、親を恨んでいたり、根深いものもあります。ただ、いくつもある場合、そのこだわりが相手を選ぶうえで本当に必要なのかを考えて、絞り込んでいきます。
では、どうすれば自分の希望に見合った相手を見極めることができるのか。一緒にご飯を食べながら、一つひとつ相手に聞いていけばよいのです。記者が取材するみたいに、質問をする。「それで? それで?」と、話を次々引き出すことができれば、相手のことがわかっていくはずです。
再婚女性で子どもがいる人は、婚活をするうえで強みになります。意外に思う人もいるかもしれませんが、子どものいる女性は相手の立場に立ってモノを見ることができる傾向があるからです。筆者の結婚相談所でも、「感謝の気持ちと思いやりを持つこと」を強調しています。性格美人がいちばんモテますから。恋愛は相手の立場になって、相手から自分がどう見えているか、相手は自分をどう思っているかという視点を持たなければいけません。
ちょっとした仕草でもいいのですが、自分がいろいろやってみて、相手が喜んだら、「これが好きなんだな」とわかりますよね。このように相手の反応をみることは大事です。さらに、普段から、知らない人でも、「あの人は困っているのかな」と気がついたら、手助けする練習をしてほしいのです。例えば、高齢の女性が買い物で重い荷物を持っていたら、手伝ってあげる。その点、子育てをしている人は気がつきやすいところがある。ここに年下の男性はグッとくるのです。
知り合いで年の離れた夫婦がいます。38歳女性のCさんは再婚で子どもが7歳、夫のYさんは初婚の24歳です。入籍後、ふたりの間に子どももできました。YさんはCさんに普段甘えていますが、用事を頼まれると、子育ても含めてしっかりサポートする。そしてCさんにほめられて、メロメロになっています。
子どもがいて再婚する場合は、もちろん、「子どもをかわいがってくれること」を最優先に男性を選んでほしい。「女の性」で好きな男と結婚するのではなく、子どものためを考えて、子どもの教育や気持ちを優先してほしいと思うのです。
こんな相談を受けたことがあります。理想だった年収の高い男性と出会ったものの、「子どもが食べるのが遅くて、その男性が子どもをたたいた」と。その女性には、「今すぐ別れなさい」とアドバイスしました。
20代で結婚・離婚し、30代以降で再婚する人たち
再婚女性が年下の男性と結婚する場合、プロポーズも含め、女性がつねにリードしたほうがうまくいきます。正確に言えば、男性にプロポーズをしてもらうように、「仕向ける」のです。女性が「ずっと一緒にいてね」と言えば、男性は「ずっといてくれるんだ」と思い、結婚を意識するようになるものです。
CさんとYさんのように、年があまりに離れているようだったら、「(あなたの)お母さん、私のことを見てどう思うかな?」と、話してみると、相手も恋愛相手として意識するようになるでしょう。Yさんもそうですが、男の人たちは母親からかわいがられて育っていることが多く、お母さんのように安心できて、お母さんより若いゆえに恋愛対象になる女性に魅力を感じることが少なくないのです。
最近は女性が再婚で男性が初婚というケースも増えてきています。厚生労働省の「平成28年度・人口動態統計特殊報告」から読み解くと、「どちらかまたは両方が再婚」というケースのうち、「女性再婚・男性初婚」の構成比は全体の約25%になっています。
実際、再婚の女性は、男性が年下のケースが多いです。2~3年前の統計だったと思いますが、再婚の場合、男性が初婚、女性が再婚という組み合わせが50%を超えていました。意外にも、女性が再婚する場合、男女共再婚同士より、男性が年下初婚という組み合わせが多いのです。
20代で恋愛結婚して、「こんなはずではなかった」と離婚して、30代、40代で再婚というパターンもあるでしょう。結婚は生涯に一度のみ、とイメージする人はまだ多いかもしれませんが、長寿の時代になりました。90歳まで生きるとして、70年同じ相手と一緒にいると思ったら、少々うんざりするかもしれません。
知り合いがアメリカ人男性と結婚しましたが、彼の母親は4回結婚しています。ですから、旦那さんには、血のつながっていない人も含め兄弟が24人もいます。兄弟たちみんなと交流があり、仲もいい。日本も離婚が増えていくと、そのようなことが普通になっていくのではないでしょうか。
最初は「子育て婚」、最後は生涯一緒にいる人との「熟成婚」でもいい。ハムみたいな響きですが(笑)。人生それぞれのタイミングで「この人と結婚してもいいな」という人と結婚すればいいのではないでしょうか。10年一緒にいられたら、「がんばった」と言えるでしょう。半年や1年で終わってしまっては、少々早いかもしれませんが。
働き方改革と同じで、各自の人生に合わせて、「結婚改革」も進んでいくのではないでしょうか。
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提供元:「離婚した女性」が年下男性と再婚しがちなワケ|東洋経済オンライン