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2019.01.25

「お金が貯まらない人」が見直したい5つの支出|大きな節約より、日々の支出を見直そう


節約しよう!と意気込んだのに、長続きしなかったということはありませんか(写真:tomcat / PIXTA)

節約しよう!と意気込んだのに、長続きしなかったということはありませんか(写真:tomcat / PIXTA)

今年こそ「お金を貯めよう!」と目標を立てたものの、実際には何を見直すべきかわからない、という人も少なくないのではないでしょうか。お金を貯めるには節約することが大切ですが、支出を減らす労力が大きすぎると節約に充てる力が尽きてしまい、長続きしません。そこで、今年改めて見直したい支出を5つに絞ってお伝えします。

変動金利は0.4%台で借りられる

1. 住宅ローンの借り換え

住宅ローンは多くの人が変動金利で借りています。住宅金融支援機構の統計(2018年度 民間住宅ローン利用者の実態調査)によると、住宅ローンを借りた人の57%が変動金利を選択し、25.3%が固定期間選択型を選択しています。

固定期間選択型とは当初2年、3年、5年、10年など一定期間金利を固定する方法で固定期間の終了後再度金利を選択したり、変動金利になったりします。変動金利は不安だけど、金利の低さを享受したい人に人気です。全期間固定型を選択する人の割合は17.7%です。今後の金利上昇が心配な人が選んでいると考えられます。

ところで2019年1月現在、変動金利は0.4%台で借りることができるのをご存じでしょうか? そのため住宅ローンを借りても金利負担が少なくて済むのですが、これは住宅ローン自体の金利が下がっているわけではなく、金融機関の営業努力によって、消費者に貸し出す金利が下がっているだけです。

日本銀行の統計をみてみると、変動金利の基になっている短期プライムレートと呼ばれる金利は、2009年から2018年まで1.475%のまま動きません。平成時代を象徴するかのような平らな金利変動です。多くの金融機関では、変動金利の店頭金利(定価みたいなもの)は短期プライムレートに1%上乗せした2.375%や2.475%になります。ここから、金融機関が優遇金利と称して、割引を適用。2009年~2010年ごろの金利割引は、1.0%~1.2%優遇が一般的でした。

2000年代に住宅ローンを借りた方は、「過去最低の金利でラッキー!」と考えているかもしれません。しかし、違います。すでにお伝えしたとおり、最も低い金利で借りる場合は、0.4%台なのです。たとえば、2009年に変動金利で住宅ローンを借りた方は、店頭金利2.475%-割引金利1.0%=実際の金利1.475%でしょう。今最も安いレートで変動金利を借りることができれば、0.45%になります。なんと、1%以上も金利が低いのです。

<金利負担の計算例>

実際に住宅ローンを借りた場合の比較をしてみましょう。

住宅ローン1000万円を期間35年で返済した場合
金利1.475%だと毎月の返済額は3万0496円
金利0.45%だと毎月の返済額は2万5748円

となります。

返済額の差は月額4758円、年額5万7096円、35年で約200万円となります。借り入れ額が3000万円の人は毎月1万5000円、35年で600万円ほどお金が残ります。5000万円の人の場合、毎月2万5000円、35年で1000万円ほど好きなことにお金が使えます。わずか10年の間に、これほど金利負担が異なっているのです。今すぐ、住宅ローンの返済表を確認ください。あなたの住宅ローンの金利は何%ですか?

ただ、借り換えには諸費用がかかりますので、返済効果はしっかり電卓で計算するか、金融機関に試算してもらいましょう。最優遇金利を調べるだけなら、ネットで検索すれば足りますが、実際に借り換える場合は、金融機関ごとに審査書類に記入したり、訪問したり、書類をたくさん提出したりと、仕事を休んだり、合間に出かけたりとなかなか大変です。

自動車を手放したら、最大2160万円の節約に

2. 自動車を手放す

子どもがいるのと同じくらいの支出が発生するのが自動車です。まさか!と思う方もいらっしゃるでしょうから計算しましょう。毎年の税金、損害保険料、車検代、修理費用、定期的な買換えなど、改めて計算すると維持費は年間24万〜36万円です。

加えて駐車場代が年間18万〜36万円、車両購入費を300万円として10年で案分すると年間30万円。合計すると、駐車場代のかからない人で年間54万円、10年で540万円、30年で1620万円です。駐車場代のかかる人は、年間72万円、10年で720万円、30年で2160万円です。

子どもを1人育てるのに2000万円必要と言われることもあります。なかなかお金が貯まらない人は、自動車が必要かどうか考えてみることから始めてみてはいかがでしょうか。

自動車を手放した後に、自動車を利用するには、タクシー、バス、レンタカー、カーシェアリングなどがあります。どれも、従量課金のため、使わなければゼロ円です。今後は地方でも町内会や自治体で車を共同利用するような動きも出てくるでしょう。発想としてはコミュニティー・カーシェアという考えもあります。

自動車を手放すと、1620万〜2160万円の節約が可能です。こども保険など国の力を借りなくても、子どもをもう1人育てられる金額です。または、退職金がなくても老後のお金が貯まりそうですね。

3. 生命保険のかけ直し

掛け捨ての生命保険が安くなる人がいることを知っていますか? 生命保険は金利と死亡率などで保険料が変わる商品です。大々的に宣伝されていませんが、長寿化に伴い保険料の計算に使われる死亡率が変更になったため、掛け捨ての生命保険が安くなっている場合があります。どんなプランが該当するのでしょうか。

2018年に生命保険の保険料を計算するときに必要な、死亡率が改訂されました。生命保険の死亡率は、公益社団法人日本アクチュアリー会が標準生命表として作成、公表しています。統計データの作成は、保険会社の監督官庁である金融庁から保険業法に基づく統計資料作成として業務委託されています。ですから、外部団体が勝手に公表しているのではなく、生命保険の保険料計算に使用する目的で、外部団体に作成を委託されています。

標準生命表を読み込むと、男性の死亡率が20〜30%下がり、女性の死亡率は10〜20%下がっています。この影響から掛け捨てタイプの定期保険と呼称される生命保険の保険料が軒並み下がりました。対象は、定期保険や収入保障保険などで、一定期間で保険が満期や更新になる契約方式です。一生涯の保険を保証する終身タイプではありません。

保険料は保険会社の裁量で決まる部分も大きいため、保険料が一律2、3割カットになったわけではありませんが、毎月1万円の保険料を負担されている世帯で、同じプランの保険料が8000円になったらどうでしょう。月額2000円、年間2万4000円の削減、保険期間が20年残っていれば約50万円、保険期間が40年残っていれば100万円の節約になります。

「余った」保険料で、不足していた保障を買ってもいいでしょうし、お子さんの習い事を増やしてもいいかもしれません。毎月の節約効果は小さいですが、一度プラン変更してしまえば、あとは何もせずに節約メリットを享受できます。掛け捨ての生命保険に加入されている20〜50代の人で、2018年4月以降に見直しをしていない人はぜひ保険見直し診断を受けてみてはいかがでしょうか。

そろそろ携帯電話料金も見直したい

4. 携帯電話の契約し直し

携帯大手3キャリアで機種代は含まずに、毎月5000円〜1万円近い携帯料金を払っている人はいませんか。今や時の大臣までも携帯電話料金が高すぎると言及する時勢となりました。

市場価格は寡占状態になると値上がりすると言われています。日本の携帯電話市場はまさにそのとおり。競争がないと価格が下がらないのです。そこへ出てきた格安スマホという存在。安いプランを探せば月額500円という破格の料金プランも存在します。

機種代は考慮しませんが、毎月5000円が毎月500円になった場合、節約効果は毎月4500円、年間5万4000円、10年で54万円、30年で162万円、50年で270万円です。夫婦なら2人分の効果、実家の両親も2人分、義理の両親で2人分、子どもが2人分、兄弟姉妹4人分など、家族全体で見直せば、大きな節約効果を生むのが携帯電話料金の見直しです。

動画を見たり、ゲームに興じたり、通勤時間にスマホを利用したいなどのヘビーユーザーにはできない節約ですが、持っているだけで使っていない状態の方には、ぜひとも見直していただきたい支出です。

5. 支払いをクレジットカード払いに一本化する

財布のひもを緩めてしまうため、節約とは相いれないと思われがちなクレジットカード。しかし、日常生活の支出をほぼすべてクレジットカードで支払うように変更するだけで、ポイントやマイルがどんどん貯まります。

貯まったマイルで毎年海外旅行に行く人もいます。帰省に使えば旅費の節約にもなるでしょう。生命保険料もふるさと納税もクレジットカードで払えばポイントがつくのです。なんとなく口座引き落としになっている支払いはほとんどクジレットカード払いにできるはずです。今すぐチェックしましょう。

年間300万円使えば、実質3万円の貯金に

「総務省家計調査報告(家計収支編)―平成29年(2017年)平均速報結果の概要―」によると、2人以上世帯の平均的な支出額は毎月28万円を超え、その中でクレジットカード払いできる支出は毎月25万円ほどあります。

年間で300万円をクレジットカードで支払えば、クレジットカードの還元率を1%とした場合、3万ポイント貯まります。1ポイント1円相当のポイントが多いため、実質3万円の貯蓄効果があります。

3万ポイントをマイルに交換した場合、獲得マイルは3万マイルに。2万マイルあれば、東京―沖縄間の往復航空券がハイシーズンなら1人分、ローシーズンなら夫婦2人分に交換できます。

長期休暇の旅費が貯蓄できない人は、マイルを貯めることに精を出してはいかがでしょうか。羽田―沖縄の往復の航空券が8万円(航空会社HPより筆者試算)だとすると、夫婦で年間16万円、30年で480万円の節約です。もっとも、旅行でお金を使ってしまえば節約にはなりませんので、使いすぎにはご注意ください。

<見直し結果>
1. 住宅ローン支出 年間18万~30万円
2. 自動車費用 54万~72万円
3. 生命保険 年間2万4000円
4. 携帯電話料金 年間5万4000円
5. クレジットカード払で貯まるポイントを利用して旅行 年間16万円

1~5すべて見直せば、年間で95万8000~125万8000円得する計算です。30年で3000万~3750万円ほど貯まります。手元に残ったお金は、貯める、使う、増やす、寄付する。使い方はあなた次第です。さて、どこから家計を見直しますか?

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おカネ持ちになれるか、すぐ判る「10の質問」

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提供元:「お金が貯まらない人」が見直したい5つの支出|東洋経済オンライン

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