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2018.08.15

投資信託で損する人がしがちな5つの勘違い|ETFをただ買っていれば儲かるとは限らない


投資信託で損をしている人は、何かしら失敗をしている可能性があります(写真:freeangle / PIXTA)

投資信託で損をしている人は、何かしら失敗をしている可能性があります(写真:freeangle / PIXTA)

iDeCo(個人型確定拠出年金)やつみたてNISA(少額投資非課税制度)を利用して投資する方が増え、以前よりも投資信託は身近な存在になっています。しかし、まだまだきちんとした商品の性格を理解できていない人も多いようです。

投資信託にまつわる5つの勘違い

たとえば、以下の「5つの勘違い」をしている人は、投資信託を買っても損をしてしまうかもしれません。

1. リスク軽減のためにはとにかく資産を分散すればいいと考える

2. 目先の利益にとらわれて、ついつい毎月分配型の投資信託に手を出してしまう

3. 相場の下落時、焦って積立額を減らしてしまう

4. 手数料が高いとの理由で価格変動が比較的大きいアクティブ型投信を最初から除外する

5. 一度にまとめて売ろうとする

これらは投資信託の売買で往々にして起きる勘違いですが、事前に正しい知識を知っていれば、資産形成において有利に働く可能性があります。
早速、5つの勘違いをどうすればいいのか、1つずつ正しい向き合い方を見ていきましょう。

1. 数多くの商品に分散投資すればいいわけではない

一般的に、投資対象は複数に分かれているほうがリスクを分散できると言われています。しかしやみくもに分散すればいいわけではありません。値動きが同じ傾向のものに分散していては、リターンだけでなく損失額もともに増える可能が高まります。「値動きの異なる2つ以上の資産を組み合わせて」はじめて、真の分散効果を得ることができるのです。

では、「値動きの異なる資産」とは、どのような組み合わせを指すのでしょうか。

ここで、資産の値動きの関係を表した「相関係数」をもとに考えていきます。まったく同じ値動きの場合、相関係数は1に近づきます。まったく無関係の値動きの場合、相関係数は0、まったく逆の値動きの場合、相関係数は-1に近づきます。

真の分散効果は、値動きの異なる2つ以上の資産を組み合わせることで得られるわけですから、相関係数で言えば-1に近いものどうしを組み合わせる必要があります。

国内株式型と国内債券型を組み合わせる

注意しておきたいのはまったく逆の値動きをする、つまり相関係数が-1のものは、互いに損益が相殺されてしまうため真の分散効果を得ることは難しいということです。

記事画像

とすると、過去10年間のデータをもとに算出した上の表を見ていただくと、最も分散効果を得られる投資対象は、国内株式と国内債券の組み合わせであると考えることができます。一般的には逆相関といえば、株式が上がれば債券は下がり、債券が下がれば株が上がるというロジックが有名ですが、このデータに限っていえば、おおむね間違っていないということがわかります。

また、「時間分散」も真の分散効果を得られる方法のひとつです。

たとえば毎月一定額の積み立て投資で、買えるだけの数量(口数)の投資信託を買う場合、相場の下落時にはたくさんの口数が買えるため、長く積み立て投資をしていくことで価格変動のリスクを軽減することができます。

毎月分配型の投資効率の悪さ

2. 分配金が売りの投資信託はやめたほうがいい

投資信託で得られるリターンのひとつ「普通分配金」は、投資信託の運用で得られた利益の一部を投資家に還元するものです。一方で「特別分配金」は運用元本を切り崩して支払われるため、払い出された際には、必ずその金額分だけ基準価額は下がります。つまり基準価額の差額である「値上がり益」だけを追求する場合、特別分配金の多い投資信託は分配のたびに基準価額の低下が避けて通れないため、投資効率が落ちる可能性が考えられます。

とくに毎月分配型の投資信託は、元金によって生じた利子をさらに次の元金に組み入れて資産を増やす「複利効果」が狙いにくい性格があります。運用期間が長期になればなるほど、毎月分配型以外の投資信託とは、資産形成において差が広がるおそれがあります。

また、運用益だけではまかないきれない分配金を、投資家が預けた元本を切り崩して支払い続けている、毎月分配型の投資信託もあります。つまり年数を重ねるごとに、投資信託の運用会社に預けた元本そのものが、目減りしてしまうこともあるのです。

金融庁「平成27事務年度 金融レポート」の中で、販売会社に行ったアンケート調査によると「顧客の運用方針にかかわらず、販売会社は、主として収益分配頻度の高い商品を提案している」との結果が明らかになりました。この現状を受けて同レポートの中でも「一般に、利益を分配せずに再投資する方が投資効率は高くなるとされている」と、毎月分配型の投資効率の悪さを指摘しています。

「5つの勘違い」の3つ目は、相場の下落時にやってしまいがちな失敗です。ではどうすればいいでしょうか。

3. 相場の下落時に焦って積立額を減らしてはダメ

投信信託を積み立て投資で購入する場合、毎月一定額を積み立てていくことが基本です。相場の下落時に焦って積立額を減らしてしまうと、購入口数の買い増しができません。

長期の積み立て投資の醍醐味は、相場が下落したときに多くの口数を購入できることです。途中で大幅に下落して最初に買った価額まで回復しなかったとしても、大幅に下落した局面で多くの口数を買えていれば、最終的には投資元本以上の運用成績をあげることもあります(もちろんその投信の基準価格が必ず反転するとは限りません)。

たとえば、毎月2万円の積み立て投資を10年間継続した場合を考えてみます。わかりやすくするため少し極端な数値としますが、最初の1年は基準価額が2万円で、その後、1年ごとに3200円ずつ下落し、5年後には基準価額が4000円まで下がったとします。これは言い換えると、もともと2万円だったものが5年後には4000円で購入できるということで、80%引きのディスカウント商品とも考えられます。つまり同じ投資金額でも多くの口数を購入できることになります。

そして、6年後から1500円ずつ上昇したと仮定して、10年目に1万円まで回復すれば、投資元本240万円(毎月2万円×120ヵ月)で、運用成績は約291万円。あくまで各種手数料を別とした単純計算ですが、積み立て投資であれば240万円の元本に対して約51万円の利益を得られることになります。もとの2万円の基準価額まで上昇しなくても、定額の積み立て投資を続けることで早いリカバリーを期待でき、リターンを得ることができます。

ETFより高リターンのアクティブ型投信も

4. アクティブ型を最初から全部除外するのはもったいない

信託報酬が1〜2%を超える商品も珍しくないアクティブ型の投資信託は、インデックス型と比べて手数料が高いイメージを持つ人も多いでしょう。しかし、それ以上の結果を出しているならインデックス型よりも有利な可能性もあります。

一般的に価格変動が激しいといわれるアクティブ型ですが、前述したとおり積み立て投資で購入する場合、相場が下がったときは購入できる口数が増えるため、長期になればなるほど価格変動の激しさを味方につけることができます。相場の上昇と下落の局面、双方を味方につけながら高リターンが期待できるわけです。

またアクティブ型の中には、全体の相場が低迷しているときに銘柄を選別して集中投資を行ったり、現金比率を高めることで、下落のリスクを最小限に抑えたりする投資信託も存在します。

たとえば、20銘柄程度の厳選投資を行う投資信託「スパークス・新・国際優良日本株ファンド」の10年間のリターン(年率)は、14.13%(2018年8月10時点、モーニングスターより)。一方、2000弱もの上場銘柄から成るTOPIXに連動するETF(上場投資信託)は、10年間のリターン(年率)は5.07%と、約3倍もの開きがあります。

このように市場に連動するのではなく、銘柄を選別して集中投資を行うアクティブ型の中には、相場を大きく上回るリターンをあげる投資信託も存在します。

またほとんどの投資信託は「運用資金の100%をフル投資する」という方針を取っています。しかし100%を株式に投資すると、株式市場の影響をダイレクトに受けてしまいます。一方で相場の下落時に、価値の目減りが少ない現金の保有比率を意図的に高めることで、基準価額を下げにくくしている投資信託も存在します。

確認するためには、各ファンドの目論見書を見る必要があります。たとえば「ひふみ投信」の交付目論見書には「市場価値が割安と考えられる銘柄が無くなっていると判断した時に、 買付を行わずに好機を待つ場合があります。このような状況においては、ポートフォリオに占める株式の比率が低くなります」との記載があり、市場の状況に合わせて現金の保有比率を柔軟にコントロールしていることがわかります。

投資は入り口よりも出口が難しい

5. 売却では少しずつ取り崩していく

投資信託に限らず、保有資産が順調に拡大していると「もっと儲かるのでは」と欲が出るため、投資は入り口よりも出口(売却)が難しいとよく言われます。しかし子どもの学資や定年退職など、ライフイベントやライフステージの変化に応じて、柔軟に売却も視野に入れていきましょう。

そこで、一度にすべての商品を売却する方法以外に、2つの選択肢を紹介しておきます。ひとつは、保有している投資信託を少しずつ売却していく方法です。購入時と同様に、相場の価格変動のリスクを軽減しながら売却できるメリットが期待できます。もうひとつは、リスクの高い株式の一部を売却して債券の比率を高めることで、より安定的なポートフォリオに組み替える、という方法です。株式の保有比率とともに、段階的に資産運用の規模自体を減らしていくことで、ソフトランディングを目指すという考え方です。

以上、投資信託にまつわる5つの勘違いを紹介していきました。今回の記事が、読者の方の資産形成の助けに少しでもなれば幸いです。

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素人投資家が選びがちな3つの「NG投資信託」

やみくもな「分散投資」がかえって損する理由

株価が暴落した時、投資信託はどうなるのか

提供元:投資信託で損する人がしがちな5つの勘違い|東洋経済オンライン

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