2018.05.13
【イラストで解説】乳歯のムシ歯サインのチェック法&予防法をお教えします
乳歯の色の変化、もしかしたらムシ歯かも。
仕上げみがきをしている時などにお子さんの乳歯の色の変化に「もしかしてムシ歯?」と思ったことはありませんか?「歯の表面に白い斑点がある」「奥歯の溝が黄色っぽい」などの変化がある場合は、歯の表面のエナメル質が溶け出し、穴があく一歩手前の初期ムシ歯の可能性が。規則正しい生活と丁寧な歯みがきで、それ以上進まないこともありますが、あくまでもできるのは「最小限にとどめる」こと。放っておくと進行してしまうので、色の変化を見つけたら、早めに歯科医院に行きましょう。
ちなみに近年は、歯科医院は「治療する場所」であると同時に「予防の場所」にもなってきています。お子さんの場合はフッ素を塗布することで酸への抵抗力を高めてムシ歯になりにくくする方法や、シーラントといってハブラシの毛先が届きにくい奥歯の溝を、薄いプラスチックで塞ぐことでムシ歯を予防する方法もあります。歯科医院と相談して、取り入れてみるのもよいですね。
我が子をムシ歯から守るためにできること。
ムシ歯予防のために何より大切なのは、やはり家での歯みがき習慣です。ムシ歯にさせないために気をつけたいポイントをまとめてみましたので、ぜひ今日から取り入れてみてくださいね。
1)寝る前のしっかり歯みがきが最重要!
就寝中は唾液の分泌量が減少します。そのためお口の中の細菌が繁殖し、ムシ歯の原因になりやすいので、寝る前の歯みがきは最重要。お子さんが小さいうちは、毎食後に歯みがきをさせるよりむしろ、毎日1回、就寝前にしっかりプラーク(歯垢)を取り除く方がムシ歯予防には効果的です。ただし歯みがき後の飲食は禁物。水分補給はお水かお茶で。
2)親の仕上げみがきは必須。
1~2歳になったら親と一緒に自分で歯みがきをさせましょう。そのあとは必ず親が仕上げみがきを、10歳までは続けましょう。毎日は大変かもしれませんが、3つのコツをつかめば効率的にしっかりとプラーク(歯垢)を落とせます。
① 姿勢
◎親は脚を伸ばして座り、その上に子どもをあおむけに寝かせる。
◎両脚で子どもをはさむようにしてお口の中を上からのぞき込む。
◎脇をしめてハブラシを持つ手を安定させる。
◎あおむけを嫌がる場合は向かいあってもOK。
◎親が怖い顔、真剣な顔をしていると子どもが不安になるので笑顔でやさしく声をかけながら行う。
② ハブラシの持ち方と力加減
◎無駄な力が入りにくく、毛先を細かく動かせる ペングリップで。
◎ハブラシの毛先が寝ない程度の力加減が目安。子どもに痛みを与えてしまうと仕上げみがきを嫌がるので気をつける。
③ ハブラシの動かし方
◎歯と歯の間にハブラシの毛先をキュッと軽く差し込む。ハブラシを固定することで、大きく動かせなくなり細かな部分までみがくことができる。
◎固定したハブラシを左右に10回ほど細かく振動させ、少しずつずらしながらみがく。
歯科医師直伝の仕上げみがきのコツや歯みがき嫌い克服法なども参考にしてみてくださいね。
3)みがき残しやすい歯とケア方法をマスター。
仕上げみがき後のチェックは、いろんな角度からのぞき込んでみがき残しがないかよく確認。特に図にしめした部分はみがき残ししやすいところなので注意しましょう。下記の①~④の上手なみがき方のコツも参考に。
① 上の前歯の歯と歯の間
唾液が届きにくく汚れがたまりやすい場所。歯と歯の間にしっかり毛先を入れる。
② 上下の前歯の歯とハグキの境目
プラーク(歯垢)がたまりやすく、みがき残しの多い場所。毛先が歯とハグキの境目にきちんと届いているか確認しながらみがく。上唇の裏のスジにハブラシが当たると痛いので人差し指でガードする。
③ 奥歯の歯と歯の間。
ハブラシが届きにくく、汚れがたまりやすい場所。お口を閉じ気味にすると頬が張らず、ハブラシが奥まで入りやすい。
④ 奥歯の溝の部分
食べカスがつきやすく、唾液でも流されにくい場所。丁寧なブラッシングを心がけ、常にムシ歯チェックを。
4)ハブラシ交換の目安を守る。
毛先が開くのを目安に交換している方が多いようですが、毛先が開いていなくても、弾力が落ちてきた時点でプラーク(歯垢)や食べカスをはじき出す反発力が落ちるのでみがき残しが多くなります。お子さんの歯を守るためには、弾力がなくなったと感じたら早めの交換を心がけましょう。
ムシ歯予防は「赤ちゃんの頃」も大切です。
実は生まれたての赤ちゃんのお口には、ムシ歯の原因になるミュータンス菌は存在しません。ところが、菌を持たないはずの赤ちゃんが、急にミュータンス菌に感染しやすくなる時期があります。それが1歳7ヶ月から2歳半くらいまでの頃。医療関係者からは 「感染の窓」といわれるこの時期、なぜ感染しやすくなるのか、どんな対策をとればよいのかを覚えておけば、さらにしっかりとムシ歯からお子さんを遠ざけることもできるかもしれません。
また、ミュータンス菌は感染時期が早ければ早いほど、赤ちゃんのお口の中に菌が定着しやすいといわれています。生えたての乳歯はエナメル質の厚さも永久歯の1/2と薄くてもろい状態でムシ歯になりやすい上に、1本ムシ歯になると次から次へと増える可能性が。しかも痛みを感じにくいので気づかないうちにムシ歯が進行してしまうこともあるんです。ただし、乳歯は、唾液からカルシウムやリンなどのミネラルを補充しながら徐々に強くなっていきます。乳歯が成熟すればムシ歯になるリスクはぐんと減り、その後のケアも楽になります。だからこそ、お口の中がまだ無防備な赤ちゃんの時にしっかりケアしてあげることが、乳歯のムシ歯予防のカギといえるのです。
記事提供:クラブサンスター
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