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2018.02.16

サラリーマンは老後、公的年金だけで生活できるのか?


PhotoAC

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はたして公的年金だけで生活できるのか?そもそも年金はもらえるのか? 老後を考えると不安なことばかりです。今回は、老後を迎える前に準備しておきたいことを中心に、「老後のお金」について一緒に考えていきましょう。

まず皆さんに質問です。「老後と聞いてどのようなイメージをお持ちですか?」「老後いくらのお金があれば安心ですか?」

悠々自適にセカンドライフを楽しみたい、働いている時には行けなかった海外旅行にたくさん行きたい、田舎に引っ越してのんびりと暮らしたい、等々いろんな夢があるでしょう。どれもお金がかかりそうですね(笑)。

人生の3大支出(教育資金、住宅資金、老後資金)の中でも、どれだけ必要になるか読めないのがこの老後資金です。いつまで生きることができるのか、どんな病気に罹るか、これが分かれば事前に備えることができますが、そんなことは誰にも分かりませんね。だからあらゆることを想定して備える必要があるでしょう。

まずは1)現状を確認して、次に2)想定できるリスクを考え、そして最後に3)貯蓄や保険でどこまで備えるかを検証していきましょう。

1 現在年金暮らしをしている世帯の現状

総務省の調べによると、65歳以上の高齢者で仕事をしていない世帯の現状は、収入が約21万円(社会保障給付等)、それに対し支出が約26万円(生活費や余暇費用、社会保険料や税金等)です ※1)。その差額約5万円が毎月赤字で、貯蓄を取り崩しながら生活しているということになります。

ではこの赤字分を何年分準備すれば良いのでしょうか。平成27年簡易生命表によると65歳の平均余命は男性で約19年、女性で約24年となっています ※2)。よって90歳くらいまでの25年間分は準備しておきたいものです。

これを計算すると、毎月の赤字「約5万円」×12ヵ月×25年=約1500万円となります。普通に生活するだけでも、公的年金だけでは暮らすことができないことが分かります。

※1)総務省「家計調査報告」(平成28年)
※2)厚生労働省「簡易生命表の概況」(平成27年)

2 医療や介護等のリスクを考える

出典元:PhotoAC

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弊社に寄せられる老後相談の中でも、介護について不安を感じておられる方は少なくありません。皆さんは「健康寿命」という言葉をご存知でしょうか?

健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間のことをいいます。この健康寿命と平均寿命の差は、男性で約9年、女性で約12年となっています ※3)。前述した生活費の赤字分に加え、医療費や介護費にも備えておく必要があるということが分かります。

では実際にどれだけ備えておくべきか? 過去3年間に介護経験のある人へ行った調査では、介護を行った平均期間は4年11ヵ月、また介護に要した費用は一時的な費用が平均約80万円、月々の費用が約8万円となっています ※4)。

これを計算すると、約80万円+約8万円×4年11ヵ月(59ヵ月)=約550万円となります。

先に計算した1500万円に加え一人分の介護費用を準備するとなると、約2000万円が必要となります。

※3)厚生労働省「厚生労働白書 ~健康・予防元年~」(平成26年)
※4)生命保険文化センター「生命保険に関する全国実態調査」(平成27年)

3 これらのリスクにどうやって備えるのか

医療や介護のリスクに対して生命保険等で備えようと考える人が多いですが、ファイナンシャルプランナーの視点からすると、それは間違い!

医療保険や介護保険にはそれぞれ支払い要件があり、その要件に該当しなければ保険金はおりません。後期高齢者医療制度等の公的保険制度を正しく理解することで、生命保険の過多な加入を防ぐことができるでしょう。また、病気のことばかり気にするのではなく、長生きするということもリスクとしてとらえておいてください。生活費や余暇費用などに備えたいのであれば、保険ではなく貯蓄をたくさん準備することです。

大切な資産を保険という金融商品に変えてしまっては入院や要介護状態の時しか使えません。現預金であれば、入院費や介護費用だけでなく、健康で長生きした時の生活費や余暇費用にも使えます! 保険を全く否定するわけではありませんが、保険と現預金のバランスを良く考える必要があるでしょう。

出典元:PhotoAC

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以上のように、老後までに約2000~2500万円の蓄えがあれば、ある程度の事態には対応できそうです。ではこの金額をどうやって貯めるのか? 大企業にお勤めの会社員や公務員の方であれば、定年退職金を見込んでおいても良いでしょう。もしそれで足りないという場合や、定年退職金が充分にないという方は、やはり今からコツコツと貯めていくしかありません。

でもこれは公的年金が65歳からもらえることが前提です。将来的に公的年金の支給開始年齢は、段階的に70歳まで引き上げることを国は検討しています。外国に目を向けてみると、先進国のアメリカやイギリスでは、年金支給開始年齢を67歳や68歳など段階的に引き上げていくことが、すでに決まっています。

もし日本もそうなると、もっと蓄えが必要になります。そんな将来を見据えて、70歳まで働ける環境を作り収入を確保したり、少しリスクを取って投資信託などで運用したりすることも大切といえます。いずれにしてもライフプランとマネープランを今一度見直してみる必要があるのではないでしょうか。

(ファイナンシャルプランナー/中村賢司)

FPオフィスゆめたまご代表 中村 賢司

2008年に独立系FP事務所「ゆめたまご」を設立。ファイナンシャルプランナーとして年間400件以上の個別相談を受けながらテレビ・ラジオ番組に出演。さまざまなメディアを通して、ライフプランの重要性、投資の啓蒙を説いている。

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