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2018.01.22

あごがカクっとする「顎関節症」の原因はストレス?|知っておきたい対処法


あごが痛かったり、口がうまく開かなかったりして、違和感を覚える…。そんな症状が続く場合は、顎関節症の可能性があります。

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今回は、顎関節症の症状や原因、予防法・対処法について、東京医科歯科大学顎関節治療部診療科長の西山暁(にしやまあきら)先生にお話を伺いました。

目次
-顎関節症の症状
-顎関節症の原因
-顎関節症の対処法と予防法

顎関節症の症状

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「顎関節症」はあごの関節や筋肉の症状から病気の状態(病態)を判断します。病態は大きく二つに分かれており、あごに痛みがある「疼痛(とうつう)障害」とあごを動かしたときに音がしたり口が開かなくなったりする「顎関節内の障害」があります。ここでは顎関節症の具体的な症状について解説していきます。

疼痛障害

疼痛障害には口を開けたりものをかんだりするときに筋肉が痛む「咀嚼筋(そしゃくきん)痛障害」と関節が痛む「顎関節痛障害」があります。

咀嚼筋痛障害(そしゃくきんつうしょうがい)

口を開けたりものをかんだりするときにあごの筋肉が痛くなることを「咀嚼筋痛障害」といいます。上あごと下あごをつなぐ咬筋(こうきん)やこめかみにある側頭筋などに痛みが出ます。場合によっては、あごの周りの筋肉だけではなく、歯に痛みが出ることもあります。

顎関節痛障害(がくかんせつつうしょうがい)

あごを動かしたときに筋肉ではなく、関節が痛くなることを顎関節痛障害といいます。

顎関節内の障害

顎関節内の障害は、口が開かなくなったり、カクンと音がしたりする「顎関節円板障害(がくかんせつえんばんしょうがい)」と、関節の骨の形が変化する「変形性顎関節症(へんけいせいがくかんせつしょう)」があります。

顎関節円板障害

関節の間にある「関節円板」という、線維組織(コラーゲン)を主成分とし小さなクッションのような働きをしてくれる構造物がずれてしまうことで起こる症状です。口を閉じたときにずれて、口を開けたときに戻る「復位性」と、ずれたままになってしまう「非復位性」の2つがあります。

・復位性の特徴:口を開けたときにカクッという「クリック音」がします。関節円板が口を閉じたときにあごの前方にずれて、口を開けたときに戻るため起こります。

・非復位性の特徴:関節円板がずれたままになってしまうことによって関節の動きが制限され、口が大きく開けられなくなってしまいます。

変形性顎関節症

変形性顎関節症は、あごの関節の骨の形が変化した状態になる症状のことを指します。顎の関節のクッションとなる部分がずれたままになる非復位性顎関節円板障害が出た後に生じやすいといわれています。あごを動かしたときに、骨同士がすれるようなジャリジャリ、ゴリゴリという「クレピタス音」がします。

顎関節症のセルフチェック

ここまでで紹介した症状があると思ったら、下記で紹介する簡単なチェックを行いましょう。
質問に対して「全くない(0点)」「ほとんどない(1点)」「時々ある(2点)」「よくある(3点)」「いつもある(4点)」のなかから、一番よくあてはまるもの選んでください。その上で、4つの質問の点数を足して合計点を計算ししてみましょう。

西山先生によると、次の4つの質問に答え、合計点が5点以上の場合、顎関節症である疑いが強いとのことです。早めに専門医に相談してください。

【1】口を大きく開けたとき、人差し指から薬指を並べた3本指を縦にして入らない
【2】口を大きく開け閉めした時、あごや耳の前が痛む
【3】口を大きく開いたとき、曲がって開く
【4】干し肉、するめ、タコなど硬いものを食べるとあごや顔が痛む

顎関節症の原因

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顎関節症の原因は「歯ぎしり」「食いしばり」「かみ合わせ」などさまざま要因から引き起こされます。ここでは、おもな顎関節症の原因について解説します。

歯ぎしりや食いしばり

ストレスや不安、抑うつ、慢性的な疲労などによる睡眠中や覚醒時の歯ぎしりや食いしばりが続くと、顎関節や咀嚼筋へ負荷をかけるので、痛みや関節円板のずれを引き起こします。

かみ合わせ

奥歯しか咬み合う歯がなかったり、極端なかみ合わせの悪さで、片側だけで食べていたりすると、あごの関節や筋肉に負担がかかり、顎関節症になる可能性があります。ただし、最近では咬み合わせの影響はそれほど大きくないと考えられています。

外傷

あごに対して強い衝撃が加わった場合、関節や筋肉に負担が加わり、顎関節症の発症につながる可能性があります。けがや打撲は治っても、関節や筋肉にダメージが残り、顎関節症が続くことがあります。

顎関節症の対処法

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顎関節症の対処法は、そのまま予防法につながります。顎関節症はセルフマネージメントで症状が改善するケースがほとんどですが、変化がない場合には、医療機関で治療を行います。セルフマネージメントを行い、1~2週間で症状が改善しないときは、専門医に相談しましょう。

上下の歯が当たっていないか確認し、深呼吸をする

無意識のうちにあごに力が入り、上下の歯が当たり続けていると、あごの筋肉に負担がかかってしまうので、上下の歯が当たっていないかどうか、こまめに確認するとよいでしょう。

平常時、食事中や唾液を飲み込む時以外は上下の歯が当たることはありません。食事中や唾液を飲み込む時以外にチェックをしてみて、10回中4回以上上下の歯が当たっている場合は、無意識に力が入っている可能性があります。あごの負担を減らすためにも、あごが当たっていると気づいたタイミングで都度、鼻で息を吸って口から吐く「深呼吸」をしてみるとよいでしょう。

同じ姿勢をとり続けない

長時間にわたって同じ姿勢が続いているときは、無意識のうちに上下の歯が当たり、歯を咬み続けている可能性があります。定期的に休憩を取りのびやストレッチをして、リラックスするようにしましょう。

ほおづえをつかないようにする

ほおづえをつくと、手であごに圧力を加えてしまうので、あごの関節に負担をかけてしまいます。長時間ほおづえをつき続けると、負担はより大きくなってしまうので、くせになっている場合は意識的に回数を減らしたり長くつかないようにしたりしてください。

<参照>
「顎関節症とかみ合わせの悩みが解決する本」木野孔司(講談社)

photo:Getty Images

※体験談は個人の感想であり、特定の効能・効果を保証したり、あるいは否定したりするものではありません。

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提供元:あごがカクっとする「顎関節症」の原因はストレス?|知っておきたい対処法│フミナーズ

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