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2017.10.18

パートナーにイライラして眠れない! 夫婦の安眠環境を見直してみませんか?


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最近ダブルベッドでは安眠できない…。それは愛情が冷めたからではない

新婚当初は、1日中一緒にいても幸せな気分に浸っていられたパートナーとの関係。しかし、同居の年月を重ねていくと共に、嫌いになったわけではないのに、毎日近すぎる距離で過ごすことに煩わしさを覚えてしまう…。最近ふと、こんな気持ちを覚えることはありませんか?

その一つの兆候として、新婚時代に迷わず買ったダブルベッドを重荷に感じてしまうという夫婦は少なくありません。パートナーのぬくもりを感じながらぐっすり安眠できたのが、新婚時代。それがいつしか、お互いの寝息や寝相が安眠の妨げになり、「一人でのびのびと寝られたら…」と思うようになる。結婚生活を続けると共に、こうした変化を感じていく夫婦は珍しくないものと思います。

この変化を、「愛情の破綻」などと悲観的に考える必要はありません。パートナーシップは、数十年というロングタームで営んでいく関係です。新婚当初のようなホットな愛情がやがて落ち着き、お互いを「空気のような存在」と感じるような落ち着いた関係になること。それは寂しいことではなく、むしろよりよいパートナーシップに変化した証であると思えませんか?

「ほんとうの自分」に戻る就寝時間を、妥協して過ごしていませんか?

就寝時間は、自分が「ほんとうの自分」に戻れる時間です。この就寝の時間に、自分が最も落ち着ける空間で過ごすことは、自分のメンタルを大切にするために、実はとても大切なことなのです。

近年では寝室を別にして、お互いの「個の時間」を大切にしたいと思う夫婦も増えています。そもそも「夫婦の絆のために寝室を同じくするべき」――。実はこうした思い込みが、夫婦関係を窮屈にしているのではないでしょうか? この思い込みは、夫婦に関する従来型の価値観(「夫は仕事、妻は家事」など)のように、本来は多様であってよいはずの夫婦の行動を、一つの枠にはめている可能性もあります。

家族が集まるリビングは、家族全員にとって落ち着く、無難な空間にまとめるのはよいことです。しかし、人にはそれぞれ、好みの環境や色彩、空間があります。「ほんとうの自分」になるための個の空間は、各自が心から落ち着き、快適になれる場にすることが大切です。

夫婦の感性がずれていくのは、お互いが成長している証

たとえば男性には、モノトーンや寒色系の色合いを好み、メタリックで無機的な材質を多用した空間にいると落ち着く、と感じる人が多いでしょう。一方で女性は、こうした空間に身を置くと女性性が失われるように感じ、冷たさを覚えるという方が多いかもしれません。

一方で、暖色系でやさしい色合いを好み、明るく華やかな空間で過ごすと落ち着きを感じる人は、圧倒的に女性の方に多いでしょう。男性はこうした空間で過ごしているだけで、自分の主体性が失われたような違和感を覚えるという人が多いかもしれません。

このように同じ家庭で生活をしていても、夫婦はそれぞれ感性や価値観が異なるものです。新婚時代にはそれらがマッチしているように思えても、年を重ねるごとにずれを感じるのは、成長の証でもあります。

「ダイバーシティ」は、家庭においてこそ尊重されるべきもの

少し話はずれますが、今、企業などの組織では「ダイバーシティ・マネジメント」の推進が盛んにおこなわれています。個人の多様性を認め合い、各々の個性を活かしながら生産性を高めていくというアプローチです。

このダイバーシティの推進により、慣習的な一つの考え方に合わせるのではなく、個人がそれぞれの文化で高めてきた知識や考えを紹介しあっていくこと。そして、仕事の新しいアイディアが生まれる環境をつくっていくというムーブメントが盛んに起こっています。

ダイバーシティの考え方は、本来、個人の価値観が育まれる家庭においてこそ、発揮されるべきものではないかと、私は思っています。そのベースとして、夫婦それぞれの感性、価値観を認めあい、家庭の中でそれを表現しあうことの大切さに、もっと注目してもよいのではないかと思います。

安眠を得るために必要な環境について考えてみましょう

違和感があるのに無理矢理一つの価値観に合わせ、妥協点を探りながらトキメキのない環境で生活をしていくこと――。こうした生活を積み重ねていくと、いつしか夫婦でいることに喜びを失い、息苦しさを覚えてしまうかもしれません。とくに、「ほんとうの自分」に戻るための安眠の場で夫婦がお互いに妥協して過ごすことは、自分らしさの開花の妨げにつながっていく可能性もあります。

もちろん、夫婦が同じ寝室で安眠できるなら、それはとても素敵なことです。また、個性を大切にするために「夫婦別寝」が必要なわけでもありません。しかし、安眠を得るために自分が心からリラックスする環境を求めたいのなら、必ずしも夫婦が同じ空間で就寝することにこだわることはないのかもしれません。

パートナーシップにとって大切なのは、お互いが「ありのまま」を認めることです。夫婦で過ごす寝室に違和感を覚えているなら、夫婦それぞれが心からリラックスできる寝室環境について少しじっくり考えてみませんか? そのことから、よりよいパートナーシップを育むために必要なことが、見えてくるかもしれません。

photo:Getty Images

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大美賀直子

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早稲田大学教育学部を卒業後、出版社やIT関連企業に在籍し心身の健康等の編集の仕事に携わり、独立。メンタル領域専門のコラムニストとして、ストレスや心の健康、対人関係、モチベーション等に関する執筆活動、講演活動を行う。同時に心理カウンセラー、研修講師としても活動し、メンタルヘルス支援企業「(株)ハートセラピー」に所属。法人向け研修、労働者や大学生へのカウンセリングを行っている。雑誌・新聞等メディアへの出演も多く、著書多数。『長女はなぜ「母の呪文」を消せないのか』(さくら舎)、『なぜあの人の働き方は「強くて美しい」のか?』(明日香出版社)などの書籍を出版している。

「(株)ハートセラピー」 ※外部サイトに遷移します

提供元:パートナーにイライラして眠れない! 夫婦の安眠環境を見直してみませんか?│フミナーズ

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